おしらせ
【今週の重賞】[京成杯]ソールオリエンスとセブンマジシャンの一騎打ち
■1月15日、中山競馬場で第63回・京成杯(GIII、芝2000m)が行なわれる。
施行60回を超す中山伝統の3歳重賞。かつては1600mで行なわれていたが、1999年より現行の2000mに変更された。一時期はダービー馬・エイシンフラッシュや、菊花賞でディープインパクトの2着に入ったアドマイヤジャパン、どちらも皐月賞で好走したサンツエッペリンやマイネルチャールズといった活躍馬を輩出したものの、2014年に同コースのホープフルSがGIIに昇格してからはメンバーレベルが低下。近年はクラシックの上位を賑わすような馬をほとんど送り出せていない。
ソールオリエンス(牡3、美浦・手塚)は新馬勝ちから無傷の重賞制覇を狙う。フランスのGIII勝ちがある母スキアにキタサンブラックを配合。半兄のヴァンドギャルドは富士Sに優勝し、ドバイターフでは2021年2着、2022年3着と連続好走。ほかのきょうだいもJRAでコンスタントに勝ち上がっている優秀な一族だ。東京芝1800mでの新馬勝ちは前半が超スローに流れたため全体時計こそ平凡だが、ラスト3Fは11秒台が並ぶ出色のラップ構成。2着馬とはゴール間際までマッチレースを繰り広げ、3着以下は5馬身以上突き放した。クビ差の2着馬は次走で3馬身半差の快勝を収めており、この新馬戦のレベルの高さを物語っている。素材は一級品で、パフォーマンスも極上。京成杯は一昨年まで3年連続で新馬を勝ち上がったばかりの馬が優勝しており、キャリアの浅さも心配ない。ここを楽に突破するようなら、一躍皐月賞の有力馬に躍り出るだろう。
前走の失態から名誉挽回を誓うのはセブンマジシャン(牡3、栗東・高野)。叔母にノームコアとクロノジェネシスのGI姉妹を持つ良家の出自。新馬戦を2番手から抜け出して楽勝すると、続く黄菊賞は出遅れから直線追い込んで1着。違う戦法で連勝した点は高く評価できる。しかし続くホープフルSでは3番人気に支持されるも、向正面で引っかかってしまって6着敗退。きちんと折り合えていればもっと着順は上だったと思われ、名手・C.デムーロ騎手らしからぬ騎乗ミスが敗因だった。もっとも、前残りの決着を4コーナーで外を回りながら0秒4差まで詰めてきたのは地力のある証拠。スムーズな競馬ができれば、勝ち負けしても不思議ではない。
新馬・特別連勝で注目を集めるのはシャンパンカラー(牡3、美浦・田中剛)。父は早世が悔やまれる名種牡馬・ドゥラメンテ。母系からは桜花賞馬ジュエラーや重賞4勝のワンカラットなど多数の活躍馬が出ており、最近も一族のアラタがOP勝ちを収めている。秋の東京芝1600mの新馬戦は中団から最速の上がりを繰り出して差し切り勝ち。次走・ベゴニア賞は一転して逃げの手に出て連勝を果たした。本馬も異なる走りで連勝した点は褒めるべきだが、いずれも肝心のレースレベルに大きな疑問符がつく。実際、ベゴニア賞で0秒1差2着のヒップホップソウルはフェアリーSで11着に大敗した。さらに本レースは1600m以下からの臨戦馬が不振を極めている点も気がかり。字面の着順を鵜呑みにしないほうがよさそうだ。
シーウィザード(牡3、美浦・鹿戸)はコース適性を評価されて穴人気するかも。シゲルタイタンはダートで4勝、グランアリエルは芝短距離を3連勝と、個性は異なるものの兄たちはJRA現役で活躍中。近親もコンスタントに勝ち上がっており、いわゆるクズが出ない一族だ。函館で新馬勝ちすると、新潟2歳Sに転戦して3着に。続く芙蓉Sは圧倒的な1番人気に応えて優勝を果たした。しかし前走・ホープフルSは敷居が高かったか、見せ場のない9着に敗れている。同じ中山芝2000mでのOP勝ちがある点はセールスポイントだが、昨年の芙蓉Sは例年以上に低レベル。とはいえ今年は頭数が少ないうえにかなり低調なメンバーなので、コース勝利経験があるだけで優位に立つ可能性はある。
そのほかの登録馬は、サウジアラビアRC2着のグラニット(牡3、美浦・大和田)、同3着のシルヴァーデューク(牡3、栗東・西村)、東京スポーツ杯2歳S6着のシルバースペード(牡3、美浦・小野)、福島未勝利勝ちのサヴォーナ(牡3、栗東・中竹)、ジュニアC7着のオメガリッチマン(牡3、栗東・安田翔)。本レース史上、一、二を争う寂しい顔ぶれで、ソールオリエンスとセブンマジシャンの一騎打ちで何もないかもしれない。
(Text:Hattori)
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