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調教ライター 西村武輝

2024/09/15 18:00

セントライト記念2024 最終結論【調教】ここは主役を譲れない 実績最上位コスモキュランダから勝負【重賞深掘りPROJECT】

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「セントライト記念」全頭追い切り診断動画はこちら!

【セントライト記念 2024|調教診断】春GI組を逆転するならこれ!精神面成長著しい【S評価】馬に注目

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3日間開催の最終日、中山で開催されるのは菊花賞トライアル「セントライト記念」ですね。

紫苑S⇔ローズSの関係に相似していますが、西の菊花賞トライアル「神戸新聞杯」と比較し、近年はよりメンバーレベルが高くなってきている傾向があります。

近2年はその傾向が顕著で、実力≒人気馬がそのまま上位を占め、2年連続で3連単配当は4ケタ。

今年その流れに沿った決着となるのか、調整面からしっかり見極めたいところです。

では近3年分の馬券対象馬9例から調教傾向を探ることとします。

9例のうち最終追いが「コース」は6例(併せ馬5/単走1)、「坂路」が3例(併せ馬1/単走2)。

坂路組3例のうち2023年3着シャザーンは1週前にCW併せ馬、2022年3着ローシャムパークは1週前にウッド併せ馬とコースで併せ馬を行っており、全体で見てコース併せ馬でスタミナとレース感覚をしっかり磨いておくのがほぼ必須という考えていいでしょう。

2022年勝ち馬ガイアフォースは坂路オンリー、同年2着アスクビクターモアはウッド単走オンリーでしたが、前走は膝の骨折歴があり、肉体面も当時未完成で坂路オンリーの方針を貫いていましたし、後者は気性面から単走調整に徹し結果を残していました。例外として納得のいくものと考えていいでしょう。

以上を踏まえ、まずは「セントライト記念」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。

■アーバンシック【8】
石神深騎手騎乗 美浦ウッド併せ馬 2頭を大きく先行させ、これを追走する意欲的な調整。楽な手応えで差を詰めていき、直線では最内へ進路を取る。促されると一気にギアを上げ、2頭を抜き去って最先着のフィニッシュとした。ダービー以来を感じさせない絶好の仕上がり。

■エコロヴァルツ【7】
岩田康騎手騎乗 栗東坂路単走 1週前にCW併せ馬で強い負荷を掛けられたのが実質の最終追い。今週は鞍上との意志疎通を深めることに主眼を置いたような内容だった。ラストの仕掛けには機敏に手前を替え、軽快に加速。久々でも持てる力は存分に出せそう。

■エコロレイズ【7】
横山和騎手騎乗 美浦ウッド併せ馬 1週前、日曜追いと速い時計を出しており今週は相手に合わせるような緩めの調整。4馬身差をあっさり詰めて、仕掛けを敢えて遅らせる余裕から最後はきっちり併入に持ち込んだ。終始バランスのいい走りが好印象。ほぼ万全と言える。

■コスモキュランダ【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 1週前に目一杯追われておりこれが実質の最終追い。今週は1勝クラス相手に息の出し入れを確認する程度の内容だった。取り付かれた相手もいい加速を披露したが、キュランダはスッと対応。最後まで楽な手応えを保ったまま併入に持ち込んだ。課題のゲートもしっかり練習を積んでいるようだし、いい状態で復帰戦に臨める。

■スティンガーグラス【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 本来は3頭併せの予定が、先行1頭に届かず後方から来た1頭との2頭併せに。見栄えはいささか悪いが、馬なりで全体時計5F67秒6なら悪くない。相手と体が並んでからしっかり気持ちは乗っていたし、前走圧勝の反動はなく依然好調域。

■タンゴバイラリン【7】
菅原明騎手騎乗 美浦ウッド併せ馬 前後に馬を置き、直線では左右2誤の間に割って入る3頭併せ。緩いペースでも力まずぴったりと折り合って進み、横並びとなった直線では最優勢の手応えを保って加速する。最後は1勝馬に半馬身先着、オープン馬と併入。夏場に稼働しての中4週だが、それをまったく感じさせず高いレベルで安定だ。

■ヤマニンアドホック【7】
辻師騎乗 美浦ウッド単走 1週前の併せ馬である程度の負荷は掛かっており、今週は指揮官を背にリズム重視の内容。序盤は意図した通りゆったりとリラックスして進み、外ラチ沿いに誘導された直線では体を大きく使って伸びた。1週前はオープン馬をアオれており、同様の間隔だった前走時よりいい状態にありそう。

■ルカランフィースト【7】
横山武騎手騎乗 美浦ウッド併せ馬 飛ばし気味に進んだ相手を追走しため、序盤から速いラップを刻んでいくことに。結局1馬身ほど遅れ入線に終わったが、鞍上の判断でオーバーワークを避けたもの。懸念視は不要だろう。乗り込みは入念だし、持てる力をフルに出せるのでは。

▼「セントライト記念」全頭追い切り評価はコチラ
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/19456/0/112

採点で最上位【8点】としたのは皐月賞4着の実績があるアーバンシック

“いつも調教で動く馬”という枕詞でお馴染みですが、今回もその動きには惚れ惚れするものがありましたね。1週前、日曜と強い負荷を掛けられており体調面は万全でしょうし、最終追いの落ち着いた雰囲気から気持ちの面もしっかり整っているはず。

日本ダービー大敗は単純に位置取りと流れが噛み合わなかったもので、追ってバテない走りから距離適性のスイートスポットは実績のある2000mよりも長いところにありそうな感さえ。

であれば本命級の扱いが必要……と思いたくなるところですが、やはり後ろからしかレースを組み立てられない不器用さはどうしても引っ掛かる。このあたり、同血の従妹レガレイラとなにやら共通するものがあります。

非情のスイッチか、先約の都合かは判然としませんが、今回はC.ルメール騎手に乗り替わり。これまでと一転、ある程度積極的に運んでの新味に期待できそうな局面なのはいいんですが、それでも全幅の信頼まではどうか。最内枠も捌きにくさがありそうです。

攻めで言えば確かに上々ではではあったんですが、時計はあと少し詰めて欲しかった。夏の休養での成長がそれほどでもないのかも……というところ。▲評価とします。

調教評価採点でコスモキュランダとヤマニンアドホックの2頭が【7】点組のなかで最上位横並び。

コスモキュランダは弥生賞勝ち、皐月賞2着。日本ダービーはゲートでアオッて後ろからとなりながら機動力で6着まで押し上げました。実績は最上位。中山適性もメンバー内でナンバーワンと言っていいでしょう。

中間のウッド5F最速が66秒5に留まっているように(自己ベストは63秒9)、先を見据えてある程度余裕を持たせた仕上げなのは確か。

それでも最終追いの併せ馬で見せた気迫は素晴らしかった。相手とした1勝クラス馬がかなり抵抗したんですが、これに対して優勢の手応えを保って併入。

その“よく頑張った”1勝クラス馬=エメリヨンは今週土曜の自己条件戦(中山芝2500m)を圧勝。相手関係に恵まれた勝利だったにせよ、エメリヨン自身叩き2戦目で気配は最高潮レベルにあったと考えていい。その馬に対しコスモキュランダがきっちり貫禄を示す走りができていたのは高く評価できるポイント。前哨戦としては抜群の攻め気配です。

序盤は後ろからとなりそうですが、M.デムーロ騎手はこの馬の機動力を引き出すすべを知り尽くしているはずで、流れに応じてマクっていきそう。

ここは主役を譲れない。本命とします。

ヤマニンアドホックは実績が示すように小回りで巧みに走れるセンスが光ります。精神面に課題があったようですが、最終追いではリラックスして最後にしっかり加速できており。このあたりの進境は著しい。工夫した馬具の効果、そして辻調教師、津村ジョッキーと二人三脚で競馬を教え込んできたことが実を結びつつあるようです。勝ち負けになっていい。

ただし前走から3キロ増の分だけ割り引いて対抗扱いとします。

スティンガーグラスは未完成だったデビュー2戦目のスプリングSで0秒8差6着。出遅れや馬場の悪いところを走らされたことを考えれば悲観よりむしろ先々が楽しみな走りと言えました。その後自己条件を2回走って2着、1着。2着のレースで勝たれたのがヴィレムでしたが、敗れたのは順調度の差ゆえでしょう。そのヴィレムは来週の神戸新聞杯である程度人気になりそうな素質馬ですし、負けて強しの2着。

続く前走は力通りの圧勝。ちなみにそこで5馬身+1馬身1/4の3着に先述のエメリヨンを下しています。力は重賞でも通用していい。

最終追いは3頭併せの予定が狂って2頭併せとなる誤算含みだったものの、時計そのものは上々。上位食い込みの資格十分です。

ルカランフィーストは最終追いで圧巻のウッド5F64秒7(馬なり)をマーク。遅れ入線に終わっており見栄えは悪いものの、大きく先行させた相手が走り過ぎただけ。休養で相当パワーアップを果たしたのではないか。牝系の血統的に距離延長は歓迎かも。押さえておきます。

穴でタンゴバイラリン。近2走は札幌で好走続けており、高速馬場の中山がどうかですが、攻め気配は驚くほどに上々。暑さの残るなか札幌帰りの中4週で意欲的に追われており、体調は絶好の域にありそうです。今週併せられたオープン馬カンピオーネには優勢の手応えで追走併入。そのカンピオーネは9月26日のシリウスSで有力視されそうな存在なだけに、タンゴバイラリンの充実ぶりが際立つところです。激走の可能性十分。

エコロヴァルツは逃げ追い込み両方で結果を残せるあたり、ポテンシャルの高さに疑いようはありません。岩田康騎手連続騎乗も怖い。動きも活気があって【7】点評価とはしましたが、最終追いでは走り全体がこじんまりと見せてピッチ寄り、マイラー寄りの走りになってきているように感じました。長めから追われた1週前もラストで気持ちが続かなかったような雰囲気があり、2200mはどうか。無印とします。

以下、最終結論です。どうぞご参考に!

<調教ライター・西村武輝「セントライト記念」最終結論>

◎8 コスモキュランダ
○10 ヤマニンアドホック
▲1 アーバンシック
☆12 スティンガーグラス
△4 ルカランフィースト
△3 エコロレイズ
△14 タンゴバイラリン

【単勝】8(1点)
【馬連】8=10,1,12,4,3,14(6点)
【3連複/フォーメ】8,10=8,10,1,12=8,10,1,12,4,3,14(19点)
【3連単/フォーメ】8,10→8,10,1,12→8,10,1,12,4,3,14(30点)


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=重賞深掘りPROJECT関連動画=

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