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調教ライター 西村武輝

2024/09/07 18:00

セントウルステークス2024 最終結論【調教】GIIの決め手勝負もドンと来い!まさかの爆穴馬から勝負【重賞深掘りPROJECT】

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【京成杯AH 2024|調教診断】ラストに圧巻の伸び!人気でも逆らえないあの馬を【S評価】

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「セントウルS」の「セントウル」ってそもそも何のことか意識したことなく、なんとなくどこかの地名だろうと勝手に思っていたんですが改めて調べると

セントウル(Centaur)は、ギリシャ神話のケンタウロスの英語訳。上半身が人間、下半身が馬の形をした想像上の生き物。星座のいて座の形は弓矢を持ったケンタウロスの姿から来ている。(JRA・HPより)

とのこと。阪神競馬場にセントウルの像が設置された「セントウルガーデン」があるというのも今更知った次第です。

要は秋阪神開幕を告げる重要なGIIに、阪神競馬場の象徴としてのセントウルを冠したレース名ということなんですが、皮肉なことに今年を含めた近5年のうち4回が中京で開催。阪神のリフレッシュ工事は来年春に終了予定で、2025年9月からはまた毎年「阪神でセントウルS」が行われることとなります。

レースの性格はご存知の通りスプリンターズSの前哨戦であり、サマースプリントシリーズの最終戦でもあるという馬券を考える上では非常に難しい立ち位置。

夏稼働組の状態推移、ここが始動戦となる組の仕上がり具合をしっかり見極めたい一戦です。

調教面からの傾向判断ですが、2020年-2022年の3年間中京で開催されており今回はこの3年間で馬券対象となった9例を見ることとします。

最終追いは坂路が6例(単走4/併せ馬2)、CWが2例、芝が1例。

ある程度間隔を取った組が優勢。そして夏場とはいえ中間どこかでガツンと負荷を掛けた馬が好成績を残していますね。

夏競馬の範疇ですが前走CBC賞から中9週だった2021年2着ピクシーナイトは1週前に坂路4F49秒9(一杯)をマーク、安土城Sから中14週だった同年3着クリノガウディーは1週前、最終追いと連続で坂路一杯調教。最終追いではラスト1F11秒6を豪快な伸びを示していました。

いわゆる“サラッと追った”のは2022年勝ち馬メイケイエールぐらい。ご存知の通りテンション面に課題があり、強く追えない事情があった馬。レアケースと考えていいでしょう。

以上を踏まえ、まずは「セントウルS」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。

■サウザンサニー【7】
菊沢騎手騎乗 美浦ウッド単走 序盤から速いラップを刻む意欲的な調整。終始楽な手応えを保ち、モチベーションの高さを示すように馬自ら気持ちを乗せて加速していく。ラストも機敏に手前を替え、鋭く伸びた。好仕上がり。

■ジョウショーホープ【8】
西村淳騎手騎乗 栗東CW単走 スプリント重賞への対応を意識してか序盤からスピードに乗せていく調整。終始軽快さを保ち、単走とは思えない気迫を感じさせ進んでいく。ラストでは四肢を柔軟に使って鋭く切れていた。速い流れでも脚を溜めることができており、気持ちの乗りは絶好レベル。文句なしの好気配だ。

■ダノンスコーピオン【7】
福永師騎乗 栗東坂路単走 1週前にCWで猛時計を出しているが、今週も序盤から意識的に速いラップを刻むハードトレ。手前の替え際でヨレるなど若さは覗かせるが、終始活気十分の雰囲気で力強く進む。ラスト2Fは11秒7-12秒4と失速ラップとはなったが、最後まで余力十分。4F全体は目一杯追って出した自己ベストに0秒1差まで迫る51秒1だった。いかにも体調良好で、持てる力をフルに出せそう。

■テイエムスパーダ【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 序盤にやや力み、ラストは若干スブさがあったが前走時もこんな感じ。加速そのものは力強く、夏場にこれだけ負荷を掛けて問題ないあたり体調は高いレベルで安定と見ていいだろう。

■テンハッピーローズ【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 1週前に津村騎手が騎乗しCWで強く追ったのが実質の最終追い。今週は坂路で気分を損ねないよう流した程度だった。道中口向きの悪さは見せるたものの、軌道修正に鞍上が手を焼いていた前走ヴィクトリアマイル時に比べればかなりマシ。馬なりのまま、わずかながらでも加速ラップで締めくくれており、いい状態で秋初戦を走れそうだ。

■トウシンマカオ【7】
菅原明騎手騎乗 美浦ウッド併せ馬 1週前にある程度負荷を掛けており、今週は馬なり調整。古馬2勝クラスを追走し、コーナーワークで取り付いていく。相手が案外伸びなかったこともあり、直線半ばであっさり抜き去ると余力十分のまま抜け出し3馬身の先着を果たした。ほぼ万全。

■ピューロマジック【7】
安田翔騎手騎乗 栗東CW単走 序盤はゆったり入り、時計となるのは4Fからというここ2戦のルーティンを踏襲。終始素軽さを保ち、リラックスした雰囲気で直線に向かうと柔軟な四肢の捌きからいい加速を見せた。先週の坂路併せ馬も軽快に動いており、CBC賞を回避した影響は軽微だろう。好調キープ。

■ママコチャ【7】
鮫島駿騎手騎乗 栗東坂路併せ馬 準オープン馬を追走。坂に入っても相手の後ろでピタッと我慢させると、最後の最後でスパッと加速し2馬身抜け出しての先着とした。鞍上の手が大きく動いていたようにまだキンキンの状態ではなさそうだが、前哨戦としては申し分のない仕上がり。

■モズメイメイ【7】
国分恭騎手騎乗 栗東坂路単走 前進気勢の強い馬らしく序盤から前向きさにあふれた雰囲気で登坂。一本調子ではあるが、軽快に回転数を上げて駆け抜けている。夏に稼働した疲れは感じさせず、特に精神面はかなりいい状況にありそう。好調維持だ。

■ヨシノイースター【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 外ラチ沿いにブレの少ないシャープなフォームで登坂。ラストに促されると重心を沈め、機敏にギアチェンジできていた。先を見据えているからか、文句なしの仕上がりに思えた前走時ほどの迫力は感じさせないにしても、ほぼ万全の状態だ。

▼「セントウルS」全頭追い切り評価はコチラ
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/19360/0/112

GIに直結するスプリント重賞とあって、好調教馬が目立ちました。

そんななか、わずかの差ではありましたがトップ【8】点評価としたのはジョウショーホープ

ここ1年は一貫して1400mで使われており、前走で3勝クラスを卒業。オープンクラスへの格上げ初戦が別定GIIかつ自身初のスプリント戦というのはいささかチャレンジング過ぎな感もありますが「体つきが徐々に短距離向きに」という陣営コメントがあるように、いずれどこかでこの距離へ向かうのは織り込み済みだったはず。

1400m戦ではありますが中京は新馬戦で快勝した舞台でもあり、ここが路線切り替えの好機ということでしょう。

肝心の動きは申し分なしです。先週は3頭併せで1頭に遅れたとはいえ3F36秒4(強め)なら上々。そこで気合いを入れられた効果てきめんで、今週はスプリント対応を意識したハイラップを刻みながら、ラストは余力十分に3F36秒4-1F11秒1(馬なり)。ラストのラストでキレッキレの脚捌きを披露し、GIIの決め手勝負でもドンと来いといった雰囲気にありました。

2走前が坂路オンリー、前走が1週前CW→最終坂路、今回が1週前CW→最終CWと調整パターンが一定していませんが近2走は馬体減りを懸念して坂路を組み込んだよう。

10キロ増でもまったく太く見せず、体重増加分がまるまるパワーアップと感じさせた3走前が1週前CW→最終CWでした。この夏の中10週休養でしっかり体を戻してきたことは想像に難くありません。

中3週で体を大きく減らし本調子になかったと思える2走前でスズハロームに0秒2差5着ですから、重賞通用の算段は立つところ。

常にいい決め手を発揮し相手なりに走ってきたことを考えればGIIでも一発の魅力十分ですね。ここは本命に抜擢して勝負。

本来ならば本命馬から馬連を買いますが、人気のないぶん妙味はありそうなので、今回はワイドとします。

対抗にこちらも初スプリント戦となるダノンスコーピオン

気性面からスプリント待望論はあった馬で、唐突というよりは“やっとか”のイメージがありますね。

福永師の見立ては「1400mがベスト」も、持ち前の気持ちの強さとスプリントGIIの激流が噛み合えば、やれていいと思います。

調整もスプリント仕様で2週前にCW5F63秒8(馬なり)と自己ベスト更新。1週前は終いを伸ばされ坂路ラスト1F11秒7(馬なり)、最終追いはまた改めて序盤から出されて自己ベストにコンマ1秒まで迫る4F51秒1(馬なり)。

これが全部「馬なり」なのが逆に不思議というか。高いポテンシャルの現れと言っていいでしょうし、跨った福永師の技術なのかもしれません。心肺機能を練り上げるという意味での負荷はしっかり掛かっていると考えていいでしょう。

騎手時代、中京での強さがつとに知られていた福永師ですが、調教師としても重賞初勝利をCBC賞(ドロップオブライト)で挙げました。

まさに“中京マイスター”と呼ぶべき存在。その師がNHKマイルC勝ち以来、勝利どころか連対すらなかった馬をしっかり立て直し転厩3戦目で中京に送り込んでくる……勝負気配の高さをひしひしと感じるところ。

枠が外に入った分だけ評価を下げ、対抗とします。

3連勝の勢いに乗って臨んだ函館SSで4着に終わり、連勝はストップした形の▲サウザンサニー。しかし出遅れてしまい、前有利の開幕週馬場のなか後方からの競馬を強いられたことを考えれば負けて強し。左回り経験は過去に1走だけですが、それが中京のファルコンSで3着なら、今回も問題なくこなしてくれそうです。

1週前に2秒近く先に行かせた馬を追走するハードな攻めをこなしており、最終追いではその効果で素軽さ満点でした。大型馬ですが休み明けは苦にしないタイプ。あとはテン乗り菱田騎手がどう捌くかですね。

ヨシノイースターは前走時が絶好調。そこからは少しだけ見劣る攻め気配ですが、好調域にあるのは確か。1週前にステッキを入れる調整をこなすのは前走同様ですし、今年に入ってからの安定感を買って☆。

☆2頭目は昨年のスプリンターズS勝ち馬ママコチャ。今春の高松宮記念が1秒0差に終わっていますが、気温と馬場状態が向かなかっただけ。その宮記念を除けば中京芝【1.1.1.0】で復帰戦には格好の舞台と言えます。乗り込み期間が長い割には時計が詰まってこなかったあたり、爪を痛めた影響はありそうですが、1週前のCW5F65秒2(一杯)で帳尻は合ってきた感じ。今週の坂路は終いだけ重点ですが、前に馬を置いてじっくり我慢させてからパスする味な内容で、半年弱ぶりでも実戦勘の鈍りは考えなくていいでしょう。

重賞連勝ピューロマジックはここがまさに試金石。CBC賞見送りはおそらく早い段階で決まっていたと考えられ、調整面の狂いはほぼありません。

ただし重賞連勝が京都、小倉と直線平坦コースでのもので、中京は今回自身初出走。3回中京開幕2日目のレースですが、使用するコースは夏から引き続きのAコースでイン前組には厳しい馬場コンディションです。

「狂いはない」と書きましたが馬なりオンリーなのも気になるところで、押さえまでですね。

いつも攻め駆けするトウシンマカオはこの中間も好気配。1週前には苦手とされる左回りコース追いで若干のぎこちなさは感じさせたものの、ラストはこの馬らしい迫力ある伸びを見せていました。さすがに無印にはできず。

【7】点組のうちテンハッピーローズ、モズメイメイは無印。前者は左回りでの強さ認めますが、新馬戦以来の1200m戦かつ叩き良化型とあって買いづらい。後者は馬なりオンリーかつ2週続けて坂路ラスト1Fが失速ラップでこちらも手を出せませんでした。

調教採点【6】点組からはトゥラヴェスーラ。最終追いは外へ張り気味でしたが、ベテランなりにトボけた面もあったのかも。それでいてちょっとだけ本気になったラスト1Fで11秒9(馬なり)ですからね。高松宮記念で過去4着、3着のコース巧者。今年はフレグモーネのため宮記念を見送りましたが、その憂さをここで晴らすか。

以下、最終結論です。どうぞご参考に!

<調教ライター・西村武輝「セントウルS」最終結論>
◎6 ジョウショーホープ
○14 ダノンスコーピオン
▲5 サウザンサニー
☆7 ヨシノイースター
☆18 ママコチャ
△13 ピューロマジック
△17 トウシンマカオ
△11 トゥラヴェスーラ

【単勝】6(1点)
【ワイド】6=14,5,7,18,13,17,11(7点)
【3連複/フォーメ】6,14=6,14,5,7,18=6,14,5,7,18,13,17,11(30点)
【3連単/フォーメ】6,14→6,14,5,7,18→6,14,5,7,18,13,17,11(48点)


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