【競馬サロン】読者の皆さん、こんにちは。

調教ライター・西村武輝です。それではさっそく「ターコイズS」全頭追い切り診断となります。

●12月14日　ターコイズS（GIII、中山、芝1600m）
　
■アドマイヤベル　助手騎乗　美浦ウッド単走　1週前の併せ馬である程度速い全体時計を出しており、今週は単走で息を整える程度の内容。やや重心は高いものの、軽快に加速し直線へ。ゴール直前で手前を戻してしまったのか、やや勢いを失った感はあったが、馬なりは保てていたしそこまで気にしなくてもいいか。GI後を感じさせない好仕上がり。【7】

■アルジーヌ　西村淳騎手騎乗　栗東坂路単走　1週前のCW併せ馬で強い負荷を掛けられたのが実質の最終追い。輸送を控える今週は坂路単走でリズム重視の内容をこなした。しっかり折り合って登坂。坂の半ばからの加速ではやや脚捌きに硬さがあり、ストライドを小さく見せるも、最後まで素軽さを保って駆け抜けることができていた。休み明けで快勝だった前走の反動は少なからずありそうだが、極端なデキ落ちまではないか。【6】

■イフェイオン　川又騎手騎乗　栗東坂路単走　序盤で気難しさを出すが、鞍上がしっかり制御。手前を替えてからの伸びは豪快そのもので、時計以上の躍動感があった。休養効果で大きく成長を果たしたようで、いい状態で復帰戦に臨めそう。【7】

■キタウイング　小島師騎乗　美浦ウッド併せ馬　格下馬2頭との3頭併せ。直線では先に抜けた2頭の間に割って入るが、左右2頭の加速への対応がワンテンポ遅く、ジワッと反撃してそれぞれと併入としている。気迫の面でどうかも、乗り込み自体は順調。体調は悪くない。【6】

■コナコースト　吉村騎手騎乗　栗東坂路単走　1週前に自己ベストを更新する坂路4F49秒6（強め）を出しており、輸送を控える今週は終い重点の内容。序盤から活気にあふれた雰囲気で進み、まとまりのあるフォームを保って加速していく。ラストまでいい手応えを保ち、機敏にギアを上げて1F11秒9と切れた。前走が大敗だったことを感じさせない攻め気配で、状態だけなら文句なし。あとは実戦でどうか。【7】

■シングザットソング　斎藤騎手騎乗　栗東坂路単走　輸送を考慮し、序盤にゆったり入る調整。緩いペースでかなり力んでしまったが、坂の半ばからはスムーズさを取り戻し、まずまずの加速ができていた。折り合い面に課題を残すが、乗り込みは順調で持てる力はしっかり出せそう。【6】

■セントカメリア　助手騎乗　栗東坂路単走　テンションを上げ過ぎないよう、14-14ペースの入りから終いだけ伸ばす内容。終始頭が左右に動きテンション面での危うさを感じさせる。一定の素軽さはあったが、ラストも伸びあぐねた。秋に2戦使われたが、良化はスロー。【5】

■ドゥアイズ　加藤騎手騎乗　栗東CW単走　形は単走だが後方に他厩舎の併せ馬を従える形で、気持ちを乗せる調整。柔軟なコーナリングで直線に向かい、ラストは重心をグンと沈めて馬なりのままいい加速を示した。4カ月半ぶりをまったく感じさせない好気配。【7】

■ビヨンドザヴァレー　助手騎乗　栗東坂路単走　中2週での中山遠征となるが、それを考えれば比較的速いラップを刻む意欲的な調整。ブレの少ないフォームで駆け上がり、ラストはそこまで切れなかったがオーバーワークを避けたものだろう。一連の好調キープだ。【7】

■フィールシンパシー　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　古馬2勝クラスを大きく先に行かせてスタート。コーナーワークで取り付いての併走では、相手が加速するとすぐさま反応しこちらも加速する機敏さを見せた。気迫十分といった雰囲気にあり、5カ月ぶりだった前走時からグンと気配を上げ、目下絶好調か。【8】

■ペイシャフラワー　助手騎乗　栗東坂路単走　1週前にCW併せ馬で猛時計を出しており、これが実質の最終追い。今週は脚捌きを確認する程度の軽い内容だった。内ラチ沿いをリズミカルに駆け上がり、軽い促しだけで回転数をスッと上げることができていた。脚質的に成績のムラは大きいが、引き続きいいデキにある。【7】

■マメコ　助手騎乗　栗東坂路併せ馬　1週前に強い負荷を掛けられており、今週は2歳未勝利の併せ馬で息を整えるような内容。相手が先に手が動きいっぱいいっぱいになるのを横目に、まったくの馬なりを保って併入としている。時計は平凡だが、相手に合わせたもので問題はないだろう。折り合いはまずまずで、距離延長にも対応できるのでは。【6】

■ミアネーロ　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　2勝クラスを外で先導。直線では先に相手を行かせてマクり返すという内容だったが、反撃へ仕掛けられての促しに対しやや加速が遅れる。それでも最後は脚力の違いで抜け出し、1馬身の先着とした。このひと追いで万全の態勢は整ったか。【7】

■ミシシッピテソーロ　助手騎乗　美浦ウッド単走　前を行く別組の併せ馬を見てやや掛かり気味となって進むが、直線に入ってもいい脚勢を保ち豪快に加速。ラストはさすがに鞍上の手が若干動いたが、余力はしっかり残っていた。レースで結果は出ていないものの、この秋の攻めの動きははつらつ。好調維持。【7】

■モズゴールドバレル　助手騎乗　栗東ポリ併せ馬　使い詰めの中2週となるので疲れを残さないようポリで追い切られる。ラストは2歳馬のアオられる形となったが、ある程度お釣りを残し併入とした。さすがに大きな上積みはなさそうで、なんとか平行線か。【5】

■ワイドラトゥール　西塚騎手騎乗　栗東CW単走　1F延長の折り合い面を考慮してか70-40ペースで入るリズム重視の内容。意図した通りしっかり脚を溜めることはできており、ラストはまずまずの伸び。あと少し機敏さは欲しいが、悪くない状態と言える。【6】


＜追い切り評価＞は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価（10が最高、1が最低）です。