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坂井千明の「コースの達人」

京都競馬場

中央4場で唯一直線に坂のない高速コース

伝統の一戦・春の天皇賞や、クラシック最後の一冠・菊花賞など、長距離GIの舞台として有名な京都競馬場。このほか、秋華賞、エリザベス女王杯、マイルCSなど、秋にはビッグレースが目白押しとなります。

コース全体としては、ホームストレッチ、バックストレッチ共に長い幅広の楕円形。芝コースには内回りと外回りが設定されており、全周距離は芝の外回りで、新潟、東京に次ぐ3番目。ダートは東京に次ぐ2番目の規模を誇ります。

さらに特徴的なのが、京都名物ともいえる3コーナーの丘です。芝外回りの場合、高低差4.3mもの起伏がある丘の頂点を通り、内回りは高低差3.1mの中腹を通ります。この丘をいかに馬と折り合ってやり過ごせるかが、騎手の腕の見せ所。ここを除けばほぼ平坦。中央4場で唯一、ゴール前の直線に坂が設けられていないコースでもあります。

僕がヤシマソブリンで2着した94年の菊花賞は、この3〜4コーナーを含め、道中の位置取りなども完璧に乗れた一戦でした。勝ったのはあのナリタブライアン。相手が悪かったね…。

コース選択
芝コース
ダートコース
1200m
芝 1200m

距離によって若干傾向に違いはありますが、基本的に外回りは差し馬、内回りは先行馬が有利だといえます。特に芝1200m戦はその傾向が顕著。3コーナーにかけていきなり上り坂になっており、コーナー入り口付近にある坂の頂上からは下り坂になっています。

しかも直線は平坦コースで短いわけですから、トップスピードを保ったまま一気にゴールまで行けるのです。オーバーペース気味に飛ばした逃げ馬でも、そのまま残ってしまうケースもありますね。

枠順は基本的には内枠の方が有利ですが、ローカルの競馬場よりはコースが広いので、大外枠でもそれほど減点材料にはならないでしょう。馬場状態にもよりますが、揉まれない外枠の方が有利なケースもあります。


1400m(内)
芝 1400m(内)

スタート地点は向正面3コーナーのポケットで、芝1200mのスタート地点から200m下がった地点になります。スタートから3コーナーまでは約500mほどあるので、1200mほど一気に行き切れないぶん、逃げ馬の信頼度は半減します。

ただ、このコースは2歳、3歳限定の新馬、未勝利、500万のレースのみで使用されるため、展開が読みにくい部分もあります。一般的には差し馬に不利で、逃げ・先行の方が圧倒的に有利。また多頭数になると内枠がごちゃつきやすいので、内を見ながら運べる外枠のほうが競馬はしやすいかもしれませんね。


1400m(外)
芝 1400m(外)

スタート地点は向正面の2コーナー出口。2歳や3歳のオープン競走などで使用されます。内回り同様に3コーナーまでの直線は長いですが、ここからのカーブが緩く勾配が急。勢い余って4コーナーで外に膨れてしまう馬も多く見受けられます。

また、最後の直線に向くとすぐに内回りのコースと交差し、インコースにスペースができます。そのスペースをつき、インから抜け出すという奇襲が時折可能になるわけです。開催前半の馬場の内が荒れていないうちは、当然逃げ・先行馬が有利。コーナーで外に膨れやすいため、外枠の差し馬は若干不利なコースですね。


1600m(内)
芝 1600m(内)

基本的に内回りコースは、逃げ・先行馬に有利なのですが、ことマイル戦に限っては例外。これは、どの競馬場にもいえることです。競馬場を問わず息の入らない流れになりがちですからね。

このコースはスタート地点が向正面2コーナーのポケットに位置し、スタートから3コーナーまで距離があるため、マイル戦にしては前半落ち着きやすい傾向にあります。ただし、3コーナー入り口の坂の頂上付近までにいいポジションを取りたいと皆が考え、出入りが激しくなることもしばしば。枠順の有利・不利はほとんどないですが、内回りコースの中では最も差し馬の出番が多い舞台だと覚えておいてください。


1600m(外)
芝 1600m(外)

マイルCSが行われるこのコースは、差し馬に有利な舞台。これは、上のクラスのレースになるほど顕著です。

2コーナーのポケットがスタートになり、内回りのスタートより若干3コーナー寄りに位置します。スタートから3コーナーまで700mほどあるので、枠順の有利・不利もほとんどないですね。最後の直線は約400mありますし、4コーナーを回ってから追い出しても十分に届きます。力のある馬が勝つ、馬券的には堅い決着の多い舞台ですね。ただ速い上がりを使える馬は、人気がなくても注意が必要でしょう。


1800m(外)
芝 1800m(外)

きさらぎ賞などが行われる外回りコース。スタートは2コーナー奥のポケット地点で、3コーナーまでの距離は900mもあります。

前半のペースは比較的ゆったり進みますが、コーナーが2つしかなく直線も長いので、かなり速い時計がでやすいコースともいえます。そのため、マイラーでもこなせるローカルの1800m戦とは全く異質で、中距離をこなせるスタミナが要求されます。

枠順の有利・不利はないですが、脚質的には、先行馬や好位差しの好走例が多く、ペースによっては後方一気も決まるコースです。


2000m
芝 2000m

秋華賞が行われるこのコースは、特殊な舞台。一般的には先行馬が有利な傾向にありますが、こと秋華賞に関しては掴みづらい。ホームストレッチ中ほどのスタートで、コーナーをきっちり4つ回りますから、その中で紛れが生じたり、激しい消耗戦になることもあります。

スタートから1コーナーまでの距離が短く、すぐに2コーナー。この前半の攻防戦次第で、先行馬が順当に残ったり、前が崩れたりするわけです。直線が短い内回りですから、一見内枠が有利に思えますが、実際は内を見ながら自分のペースを守れる5枠から外が好成績を残しています。


2200m(外)
芝 2200m(外)

2200m以上の距離は全て外回りで、およそスローのヨーイドン。最後の直線も平坦ですから、全競馬場のなかでも速い上がりが出る競馬場です。決め手に勝る差し馬に有利な舞台ですね。

ただし、超のつくスローペースになり、上がりが異常に速くなった場合は、人気薄の先行馬が残ってしまうケースがあるので要注意です。

単騎で逃げた馬は、よほど力のある馬でないとなかなか残れないのも事実です。また脚質や枠順よりも、距離実績や、京都の軽い芝への適性が重要になってくるコースだと思います。


2400m(外)
芝 2400m(外)

このコースも2200m同様、スローペースの上がり勝負になることが多い。1コーナーまで約600mのホームストレッチを通ってコーナーに入りますので、この時点で隊列はほぼ決まっていますね。

また仮に道中で隊列が乱れても、勝負どころの3コーナー付近では馬群が固まります。前半ある程度先行する脚があり、かつ最後の決め手勝負に対応できる馬の好走確率が高いですね。特に京都大賞典、日経新春杯などの重賞クラスになると、好位から抜け出すという安定力がモノをいい、後方一気など極端な脚質の馬には厳しいという傾向にあります。


3000m(外)
芝 3000m(外)

菊花賞で使用されるコースですが、このレースは最も広いAコースで行われます。スタート地点は、向正面の3コーナー手前の上り坂。スタートしてすぐカーブがあるので内枠の先行馬はポジションを取りやすいコース形態だといえます。

ホームストレッチから1〜2コーナーまでは平坦のためゆったりと進み、動き出すのが2週目の3コーナー過ぎ、坂の頂上付近ですね。下り坂はゆっくり駆け下りるのが鉄則。ここで折り合いを欠いてしまうと最後まで息が持たなくなります。また特徴的なのは、幅員の広いAコースで行われるため、4コーナーで先行馬がどうしても外に膨らみます。結果的に直線では馬群がバラけ、内がガラっと空くのです。


3200m(外)
芝 3200m(外)

天皇賞が行われるコースですが、菊花賞と決定的に違うのはDコースで行われる点。同じ外回りコースでも菊花賞より天皇賞のほうが幅員が10mも狭いので、4コーナーの展開がかなり変わってきます。

カーブが大きくなるDコースでは先行馬が外に膨らまないため、必然的に差し馬は外を回らざるを得なくなります。天皇賞は03年からDコースで行われるようになったのですが、逃げ・先行馬が時折波乱を演出していますよね。これは裏を返せば、人気の差し馬が届かないようなコース形態になったということです。枠順に関しては、芝3000m同様に内枠が有利ですね。


ダート 1200m
ダート 1200m

まずはっきりといえることは、逃げ・先行馬が有利であるということ。芝ほど勾配が急ではありませんが、ダートの3コーナーにも高低差3mの丘があります。この丘の頂上から4コーナー半ばまで下りが続き、直線はほぼ平坦ですから3コーナー中間から徐々に流れが速くなります。息の入らない展開になりますから、この流れを後方から差し切るのは至難の業。縦長のまま4コーナーを回った場合は、およそ逃げ・先行馬が残ります。

データ上は枠順による有利不利はさほどありませんが、流れを考えれば、やはり内枠からポンと出られる馬が有利かと思います。


ダート 1400m
ダート 1400m

2コーナーに設けられた引き込み線の芝コースからスタート。外枠の馬で約180m芝コースを走ります。スピード豊富な逃げ馬などが、この芝コースを利して突き放すような展開になれば、かなり有利です。ゲートが外寄りに置かれるようになってからは、ゴチャつかなくなった分、内枠が有利といえますね。

ちなみにスタートから3コーナーまでは610mもあり、ダートコースとしては非常に長い。 また1200mに比べて馬群は縦長になりやすいですが、先行争いが緩くなることはほとんどありません。好位からレースを進められるタイプが力を発揮できる舞台といえるでしょうね。


ダート 1800m
ダート 1800m

平安S、アンタレスSなどのダート重賞が行われるこのコース。スタート地点はスタンド前の直線半ば付近で、1コーナーまでが286mと短く、外枠の馬はどうしてもここで外に振られてしまいますね。1コーナーに入るまでに隊列が落ち着きやすく、縦長にはならないので、外枠の逃げ・先行馬には苦しいコース。

データからもはっきりと、1枠の逃げ・先行馬が有利な舞台だと出ています。ただし、展開や馬場状態次第では向正面で激しくレースが動くこともあります。ハイペースになれば当然差し馬にもチャンスが出てきますし、外からマクる脚のある追い込み馬も届く傾向にあります。



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