去る5月19日。新潟4レースの障害未勝利戦でスピアヘッドが勝利し、騎乗した坂口智康騎手はJRA初勝利を飾りました。ご存知のとおり、坂口騎手は調教助手からの転身という異色の経歴の持ち主で、大卒の騎手は競馬学校創設以降初めて。歴史が動いた瞬間といえるかもしれません。

騎手不足が問題になりつつあった障害界ですが、近年は水沼元輝騎手や鷲頭虎太騎手、土田真翔騎手など、若手が続々と障害戦デビュー。さらに、11年目の井上敏樹騎手も昨年2月から障害戦の騎乗を開始し、今年3月末に美浦から栗東へ移籍すると、4月21日の福島4レースで障害戦初勝利。同時に、自身4年ぶりの勝利を手にしました。

また、坂口騎手の転身や井上騎手が栗東へ移籍するきっかけとなったのは、小牧加矢太騎手の存在なのだそう。25日のレースのゴール前で追う動作を緩め、2日間の騎乗停止となったことはいただけませんが、同騎手もまた、デビュー前に競馬学校や他の競馬機関に所属した経験がないという異色の経歴の持ち主。前例のない自身の挑戦が他の騎手の新たな挑戦を引き出し、障害界はもとより競馬界全体の活性化に繋がっています。

さらに、日刊スポーツのコラムによると、小牧加矢太騎手は他の障害騎手とともにエアバッグ付き保護ベストの導入を以前から進めており、今年4月から障害騎手が調教中に着用することが許可されたそう。落馬のリスクが高い障害戦ですが、これもまた競馬界の発展と活性化に繋がるのではないでしょうか。

それでは予想に。

今回は、目黒記念の過去5年を深掘り調査。好走傾向から買い条件を探し出し、本命馬を見つけます。

（1）前走人気と着順
（2）今回の枠順
（3）前走の枠順
（4）毛色と生月
（5）前走3コーナーの位置取り
（6）乗り替わりの有無
（7）父と母父
（8）前走場所と斤量の増減
（9）騎手の東西別
（10）前走人気
（11）今回の斤量

近年の好走傾向から買い条件となったのは、上記11項目。その中で、（1）は前走人気と着順です。
前走、人気に応えられなかった（前走人気＜前走着順、前走1番人気3着など）馬や、前走人気＝前走着順だった馬の好走率がやや高い当レース。その中でも、前走距離が芝2000、2200、2500、2600ｍ。かつキャリア10戦以上の馬は［4-2-2-8/16］。勝率25.0％、複勝率50.0％。単勝回収率223％、複勝回収率161％。ややこしい条件ですが、好走率は5割。

◇該当馬＝クロミナンス、ヒートオンビート、シークレットラン、マイネルウィルトス

（2）は、今回の枠順について。
内枠有利の目黒記念。今回1から4枠を引いた馬の中で、前走時、馬体重が増減なしかプラス。なおかつ、前走から中11週以内の間隔で出走してくる馬は［3-3-2-6/14］。勝率21.4％、複勝率57.1％。単勝回収率182％、複勝回収率421％。好走率は6割に迫ります。

◇該当馬＝ジューンアヲニヨシ、ヒートオンビート

次は（3）前走の枠順。
前走、外枠を引いた馬が強さを発揮している当レース。前走7、8枠で、そのとき馬体重が500kg未満だった馬は［2-2-3-7/14］。勝率14.3％、複勝率50.0％。単勝回収率107％、複勝回収率395％。該当馬の半数が好走していました。

◇該当馬＝クロミナンス、シュヴァリエローズ、シークレットラン、ナイトインロンドン、ケイアイサンデラなど6頭

（4）は毛色と生月です。
どういうわけか、目黒記念は黒鹿毛と栗毛の成績が今ひとつ。一方、それ以外の毛色で1から3月生まれ。なおかつ、前走がリステッドとGIII以外であれば［2-2-2-6/12］。勝率16.7％、複勝率50.0％。単勝回収率99％、複勝回収率149％。こちらも該当馬の半数が好走していました。

◇該当馬＝クロミナンス、ヒートオンビート、シークレットラン、ナイトインロンドン、ケイアイサンデラ

（5）は、前走3コーナーの位置取りについて。
近年の目黒記念は、前走3コーナーで4、5番手に位置していた馬が［2-1-3-5/11］。勝率18.2％、複勝率54.5％。単勝回収率108％、複勝回収率159％と、文句なしの成績です。

◇該当馬＝ジューンアヲニヨシ、シュヴァリエローズ、マイネルウィルトス

折り返しの（6）は、乗り替わりの有無。
乗り替わり組が優勢の目黒記念。その中でも前走が芝の良か不良馬場のレースに出走し、2から8位の上がりをマークしていた馬は［2-3-1-5/11］。勝率18.2％、複勝率54.5％。単勝回収率137％、複勝回収率460％。（5）と同じ好走率でした。

◇該当馬＝クロミナンス、シュヴァリエローズ、ダンディズム、バラジ

（7）は、父と母父です。
父か母父ディープインパクトの馬が好走している当レース。その中でも、前走12頭立て以下のレースに出走した馬は［1-2-2-5/10］。勝率10.0％、複勝率50.0％。単勝回収率78％、複勝回収率164％。該当馬の半数が好走していました。

◇該当馬＝ヒートオンビート、シュヴァリエローズ、シュトルーヴェ

（8）は、前走場所と斤量の増減について。
前走、中山組と中京組の好走率が高い目黒記念。そのうち、前走から斤量が1kgから1.5kg増、もしくは1kgから1.5kg減る馬は［4-0-1-5/10］。勝率40.0％、複勝率50.0％。単勝回収率334％、複勝回収率163％。勝率の高さは魅力です。

◇該当馬＝ヒートオンビート、シュトルーヴェ

続いては（9）。騎手の東西別。ここは2パターン紹介します。
当レースで好結果を残しているのは、栗東所属騎手と短期免許で来日中の外国人騎手が騎乗する馬。その中でも、前走勝ち馬から1.0秒以上1.9秒差以内の負けを喫した馬は［1-2-2-4/9］。勝率11.1％、複勝率55.6％。単勝回収率86％、複勝回収率188％と、文句なしの成績。

◇該当馬＝メイショウブレゲ、ダンディズム

また、同じく栗東所属騎手と短期免許で来日中の外国人騎手が今回騎乗し、前走勝ち馬から0秒5差以内の負け。なおかつ、今回偶数番を引いた馬は［2-2-0-3/7］。勝率28.6％、複勝率57.1％。単勝回収率174％、複勝回収率151％。サンプルは少ないものの、文句なしの成績を収めていました。

◇該当馬＝クロミナンス、ナイトインロンドン、ケイアイサンデラ

（10）は前走人気です。
近年の目黒記念は、前走2番人気以内の関西馬が［2-2-0-3/7］。勝率28.6％、複勝率57.1％。単勝回収率162％、複勝回収率145％。（9）の前走惜敗した馬と同じ好走率でした。

◇該当馬＝ケイアイサンデラ

そして最後は（11）。今回の斤量について。
斤量に恵まれるか、重い斤量を背負う馬が強い当レース。具体的には、今回の斤量が53kg以下か57.5kg以上。なおかつ、前走馬番が偶数だと［3-0-1-3/7］。勝率42.9％、複勝率57.1％。単勝回収率418％、複勝回収率647％。（10）と同じ好走率でした。

◇該当馬＝クロミナンス、シュトルーヴェ

【後編】では、これら11項目の買い条件を踏まえ、目黒記念の結論（印・買い目）を導き出します。

▽齋藤翔人の予想コラム【後編（印・買い目）】はコチラ！
◆【目黒記念2024予想】「6/11」条件クリアの◎本命馬　“必勝態勢”で待望の重賞タイトルに虎視眈々【後編】


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