競馬の祭典・ドバイワールドCデーがいよいよ目前に迫ってまいりました！

この記事ではJRAによる海外馬券販売が行われる4競走のうち、芝のドバイシーマクラシック及びドバイターフについてデータ面からのポイントをご紹介します。

■ドバイシーマクラシック（GI、芝2410m）
発走時刻：3月26日1時00分（日本時間）
※近10回を対象に分析した。

（１）年齢別成績
4歳【4.4.2.30】
勝率10.0％、連対率20.0％、複勝率25.0％
5歳【4.4.5.19】
勝率12.5％、連対率25.0％、複勝率40.6％
6歳【2.0.3.14】
勝率10.5％、連対率10.5％、複勝率26.3％
7歳以上【0.2.0.10】
勝率0.0％、連対率16.7％、複勝率16.7％

中心となるのは5歳馬。最多タイの4勝に加え、勝率、連対率、複勝率いずれの指標でもトップの成績を収めている。今年の出走馬で5歳馬はレベルスロマンス、シャフリヤール、ボタニク、モスターダフ、セニョールトーバの5頭。

4歳馬と6歳馬については単純な3着以内数は4歳馬優勢も、率としてはほぼ互角。大差ないものと見て良いだろう。

7歳以上についてはさすがに苦戦傾向。連対した2頭（14年シリュスデゼーグル、19年シュヴァルグラン）には直近1年以内のGI連対歴があった。

（２）牡牝別成績
牡馬・セン馬【8.7.8.65】
勝率9.1％、連対率17.0％、複勝率26.1％
牝馬【2.3.2.8】
勝率13.3％、連対率33.3％、複勝率46.7％

ジェンティルドンナを筆頭に強い日本牝馬が参戦していることも要因のひとつではあるが牝馬の指標が優秀だ。海外調教の牝馬も15年1着のドルニヤや17年2着セブンスヘブンなど結果を残している。

今年は日本からウインマリリンが参戦。紅一点の存在に注目して損はないだろう。

（３）調教国別成績
近10回を振り返ると、日本馬2勝、英国馬3勝、フランス馬2勝、UAE馬2勝、アイルランド馬1勝と特定の調教国への偏りは存在しない。どの国の馬でも狙えると考えて問題なさそう。

ただ馬券を考えるうえで中心としたいのは日本馬。複数の日本馬が参戦したドバイシーマクラシックにおいて、日本馬が1頭も3着以内に入らなかったのは2018年の1回のみ。昨年も日本馬のワンスリー決着だった。今年も日本馬旋風に期待したい。

また打率を重視するならフランス馬も優秀。【2.2.1.5】で勝率20.0％、複勝率50.0％をマークしている。今年はA.ファーブル厩舎のボタニクとY.バルブロ厩舎のザグレイが出走する。配当妙味を追うなら注目したい存在だ。

（４）ローテーション別成績
日本馬のローテーションは有馬記念からの直行（クロノジェネシス）や中山記念（スワーヴリチャード）、京都記念（ラヴズオンリーユー）を叩いてのローテーションなど様々だ。

久々でも問題ないようで、昨年の勝ち馬シャフリヤールはジャパンC以来のレースだったし、2着馬ユビアーはBCターフ以来の実戦だった。イクイノックスを筆頭にこれが久々のレースという馬も多いが、特段気にする必要はないだろう。

“スーパーサタデー”で開催される同条件のステップレース・ドバイシティーオブゴールドの勝ち馬は【3.0.0.4】で高勝率を誇るのだが、今年の勝ち馬・グローバルストームはドバイSCに出走しない。これは来年以降に覚えておきたいデータ。

フランス調教馬で好走数が多いのは3月上旬のオールウェザー1900m・ダルシャーン賞を使ってここに臨むパターン。

文字列だけ見ると何の変哲もない一般戦なのだが、フランスではドバイミーティングへの前哨戦として定着しており、2015年の1着ドルニヤ、2着フリントシャー、2018年3着馬クロスオブスターズに加え、2012年1着、2014年2着のシリュスデゼーグルも同条件の一般戦・メイダンホテル賞を使ってドバイへと参戦、本番での好走に繋げた。

今年は2頭のフランス調教馬が出走する予定だが、このうちダルシャーン賞を使っていたのがボタニク。フリントシャー、クロスオブスターズを管理したフランスの名伯楽A.ファーブルが狙い澄ましたローテーションでここを使うことを決めた以上は注目せざるを得ない。

Tips：ドバイシーマクラシックで活躍する日本馬の条件とは？
かつてはジェンティルドンナ、最近では昨年のシャフリヤールと日本馬の活躍が目立つドバイシーマクラシック。

左回り、広いコース、クラシックディスタンスということもあってか、ナドアルシバ開催のドバイシーマクラシックで結果を残した日本馬はいずれも東京芝2400mでのGI実績があった点に注目したい。

・ジェンティルドンナ（2013年2着、2014年1着）
→オークス1着、ジャパンC1着
・ワンアンドオンリー（2015年3着）
→日本ダービー1着
・ドゥラメンテ（2016年2着）
→日本ダービー1着
・ラストインパクト（2016年3着）
→ジャパンC2着
・シュヴァルグラン（2019年2着）
→ジャパンC1着
・スワーヴリチャード（2019年3着）
→日本ダービー2着
・クロノジェネシス（2021年2着）
→オークス3着
・ラヴズオンリーユー（2021年3着）
→オークス1着
・シャフリヤール（2022年1着）
→日本ダービー1着、ジャパンC3着
・オーソリティ（2023年3着）
→ジャパンC2着

このように3着以内馬はいずれも東京のクラシックディスタンスGIで実績を残した馬だった。

また東京芝2400mGIを勝ったことのある馬がドバイシーマクラシックに参戦した場合の成績は【2.3.2.4】で連対率45.5％、複勝率63.6％をマークしている。

今年出走する3頭の日本調教馬はいずれも東京芝2400mGIでの実績あり。3着以内の資格は3頭いずれにもありそうだが、このデータからはダービーウィナーのシャフリヤールに注目したいところだ。

■ドバイターフ（GI、芝1800m）
発走時刻：3月26日0時10分（日本時間）
※「ドバイデューティーフリー」を含めた近10回を対象に分析した。

（１）年齢別成績
4歳【4.4.2.39】
勝率8.2％、連対率16.3％、複勝率20.4％
5歳【4.4.5.33】
勝率8.7％、連対率17.4％、複勝率28.3％
6歳【3.1.4.17】
勝率12.0％、連対率16.0％、複勝率32.0％
7歳以上【0.0.0.14】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0％

※2018年は3着同着、2022年は1着同着

打率が高いのは6歳馬。勝ち星の数では4歳馬、5歳馬には及ばないものの、勝率、複勝率ではトップの数字をマークしている。

5歳馬も勝ち馬4頭に加え、連対率ではトップの数字。今年は該当馬がエルドラマ、マスターオブザシーズの2頭しかおらず、連軸で狙ってみるのも面白いかもしれない。

4歳馬で注目しておきたいのは「日本調教の4歳馬」。この条件に該当する馬は過去10回で【3.0.1.2】を記録し、勝率50.0％、複勝率66.7％をマークしている。今年もセリフォス、ダノンベルーガが出走する。

7歳以上はかなりの苦戦傾向で、3着以内に入ったのは2011年のプレスヴィス（1着）まで遡る必要がある。7歳馬のロードノース、ヴァンドギャルド、サーバスカー、8歳馬グロリアスドラゴンはこのデータを覆せるか。

（２）ゲート番別成績
1-5番【3.3.3.41】
勝率6.0％、連対率12.0％、複勝率18.0％
6-10番【5.5.5.34】
勝率10.2％、連対率20.4％、複勝率30.6％
11番より外【3.1.3.28】
勝率8.6％、連対率11.4％、複勝率20.0％

極端な枠はあまり良くないのか、1番ゲートは【0.0.1.9】で連対馬なし。逆に9番ゲートは【3.0.1.6】で勝率30.0％、複勝率40.0％、10番ゲートは【1.3.2.4】で連対率50.0％、複勝率60.0％。

人気サイドの馬が入っていたこともあるだろうが、比較的動きやすい真ん中やや外寄りの枠に入った方が活路を見出しやすいのかもしれない。ちなみに今年は9番ゲートにサーバスカー、10番ゲートにマスターオブザシーズが入っている。

（３）調教国別成績
真っ先に注目すべきは日本調教馬。過去10回で5勝を挙げるうえ、2014年以降、日本調教馬がこのレースに参戦した際は少なくとも1頭以上連対している。ダービー馬ドウデュースこそ無念の回避となったが、セリフォスを筆頭に3頭が参戦。上位独占の可能性も十分で、当然ながら要チェックだ。

次いで勝利数が多いのは英国調教馬。ロードノースの連覇によるところも大きいが、2012年にはシティースケープも制している。今年の出走馬で英国調教馬はエルドラマ、サーバスカーそしてロードノースの3頭だ。

地元UAE調教馬は2013年サージャー、2018年ベンバトルの2勝。いずれもS.ビン・スルール師の管理馬だった。同師はリアルワールドを送り出す。

（４）ローテーション別成績
日本調教馬のローテーションのうち好走例が多いのが中山記念からのパターンなのだが、今年は該当馬なし。

セリフォスと同じくマイルCSからのぶっつけローテは昨年シュネルマイスターが8着という結果に。そこだけ見るとやや不安な感も。ヴァンドギャルドのサウジC経由は日本調教馬では初のパターン。どんな結果になるか注目したい。

地元の前哨戦、“スーパーサタデー”のジェベルハッタを経由した組はそこで3着以内に入っていることが好走のための条件。近10回のドバイターフで3着以内に入った前走ジェベルハッタ組は7頭いたが、いずれも前走で3着以内に走っていた。

これを基準に今年の出走馬を仕分けると、チャンスがあるのはアルファリーク、エルドラマ、マスターオブザシーズの3頭で、10着リアルワールドは厳しい戦いを強いられるということになる。

フランス調教馬はこの10年で3頭が3着以内に好走したが、このうち連対した2頭（2015年ソロウ、2017年エシェム）は地元のAW馬場のレース（ぞれぞれダルシャーン賞、モンジュー賞）から参戦していた。

ドバイシーマクラシックでもそうだったが、フランス調教馬のAWレースからの参戦は注目して損はないパターン。今年はシャネルのオーナーでもあるヴェルテメール兄弟が所有するジュンコがダルシャーン賞からのローテーションを選択している。

■ドバイ4競走の展望はこちらから！
・【ドバイワールドC展望】パンサラッサを筆頭に精鋭8頭が12年ぶりの日本馬勝利を目指す
・【ドバイSC展望】年度代表馬イクイノックスが初の海外へ挑戦
・【ドバイターフ展望】日本ダービー馬ドウデュースに3連覇を目指すロードノースが立ちはだかる
・【ドバイGS展望】ゴドルフィンの期待を背にレモンポップがスプリント戦に挑む

■ドバイGIをデータで攻略だ！
・【海外馬券攻略】ドバイ国際競走をデータで斬る！（ドバイワールドC＆ドバイGS編）
・【海外馬券攻略】ドバイ国際競走をデータで斬る！（ドバイSC＆ドバイターフ編）