競馬サロン

血統サイエンティスト ドクトル井上
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≪今週の動画・セントライト記念≫
▼複勝率53.8%! 父サンデー系は●●のクロスを狙え!

皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。
この記事では、月曜・祝日の中山メイン・セントライト記念の最終結論をば。
■考察
中山開催近10回分のセントライト記念では父サンデーサイレンス系が【7-7-6-50】で複勝率28.6%。出走頭数が多いのもあるが、10回のうち7回で勝ち馬を出しているうえ、近4年連続でワンツー決着を決めているあたりはさすがと言える。
そのなかで注目したいのがリファールのクロスを抱える馬。
中山開催近10回のセントライト記念において、リファールのクロスを抱える父サンデーサイレンス系は【3-2-2-6】で、勝率23.1%、複勝率53.8%。回収率も単勝182%、複勝110%なのでベタ買いOKの数字に。
キタサンブラックは自身もこのレースを制し、なおかつ近2年連続で産駒が連対中だが、その鍵もリファールのクロスにあるのでは? キタサンブラックはリファール4×4のクロスを抱えているので。
リファールはモガミやマニラに代表されるような渋太さ、スタミナを伝える側面がある。そのため、急坂2回付きの芝2200mというタフなセントライト記念の条件で輝くタイプが出やすいのだろう。
現在、サンデーサイレンス系の主流たるディープインパクト系、ハーツクライ系のいずれもがリファールの血を引く。芝向き王道の良血からリファールの粘り強さを抽出するのがポイントと言えそうだ。
★父サンデー系かつリファールクロス持ち
→アーバンシック、スティンガーグラス
▼コスモキュランダ
この馬については「リトルアルアイン」というイメージで、父アルアインの高速内回り中距離適性を綺麗に受け継いだという認識。コース適性に順番をつけるとすれば、中山内回り2000m>中山外回り2200m>東京2400mの順で、直線の長い日本ダービーより今回の方が条件好転と見る。
父のアルアインは皐月賞勝ち→ダービー5着→セントライト記念2着という成績。皐月賞2着→ダービー6着と父の着順からひとつずつ落としているコスモキュランダはここで3着なのでは? などと思ったり。
距離は1ハロン長いのかもしれないが、弥生賞・皐月賞のパフォーマンスからも力があるのは明らか。道中で動ける機動力も魅力だ。
▼アーバンシック
父はスワーヴリチャード、母エッジースタイルはJRAの芝中距離で3勝。3代母はウインドインハーヘアなので、ディープインパクトやブラックタイド、レイデオロなどが近親にいる血統。
東京向きの馬だとは思うものの、それでも中山外回りであれば十分こなせるだけの適性はありそう。少なくとも京成杯よりはレースしやすいはず。
注目ポイントとしたリファールクロスを抱える父サンデー系なので、最上位評価とすることも考えたが、脚質的にリファールクロスっぽさを感じないというのはこれいかに。リファールクロスの王道はキタサンブラックのような前受けしての粘り強さにあると思っているのだが、アーバンシックの脚質からはそれをあまり感じない。というか真反対だし。
配合面では評価しつつ脚質面でやや割り引きというところ。
▼スティンガーグラス
ライフフォーセールの仔は、牝馬だとダノンファンタジーやロクセラーナ、パタゴニアのような運動神経の良いマイラーが出る一方で、牡馬だとアドマイヤベネラやセレブレイトガイズのような切れないスタミナ型に出やすい印象。アルゼンチンでダート中距離のGIを2勝した母の持久力だけ受け継ぎました、みたいなタイプが少なくない。
スティンガーグラスもそのイメージで、ここまで敗れた2戦はいずれもスローの決め脚比べになったのが敗因だろう。
スプリングS(6着)のレース上がり600mは33秒7、東京の1勝クラス(2着)は33秒9といずれも33秒台の決着だった。ライフフォーセール牡馬に33秒台の勝負はちょっと苦しいと言わざるを得ない。反対に勝った2戦のレース上がり600mはそれぞれ35秒9と35秒6。いずれも35秒台後半のレンジに収まっていた。上がりがかかれば2戦2勝なわけで。
今回は距離こそ前走と比較して200m短くなるが、上がりのかかりやすい中山の2200mは好材料。持ち前のスタミナを活かしたレースに期待ができるはず。
ディープ系種牡馬に南米牝系、しかも母父がノットフォーセールというのは2020年の当レース2着馬サトノフラッグと同じパターン。しかも、サトノフラッグとスティンガーグラスの間にはリファールのクロスを抱える共通点も。
サトノフラッグも上がりのかかる消耗戦に強いタイプだったが、現状スティンガーグラスに抱いているのも同じイメージ。サトノフラッグ的に4角強気に運んで押し切る競馬が理想。
時計の速い中山芝だが、アーバンシックに対してマージンを取りたいコスモキュランダが早めに踏んでいく形が想定されるところ、上がりの時計に関してはそこそこかかるはず。それを活かしたスティンガーグラスが前走のような競馬の形を取れれば、チャンスは十分と見る。
▼ヤマニンアドホック
父はノヴェリスト。母ヤマニンアドーレはJRA未勝利に終わったものの、祖母のヤマニンアラバスタは新潟記念と府中牝馬Sの重賞2勝、ダイワエルシエーロの勝ったオークスでも3着に好走した。
ヤマニンアラバスタの仔と孫のコース別成績を見てみると中山での成績がピカイチで、勝利数は他を大きく引き離している。ヤマニンアドホックの中山替わりはプラスと見る。
そのうえノヴェリストの産駒は切れる脚がないので、芝2200&2500mの中途半端な非根幹距離が大の得意。代表産駒のブレークアップは芝2500mのアルゼンチン共和国杯を制し、ラストドラフトも古馬になってからはAJCCとアル共だけ妙にやる気を出すタイプの馬に完成した。
それを考えると、ヤマニンアドホックの中山芝2200mチャレンジはかなり面白そう。位置を取れるうえ上がりの時計がかかってほしいタイプなので、この舞台でさらなる前進が見込める。
■セントライト記念の最終結論
◎12スティンガーグラス
○8 コスモキュランダ
▲1 アーバンシック
☆10ヤマニンアドホック
△7 ログラール
△6 エコロヴァルツ
△3 エコロレイズ
△4 ルカランフィースト
【3連複/フォーメ】12=8,1,10=8,1,10,7,6,3,4(15点)
「リファールクロス持ちの父サンデー系」に合致する◎スティンガーグラスから入る。上がりのかかるレースになれば重賞でも十分に通用すると見ている。
○コスモキュランダ、▲アーバンシックは春の実績馬。何だかんだで力は上位。
☆ヤマニンアドホックは中山2200mがハマりそうな予感も。スティンガーグラスとセットで来るイメージが湧くのは実はこの馬が最上位だったり。
馬券は◎スティンガーグラスから○▲☆を2列目に置いた3連複で。
<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。
=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【DATA診断・セントライト記念】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ
【馬体診断・セントライト記念】馬体アナリスト・伊藤
【調教診断・セントライト記念】調教ライター・西村武輝
2024/09/15 18:00
セントライト記念2024 最終結論【血統】キーワードは○○のクロス 狙うべき配合はコレだ!


≪今週の動画・セントライト記念≫
▼複勝率53.8%! 父サンデー系は●●のクロスを狙え!

皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。
この記事では、月曜・祝日の中山メイン・セントライト記念の最終結論をば。
■考察
中山開催近10回分のセントライト記念では父サンデーサイレンス系が【7-7-6-50】で複勝率28.6%。出走頭数が多いのもあるが、10回のうち7回で勝ち馬を出しているうえ、近4年連続でワンツー決着を決めているあたりはさすがと言える。
そのなかで注目したいのがリファールのクロスを抱える馬。
中山開催近10回のセントライト記念において、リファールのクロスを抱える父サンデーサイレンス系は【3-2-2-6】で、勝率23.1%、複勝率53.8%。回収率も単勝182%、複勝110%なのでベタ買いOKの数字に。
キタサンブラックは自身もこのレースを制し、なおかつ近2年連続で産駒が連対中だが、その鍵もリファールのクロスにあるのでは? キタサンブラックはリファール4×4のクロスを抱えているので。
リファールはモガミやマニラに代表されるような渋太さ、スタミナを伝える側面がある。そのため、急坂2回付きの芝2200mというタフなセントライト記念の条件で輝くタイプが出やすいのだろう。
現在、サンデーサイレンス系の主流たるディープインパクト系、ハーツクライ系のいずれもがリファールの血を引く。芝向き王道の良血からリファールの粘り強さを抽出するのがポイントと言えそうだ。
★父サンデー系かつリファールクロス持ち
→アーバンシック、スティンガーグラス
▼コスモキュランダ
この馬については「リトルアルアイン」というイメージで、父アルアインの高速内回り中距離適性を綺麗に受け継いだという認識。コース適性に順番をつけるとすれば、中山内回り2000m>中山外回り2200m>東京2400mの順で、直線の長い日本ダービーより今回の方が条件好転と見る。
父のアルアインは皐月賞勝ち→ダービー5着→セントライト記念2着という成績。皐月賞2着→ダービー6着と父の着順からひとつずつ落としているコスモキュランダはここで3着なのでは? などと思ったり。
距離は1ハロン長いのかもしれないが、弥生賞・皐月賞のパフォーマンスからも力があるのは明らか。道中で動ける機動力も魅力だ。
▼アーバンシック
父はスワーヴリチャード、母エッジースタイルはJRAの芝中距離で3勝。3代母はウインドインハーヘアなので、ディープインパクトやブラックタイド、レイデオロなどが近親にいる血統。
東京向きの馬だとは思うものの、それでも中山外回りであれば十分こなせるだけの適性はありそう。少なくとも京成杯よりはレースしやすいはず。
注目ポイントとしたリファールクロスを抱える父サンデー系なので、最上位評価とすることも考えたが、脚質的にリファールクロスっぽさを感じないというのはこれいかに。リファールクロスの王道はキタサンブラックのような前受けしての粘り強さにあると思っているのだが、アーバンシックの脚質からはそれをあまり感じない。というか真反対だし。
配合面では評価しつつ脚質面でやや割り引きというところ。
▼スティンガーグラス
ライフフォーセールの仔は、牝馬だとダノンファンタジーやロクセラーナ、パタゴニアのような運動神経の良いマイラーが出る一方で、牡馬だとアドマイヤベネラやセレブレイトガイズのような切れないスタミナ型に出やすい印象。アルゼンチンでダート中距離のGIを2勝した母の持久力だけ受け継ぎました、みたいなタイプが少なくない。
スティンガーグラスもそのイメージで、ここまで敗れた2戦はいずれもスローの決め脚比べになったのが敗因だろう。
スプリングS(6着)のレース上がり600mは33秒7、東京の1勝クラス(2着)は33秒9といずれも33秒台の決着だった。ライフフォーセール牡馬に33秒台の勝負はちょっと苦しいと言わざるを得ない。反対に勝った2戦のレース上がり600mはそれぞれ35秒9と35秒6。いずれも35秒台後半のレンジに収まっていた。上がりがかかれば2戦2勝なわけで。
今回は距離こそ前走と比較して200m短くなるが、上がりのかかりやすい中山の2200mは好材料。持ち前のスタミナを活かしたレースに期待ができるはず。
ディープ系種牡馬に南米牝系、しかも母父がノットフォーセールというのは2020年の当レース2着馬サトノフラッグと同じパターン。しかも、サトノフラッグとスティンガーグラスの間にはリファールのクロスを抱える共通点も。
サトノフラッグも上がりのかかる消耗戦に強いタイプだったが、現状スティンガーグラスに抱いているのも同じイメージ。サトノフラッグ的に4角強気に運んで押し切る競馬が理想。
時計の速い中山芝だが、アーバンシックに対してマージンを取りたいコスモキュランダが早めに踏んでいく形が想定されるところ、上がりの時計に関してはそこそこかかるはず。それを活かしたスティンガーグラスが前走のような競馬の形を取れれば、チャンスは十分と見る。
▼ヤマニンアドホック
父はノヴェリスト。母ヤマニンアドーレはJRA未勝利に終わったものの、祖母のヤマニンアラバスタは新潟記念と府中牝馬Sの重賞2勝、ダイワエルシエーロの勝ったオークスでも3着に好走した。
ヤマニンアラバスタの仔と孫のコース別成績を見てみると中山での成績がピカイチで、勝利数は他を大きく引き離している。ヤマニンアドホックの中山替わりはプラスと見る。
そのうえノヴェリストの産駒は切れる脚がないので、芝2200&2500mの中途半端な非根幹距離が大の得意。代表産駒のブレークアップは芝2500mのアルゼンチン共和国杯を制し、ラストドラフトも古馬になってからはAJCCとアル共だけ妙にやる気を出すタイプの馬に完成した。
それを考えると、ヤマニンアドホックの中山芝2200mチャレンジはかなり面白そう。位置を取れるうえ上がりの時計がかかってほしいタイプなので、この舞台でさらなる前進が見込める。
■セントライト記念の最終結論
◎12スティンガーグラス
○8 コスモキュランダ
▲1 アーバンシック
☆10ヤマニンアドホック
△7 ログラール
△6 エコロヴァルツ
△3 エコロレイズ
△4 ルカランフィースト
【3連複/フォーメ】12=8,1,10=8,1,10,7,6,3,4(15点)
「リファールクロス持ちの父サンデー系」に合致する◎スティンガーグラスから入る。上がりのかかるレースになれば重賞でも十分に通用すると見ている。
○コスモキュランダ、▲アーバンシックは春の実績馬。何だかんだで力は上位。
☆ヤマニンアドホックは中山2200mがハマりそうな予感も。スティンガーグラスとセットで来るイメージが湧くのは実はこの馬が最上位だったり。
馬券は◎スティンガーグラスから○▲☆を2列目に置いた3連複で。
<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。
=重賞深掘りPROJECT関連動画=
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