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坂井千明の「コースの達人」

中山競馬場

オーバーシードで冬でも青々の絶好馬場

春は牡馬クラシック戦線の開幕戦となる皐月賞、年末には古馬王道路線を歩んだ古豪と3歳馬が激突するグランプリ・有馬記念が行われるのが中山競馬場。他にGIはスプリンターズS、朝日杯FSが行なわれます。

芝コースは内回りと外回りの2種類があり、豊富な距離を施行できるのが特徴といえるでしょう。野芝ベースのオーバーシード型で、暮れの有馬記念時でも芝は青々としています。9月開催では芝の馬場状態は絶好で、好時計決着になる特徴があります。

また、中央4場でもっとも小さい形状ですが、起伏に富んだレイアウトを施されており、最後の直線は残り200m地点から、芝で一気に2.3m(ダートは2.2m)も上る急坂が待ち構えております。スピードはもちろん、スタミナも要求され、馬にとってはまさに“心臓破りの坂”というべき代物でしょう。

コース選択
芝コース
ダートコース
1200m
芝 1200m

外回りバックストレッチからのスタートで、いきなり約400mの間で4mほど勾配の下り坂になっています。そのため、テンから加速がつきやすく、3〜4コーナーはかなりのスピードに乗って進入することになります。

短距離戦ですから、基本的には先行力が必要ですが、最後に急坂が待っているので飛ばしすぎると粘り切れません。総じて、前を見ながら内々の好位を追走できる馬が最もレースがしやすい舞台です。一方で、かなりの乱ペースになれば、直線が短いぶん相当な切れ味が要求されますが、追い込み馬でも届くケースがあります。

枠順は外枠になるとスタート後に脚を使うぶん最後の粘りが利きません。大きく外を回らされる可能性もあり、厳しいコースといえます。先行力のある馬ならば、距離ロスなく進める内枠のほうがいいでしょう。


1600m
芝 1600m

1コーナーのポケットからスタート。山の頂上へ向かって走り、おむすび型の外回りコースを1周します。内側にスペースがあるので、絶対的に内枠が有利。以前に比べ内々がゴチャつくシーンはだいぶ解消されましたが、外を回らされるのは極力避けたいところです。

スタートしてまもなく右へ曲がる2コーナーのカーブがあり、ここが前半の勝負ポイントでしょう。2コーナーから3コーナー中間地点あたりまでは下り勾配ですが、その後の急坂を考えると乱ペースにはなりにくい。ひと固まりの馬群で勝負所を迎えます。

どの距離もそうですが、急坂ときつくて狭い4コーナーが待っているので、内々の経済コースを通れるのは非常に有利です。道中いかにして好位のインを取れるか、乗り役にとってはレース中の駆け引きが非常に重要になってくるコースといえるでしょう。


1800m
芝 1800m

正面スタンド前からのスタート。ゲートが開くとすぐに急坂が待ち構えています。最初の1コーナーまでの距離があまり長くないので、スタート後の位置取りが重要になってきます。前に行ける馬が内枠を引いた場合はすんなり先手が取れますが、外枠だと厳しいでしょう。

1〜2コーナーの攻防で、レースの流れが決まってきます。平均ペースで流れるのが普通ですが、重賞クラスになるとスローにはなりにくく、単純な上がりの競馬にはなりません。前掛かりの展開になりやすく、後方からの追い込みも決まります。

ただ、好位を追走できた差し馬が有利な舞台。右回りのローカル1800mに通じるコース適性が要求され、脚質を問わずこの距離で実績がある馬がよく走ります。それに、この舞台を得意とするコース巧者が出現しやすいのも特徴でしょう。


2000m
芝 2000m

スタート地点はスタンド前、4コーナーを曲がり終えたホームストレッチの右端にあります。レイアウトは内回りコースを使用し、ローカル場に直線の急坂を加えた感じ。坂を2回越えるので、スタミナも要求されるのが特徴といえます。2000mギリギリしかもたない馬にとってはやや苦しいかもしれません。

1コーナーまでAコースだと405mあり、急坂を通過するので自然とペースは落ち着き、隊列が決まります。あとは、向正面まで続く下り勾配でいかに脚を温存、息を入れながら走れるかが重要になってくるでしょう。3コーナー付近からが勝負所で、4コーナーでは前を射程圏に入れていないと厳しくなります。

総じて、揉まれずに行けた先行馬が中心です。4コーナーでも後方にいるようではかなりきつい。道中インで脚をためられた好位勢が、直線内を突くシーンが多々見られます。枠順については特に有利不利はないでしょう。


2200m
芝 2200m

直線のポケット地点からスタートし、外回りコースを使用します。芝2000mのスタート地点から少し右に移動したところからの発走で、スタート直後から最初のコーナーまでの攻防は、芝2000mのレースとほぼ同じとイメージしていいでしょう。

起伏に富んだコース形状が影響し、向正面の山の頂上から3〜4コーナー中間地点まで、非常に緩やかなカーブを通ることになり、早めの競馬になりがちです。したがって、直線だけの上がり勝負にはなりにくく、ロングスパートの競馬になりやすいのが特徴といえるでしょう。

道中で脚を使わされる外枠の差し馬より、内でジッとしていられる先行・好位勢が中心となります。ただ、あまり道中のペースが緩むと、マクリの馬が台頭することも。また、芝1800mや芝2000mが得意でない馬も、外回りの芝2200mは走れるという場合もあるので注意が必要です。


2500m
芝 2500m

外回りの3コーナー付近からのスタート。1周目4コーナーを通過した後は内回りコースを1周するレースです。各コーナーで息を入れながらの走りが可能なコース形態ですが、実際は激しい消耗戦になりやすく、スタミナが問われます。スタミナに自信がない馬には苦しいコースといえるでしょう。

6つのコーナーを回るので、先行馬には有利なコースです。ポイントは、スタート直後の位置取り。すぐ右に回るカーブに差し掛かるので、主導権争いはシビアになります。ややゴチャつく最内枠はマイナスですが、距離損をせずに内々をいかに立ち回れるかが重要となるでしょう。

大きな穴をあける場合は、たいてい人気薄の馬の前残り。00年有馬記念のテイエムオペラオーのように、差し・追い込みの馬はかなりの力がないと勝つのが難しいコースです。


3600m
芝 3600m

現在、JRAで施行されている平地では最長距離のコース。年末に行われるマラソンレース・ステイヤーズSのみに使用されています。

スタート地点は芝1800mと芝2000mのスタート地点の中間あたりで、内回りコースを2周します。8回コーナーを回るので、道中のラップは基本的に上がりません。前半最初の1周目は超スロー、後半2周目の向正面あたりから徐々にペースが速くなるのが特徴です。長距離戦ですが、最後は11秒台の末脚勝負となるため、スタミナのない馬はペースアップした際についていけなくなります。

小細工が利くコースで先行馬が有利ですが、前半のペースが上がると苦しい展開となり、差し馬の台頭となります。道中のラップが勝敗に影響し、難しいコースといえるでしょう。


ダート 1200m
ダート 1200m

2コーナー奥のポケット地点からスタート。コースのほぼ最高地点、バンク状になっている芝コースから発走します。発馬後は向正面中間まで約3m下り、そこからさらに緩やかな下りが続くので、テンから加速がつきやすく、淀みのない速い流れとなります。

芝スタートの場合、一般的にスピードに乗れる芝コースを多く走れる外枠は有利ですが、中山のこの距離は冬場や連続開催後半ともなると、芝の損傷が激しくなります。つまり、芝を長めに走れるといっても、その旨みが半減する可能性があります。とはいえ、ゴチャついてしまう内よりは外枠有利が基本線でしょう。ただ、内枠の馬でもテンのダッシュ力が速く、すんなりハナを奪えればそのまま押し切ることができます。

ゴール前に急坂はあるものの、脚質的に有利なのは逃げ・先行タイプ。上がりがかかり、短い直線ですので追い込み勢には苦しいコースです。


ダート 1800m
ダート 1800m

スタンド前の直線入り口がスタート地点。JRAでもっとも起伏に富むコースを1周することになります。スタート後の位置取り争いが収まったかと思えば、次に待ち構えるのは1〜2コーナーにかけてのタフな上り坂。その後は下りが続いて最後の直線にも上り坂が待ち構えています。

また中山のダートコースは一般的に砂が重く、走破時計がかかる馬場でパワー型の馬が活躍しやすい傾向にあります。特に冬場は非常に時計がかかる。時計よりもスタミナ勝負といっていいコースでしょう。

切れのある差し馬よりも、簡単にバテない先行馬が有利。4つのコーナーを通過するので、その際にうまく息を入れて走れた先行馬が活躍します。一方、雨で脚抜きのいい馬場になると、行った行ったの展開や外からの追い込み、マクル馬が飛んでくるなど、極端な脚質の馬が台頭することもあるので注意が必要です。


ダート 2400m
ダート 2400m

スタート地点は向正面の中間あたりで、コースを約1周半回るレースです。勝負のポイントは、最初の3〜4コーナーまでにできるだけ前目の位置につけられるかどうか。逃げ・先行馬が非常に有利なコースで、隊列が落ち着く1周目のスタンド前までに好位を取りたいところです。

スローペースが基本で、2周目の向正面の中間あたりでペースが上がります。しかし、ペースが緩みすぎると2周目の3コーナー付近から早くもマクリに出る馬も出てきます。いずれにしても、基本的には最終コーナーを先頭集団で回らないと、なかなか勝ち負けには加われないでしょう。

単騎逃げの馬、先行馬がバテながらもしのぎきるレースが基本的な特徴です。1〜2頭強い馬が先団から抜け出して、前でバテた馬を後方から差して2〜3着に突っ込むというのがパターンの一つ。人気薄の差し馬には注意を払いたいところです。



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