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5月6日（土）22時40分　編集部追記

ケンタッキーダービーに出走予定だったフォルテの出走取消が日本時間6日（土）22時10分過ぎに主催者から発表されました。
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日本時間の5月7日（日）、米国・チャーチルダウンズ競馬場でGI・ケンタッキーダービー（発走予定時刻：日本時間7時57分）が開催されます。

「スポーツの中で最も偉大な2分間」とも言われ、アメリカのみならず世界中の競馬ファンが注目するビッグレース。

今年はUAEダービーを快勝したデルマソトガケと地方所属馬として初めて大井のマンダリンヒーローが出走します。これに伴い、JRAによる海外馬券発売が実施されることになりました。

この記事では日本馬のライバルとなるであろう海外有力馬の情報と過去レースからのワンポイントデータをご紹介します。

難解な海外馬券攻略にぜひご活用ください！

＜有力馬紹介＞
※出走馬情報について5月2日にJRAから発表のあったものを基に作成しています。

■フォルテ
（牡3、米・T.プレッチャー）
【想定位置取り】中団
【実績】BCジュヴェナイルなど重賞5勝
【推しポイント】末脚強烈な全米2歳チャンピオン

昨年の全米2歳チャンピオンがこのフォルテ。敗れたのはデビュー2戦目のサンフォードS（ダ1200m）のみで、現在重賞を5連勝中と勢いに乗る存在だ。

圧巻だったのが前走・フロリダダービーの勝ちっぷり。4角でメイジにマクリ切られ万事休すかと思ったところ、そこからもう一度伸び返し、ラストできっちり差し切ってみせた。

マクる競馬も直線一気もできる自在性が持ち味。例年、多頭数でゴチャつくことも多いケンタッキーダービーなので、他馬の様子を見ながらレースを進められるのは強みになるだろう。

牝系を辿ると日本で三冠を達成したコントレイルの名が。勢いに乗る牝系の後押しも受けて、名前どおりの強さを見せつけたい。

■タピットトライス
（牡3、米・T.プレッチャー）
【想定位置取り】中団から後方
【実績】ブルーグラスSなど重賞2勝
【推しポイント】マクリが武器の個性派

4連勝でブルーグラスSを制したタピットトライス。名前のとおりのタピット産駒だ。

出脚の鈍いところがあり序盤は置いていかれがちだが、勝負どころからマクる脚は一級品。前走のGI・ブルーグラスSも外からひとマクリで快勝した。

多頭数のケンタッキーダービーでマクる競馬は距離ロスが大きくなり過ぎる危険はあるものの、前がやりあう流れになるようならこの馬のスタミナが活きるシーンは考えられるだろう。

■エンジェルオブエンパイア
（牡3、米・B.コックス）
【想定位置取り】中団
【実績】アーカンソーダービーなど重賞2勝
【推しポイント】4頭出しB.コックス厩舎のエース

4頭出しのB.コックス厩舎のエースがこの馬。前走のGIアーカンソーダービーではタピットトライスと同じく勝負どころで自ら動き勝負を決めた。ちなみに父クラシックエンパイアとの親子制覇のおまけつきだった。

鞍上に迎えたのはF.プラ。あの世界最強馬フライトラインの背中を知る名手の手綱捌きにも注目だ。

■キングズバーンズ
（牡3、米・T.プレッチャー）
【想定位置取り】逃げ
【実績】ルイジアナダービー
【推しポイント】T.プレッチャー厩舎第3の矢はレースの展開を握る存在

フォルテ、タピットトライスと有力馬を抱えるT.プレッチャー厩舎が送り込む第3の矢がこのキングズバーンズ。デビューから無傷の3連勝でGI・ルイジアナダービーを制した。

そのフォルテを筆頭に、今年のケンタッキーダービーの有力馬は比較的後ろからレースを進める馬が多いのだが、このキングズバーンズは徹底先行型。間違いなくレース展開のカギを握る存在になるだろう。

後ろで有力馬が仕掛けに手間取るようなことがあればこの馬がスルスルと逃げ切ってしまっても驚けない。

■トゥーフィルズ
（牡3、米・L.リヴェリ）
【想定位置取り】好位から中団
【実績】ジェフルビーSなど重賞2勝
【推しポイント】雨が降ってもノープロブレム

昨年の勝ち馬リッチストライクと同じジェフルビーSから参戦するのがトゥーフィルズ。

不良馬場のストリートセンスSやオールウェザーのジェフルビーSと勝った重賞はいずれも乾いたダートではなく、ともするとややトリッキーな条件だった。

週末のチャーチルダウンズでひと雨あるようなら、馬場適性を活かしてこの馬が浮上する可能性は十分だろう。距離ロスを防げる内枠に入ったのもプラスに働きそうだ。

＜ワンポイントデータ＞

■存在感を増すルイジアナダービー組に注目
プレップレースでは近年存在感を増しつつあるルイジアナダービー組に注目したい。

21年は1位入線馬の失格によるものとはいえ、ルイジアナダービー組がワンツー決着。昨年もルイジアナダービー1着から本番へ臨んだエピセンターが2着に好走した。

以前のルイジアナダービーは1800mで施行されていたのだが、20年から距離が1900mに延長され、本番の2000mと距離が近づいた。

「わずか100m、されど100m」ということで、よりケンタッキーダービーとリンクしやすくなっている可能性を押さえておきたい。

今年の出走馬のうち「前走ルイジアナダービー」に該当するのはキングズバーンズ、ジェイシズロードの2頭。特に同レースを楽勝したキングズバーンズには注目しておきたいところだ。

また、ルイジアナダービーからの直行ではないものの、2着馬ディスアームも出走を表明しているのでこちらも覚えておきたい。

その他のローテーションでは王道のフロリダダービー、サンタアニタダービー組が優勢。それぞれの地区における最重要プレップレースを経由した馬が順当に好成績をおさめている。

一方、あまり結果が出ていないのが前走でウッドメモリアルSを走っていた馬。

この10年で3着に入ったのは19年3着のタシトゥスのみ。しかもその3着は1位入線馬の降着によって繰り上がったもの。これだけ見ると少々分が悪い。

今年は最内枠に入ったヒットショーが前走・ウッドメモリアルSに該当する。近年の傾向からはやや買いづらい印象だ。

■勢いに乗るストームキャット系、タピット産駒は2着まで？


近5年の上位馬の成績を見ると、勢いに乗る存在なのがイントゥミスチーフに代表されるストームキャット系種牡馬の産駒。

それまではミスタープロスペクター系（ミスプロ系）が優勢だったのだが、2018年以降はストームキャット系が急激に存在感を増している。

ちなみに21年1位入線（→失格）のメディーナスピリットもストームキャット系プロトニコの産駒だった。

今年の出走見込み馬のうち、ストームキャット系に該当するのは以下の通りとなっている。



ちなみに近5年のサンタアニタダービーで連対したストームキャット系の競走馬はケンタッキーダービーにおける1位入線率が100％というデータが出ている。
（※ジャスティファイ、オーセンティック、メディーナスピリットが該当）。

大井のマンダリンヒーローはシャンハイボビー産駒かつサンタアニタダービーで2着のためこのデータに合致。その点でも注目したい存在だ。

エーピーインディ系は勝ち切れないものの2着、3着は多い。ちなみにエーピーインディ系の重鎮・タピットは長い種牡馬生活でケンタッキーダービー馬を出したことが1回もない。

タピットトライスがそのジンクスを今年こそ打破できるのかにも期待がかかる。

■前走3着以内が基準に
過去10年の1-3着馬を見ると、前走で4着以下に敗れていたのは、13年2着ゴールデンソウル（ルイジアナダービー4着）、20年3着ミスタービッグニュース（ブルーグラスS6着）、21年1着マンダルーン（ルイジアナダービー6着）の3頭のみ。

昨年、超人気薄で優勝したリッチストライクも前走のジェフルビーSでは3着に走っていたので、「前走3着以内」はひとつの基準になりそうだ。

今年の出走予定馬で前走4着以下だったのはサンサンダー、レイズケイン、ロケットキャンの3頭。

この3頭についてはよほどの買い材料が見つからない限り、静観するのが妥当だろう。

■雨が及ぼす影響にも注意
粘土質の米国ダートは乾いていた方が時計が出やすく、反対に雨が降ると時計がかかりスタミナを要する結果になるため、日本の砂ダートとは考え方が逆になる。

どちらかと言えば、日本の芝の方が感覚としては近いかもしれない。

チャーチルダウンズ競馬場の位置するケンタッキー州ルイビルの天気予報を見てみると、ギリギリ雨は降らずにレースを迎えられそうだが、土曜夜から日曜にかけて予想されている雨の降り始めが早くなるようだと、レースにバッティングする危険性も。

当日の空模様とトラックコンディションは要チェックだ。

今年の出走馬のうち、重・不良ダートでの勝利経験がある馬をまとめると以下のようになる。



想定よりもトラックコンディションが悪化した場合は、人気が予想されるフォルテを筆頭に重いダートをこなした実績のある馬を買う手もありそうだ。