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坂井千明の「コースの達人」

東京競馬場

長い直線と緩いカーブが力勝負を演出

春はダービーやオークス、秋には天皇賞やジャパンCなど大レースが開催される東京競馬場。年間5開催で行われるGIは芝ダート合わせて8鞍。JRAつまりは日本を代表する競馬場だといえます。

わたしがナリタブライアンの3着に敗れた94年の日本ダービーも、もちろんここが舞台でした。1周距離、直線の距離をはじめとしたサイズは、新潟競馬場に次いで2番目。芝コースのホームストレッチは550m(ゴールまでは約526m)を超え、ダートのそれも500mを超えます。加えて、芝の直線には220mで2.1m上がる坂が配されており、底力が試されます。

また、おおむねカーブが緩く、シンプルな形状をしていることからも、能力のある馬が自身のパフォーマンスを演じやすい競馬場といえます。いい換えれば、力と力がぶつかり合う正真正銘の力勝負が展開されるわけです。だからこそ、3歳王者を決めるダービーや、世界の強豪を交えたジャパンCの舞台という大役を担えているといっていいでしょう。

コース選択
芝コース
ダートコース
1400m
芝コース 1400m

スタート地点は向正面真ん中。3コーナー手前で緩やかな上り坂があり、3〜4コーナーにかけて下り坂になっています。乗り役としては、 スタート後まもなく緩やかなカーブがあるため、内枠がほしいところ。

最後の直線は長いですが、やはり先行、好位差し馬が有利ですね。 ただし、先行馬同士で決まるケースは意外と少なく、後方待機馬が最速上がりを使って2〜3着に突っ込んで来るケースも見受けられます。 特に上のクラスになると展開が厳しくなり、マイルもこなせるぐらいのスタミナが必要。逆にスプリンターには厳しい舞台ともいえます。

また、冬期の向正面の大外は木の影になっていて凍結しやすく、馬の踏ん張りが利きません。このコースの外枠は嫌でしたね。


1600m
芝コース 1600m

スタート地点は向正面2コーナー寄り。 最初のコーナーまでの距離が500mを超えるため、向正面はジックリと乗ります。3コーナー手前にさしかかるところで緩い上り坂があり、そこを経て長い直線での追い比べ勝負となるわけですが、直線が長いので追い出しにかかるのは直線に入ってからになります。

逆にいえば、直線に入った直後はインコースで馬群が密集しやすい。馬の能力が最大限に生かされる、あるいは試されるコースといえるでしょう。

特筆すべき枠順による有利不利はありませんが、内側の馬場が極度に荒れていない限り、コーナーの形状からも、内枠に入った力のある先行馬が有利といわざるを得ません。


1800m
芝コース 1800m

このコースはメンバー次第で流れがガラッと変わります。重賞クラスでも超スローの上がり勝負になることも珍しくはないですからね。

スタート地点は1〜2コーナーの間にあるポケット。スタートから向正面の合流地点までの距離は約150mしかなく、位置取りを考えた際には、発馬後にごちゃつく内枠よりはやや中央寄りか、外枠の馬のほうが有利といえます。

ただし多頭数になった場合の大外枠は距離ロスが大きく不利ですね。逆に、手頃な頭数の場合はそういった不利も少ないので、どの枠でもあまり差はないでしょう。


2000m
芝コース 2000m

03年の改修により発馬後の直線距離が延長されました。1コーナー奥のポケットからスタートし、約100m進んだところにカーブがありますが、これも改修により進入角度が滑らかになりました。そのため、枠順を問わず出脚はスムーズになっています。

ですが、その最初のコーナーがバンク状になっている点は見逃せません。事実上、幅員が決まっているのですから、位置取りが難しい。ここで上手くインを取れるか、最短距離を行けるかが最初のポイントです。

位置取りが決まると約450mのバックストレッチとなるので、勝負は後半戦に持ち込まれます。この際、3〜4コーナーで後続に早めに来られると、インを通れる逃げ馬にも厳しいレースとなります。結果的に内寄りの枠に入った先行・好位差しタイプが活躍する例が多いのは、このあたりの展開、流れが大きく作用しているといっていいでしょう。


2300m
芝コース 2300m

芝2300mの番組が組まれているのは東京競馬場のみ。未勝利戦、500万クラスといった下級条件でしか行われないため、非根幹距離のレースの中でも特殊な条件だといえるでしょう。

スタート地点はスタンド前の中央付近。1コーナーまでの距離は約250mと短いですが、下級条件のためテンから展開が厳しくなることは少なく、スローペースになることが多いですね。4コーナーまでは淡々とレースが進み、最後の直線での力勝負という感じになります。

脚質的には先行馬が最も好成績を残していますが、下級条件のみの結果なので、オープンクラスのレースが行われないと掴みきれない部分は残ります。


2400m
芝コース 2400m

改修前は坂下のスタートで、いわゆるタフなコース形態でしたが、今は直線の坂をまさに上り始める時点からスタート。改修により滑らかな形状となった1〜2コーナー、向正面、そしてまた滑らかな3〜4コーナーを通って直線に戻ってきます。

この距離も先行・内々有利が基本で、あとは直線の能力勝負です。道中は内々、直線は馬場のいいところへ出すという、ジャングルポケットやネオユニヴァースのダービーの乗り方が理想。4コーナーで内が開かないのだから、外々を回るしかない外枠の差し・追い込み馬には厳しいコースです。もちろんナリタブライアンやディープインパクト、08年のディープスカイのように、力が抜けている馬のいるダービーでは、話は別ですが…。


2500m
芝コース 2500m

スタート地点は正面スタンド左の直線坂下。2500mを超える長距離戦は、直線の坂を2度越えねばなりません。1コーナーまでの距離が長いので逃げ・先行馬はどの枠に入っても主導権を取りやすいが、スタミナを必要とするコースであり、基本的に逃げ切りは難しい。好位・中団の内々を追走できた先行・差しタイプが有利といえるでしょう。

代表的なレースは、目黒記念とアルゼンチン共和国杯ですね。単なる瞬発力勝負ではなく、消耗戦での末脚勝負になりやすく、血統的にも重厚な長距離血統が結果を残しています。


3400m
芝コース 3400m

広い東京コースを一周半する、ダイヤモンドSでのみ使用されている特殊な舞台。以前は3200mで行われていたのが、改装に伴い現在の条件に。レース数が少ないため傾向が掴みづらいですが、長丁場なので一般的には超スローペースの上がり勝負になりやすいですね。

わたしは短距離戦よりも、どちらかというと長めの距離のほうが好き。こういう距離は、ジョッキー同士の駆け引きが大きいですからね。ただ展開に限らずいえることは、差し馬が有利であるということ。特に長くいい脚を使えるタイプが出てきたら狙い目ですね。これだけの距離なので、枠順による有利・不利はあまり関係ないでしょう。


ダート 1300m
ダート 1300m

スタートしてから3コーナーまでの距離は342m。スタート後すぐに上り坂があるとはいえ、位置取りが決まるのには不十分な距離で、3コーナー付近まではペースが速くなります。と同時に、とくに内枠はごちゃつく不利があります。

また、その後は下り坂もあるわけですから、淀みのないペースでレースは流れます。そして最後の長い直線、スピードとスタミナを兼備した馬が最初にゴールする舞台といえるでしょう。

ごちゃつく内枠はテンに揉まれ通しになってしまい厳しいですが、基本的には先行有利なので、内枠に入ったらダッシュ力があるかないかが重要です。また外枠、特に大外枠は砂をかぶらない分、スムーズに好位を進めれば勝機です。


ダート 1400m
ダート 1400m

スタート地点は向正面右で、ほぼ平坦なバックストレッチを走るため、前半はハイラップになる傾向があります。かといって、逃げ・先行馬に苦しいわけでは決してありません。乗り役も長い直線を意識しますし、実際、最後はバテ合戦の底力勝負。上がりがかかるレースが一般的です。

直線一気は決まりにくく、外寄りの枠からスッと先行できる馬が、最もレースをしやすいコースといえるでしょう。ただし、根岸Sのようにクラスが上がると差しも決まりだします。下級条件などでは、やはり切れ味より馬力が問われるコースだと覚えておいてください。


ダート 1600m
ダート 1600m

マイル戦は2コーナー奥の芝ポケットからのスタート。外枠は芝の部分を長く走れる有利さがある反面、インに入るのに手間取る不利があります。どっちもどっちなので、枠順による有利不利はあまり考えなくてよいでしょう。

ポイントを挙げるなら、発馬直後。ラチがない部分では内枠の馬は外へ、外枠の馬は内へと行くため真ん中がどうしてもごちゃつきます。真ん中の枠に入った馬は、先行できない場合後方までズルズル下がってしまうケースもあります。淡々とした流れで小細工がきかない距離ですから、力のある先行馬が有利ですね。


ダート 2100m
ダート 2100m

07年まではジャパンCダートが行われていたコース。スタート地点はスタンド前中央付近にあり、4つのコーナーを回るため基本的にペースは落ち着きます。1コーナーまでに引っ掛からずに行けるかどうかが重要で、枠順による有利不利もさほどありません。

東京コースではマクりも利きにくく、ダートは芝と違って後方一気が難しい。やはり、先行型のスタミナ勝負の舞台といえるでしょう。やはりスタミナは必要不可欠ですから、得意・不得意の差が出やすいコースだともいえますね。 また芝からダートに矛先を変えてきた馬が、もの凄い脚を使って追い込んでくることが稀にあるので注意。


ダート 2400m
ダート 2400m

03年の改装後に新しくできたコースですが、実際に組まれている番組は非常に少なく、あまり使われてないのが現状。芝2300mと同じように、500万や1000万クラスの平場戦が行われるくらいですね。

スタート地点はスタンド前の直線入り口。1コーナーまでの距離が非常に長いので、枠順の有利・不利は考えなくていいでしょう。また、2度の坂超えがあるので、2100mと比べるとかなりのスタミナが必要になります。

良馬場なら差し馬、時計の出やすい馬場なら先行馬と覚えておいたほうがいいでしょう。良馬場での逃げ・先行馬は、相当力がある馬でないと残れないコースですね。



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