「洋芝＝時計のかかるタフな馬場」

この定説は、長年の競馬ファンなら知るところだろう。

時計の速い夏の新潟や秋の中山、阪神はオール野芝。これに好天が加わることで、日本レコード級の時計は簡単に飛び出してしまう。昨年秋の中山開催が良い例だ。

ここで、改めてその定義を問いたい。

「本当に、洋芝＝時計のかかるタフな馬場なのか？」

本レースの近2年勝ち時計は1分8秒2→1分8秒4。重賞のメンバーを思えば、少しは時計がかかっているという見方ができるだろう。やはり定説は定説のままなのか……。

ただ、当時の馬場コンディションを精査すると状況は一変する。2年前は前日の芝が稍重での施行、昨年はレースが行われた時間帯に小雨が降っていた。いわゆるパンパンの良馬場には程遠かった点は頭に入れておきたい。

すると、どうだろう。

・2022年の勝ち時計→1分7秒2
・2021年の勝ち時計→1分7秒6
・2020年の勝ち時計→1分7秒5

高速馬場を示す1分7秒台のオンパレード。開幕週の函館芝において、定説は定説にあらず。狙いは高速馬場適性に秀でた馬だ。

ここはカピリナから入る。

重賞を使われた近2走は4→3着。それぞれ異なる馬場・距離・コースで大崩れしなかった点は高く評価すべきだろう。距離短縮ローテの成績【2-0-0-0】も見逃せない。

当距離の持ち時計1分7秒1はメンバー中2位。1枠1番から馬群を割って突き抜けた3走前の南総Sが示すように内枠も問題ない馬だ。馬場＋ローテ＋枠の恩恵を得た今回は千載一遇のチャンス到来とみた。

相手本線に抜擢するのはペアポルックス。

前走高松宮記念は18頭立ての18着。昨年秋からコンスタントに使われ続けたローテーションと、自身初の左回りが堪えた印象を受けた。右回りの良馬場芝は【3-4-1-0】と抜群の安定感。開幕週の馬場＋休養を挟んで臨むここは穴妙味ある1頭と捉えたい。

ウイングレイテストも侮れない。

昨年の本レース2着馬。当時は斤量59キロと厳しい条件だったにもかかわらず、のちのGI馬サトノレーヴに0秒2差の戦いを演じた。開幕週の芝成績は【1-3-2-1】。得意条件で臨むここは巻き返しを警戒する。

さらにはレイベリング。

この馬で注目すべきは5走前。リステッド競走の信越S勝利時の600m通過は33秒4……芝1400mとしてはかなりのハイペースだが、それを4角3番手から悠々押し切った内容は強かった。淀みない流れが合う本馬にとってスプリント戦かつ快速馬が揃ったここは好条件。【2-0-0-1】の洋芝成績も含め、穴妙味を感じる1頭だ。

【函館11R　函館スプリントS予想の印】
◎4 カピリナ
〇11 ペアポルックス
▲６ ウイングレイテスト
☆14 レイベリング
△２ カルチャーデイ
△１ ジューンブレア
△７ ナムラクレア
△15 モリノドリーム

【馬連】4＝11,6,14(3点)
【3連複/軸1頭】4＝11,6,14,2,1,7,15(21点)
【3連単/フォーメ】4→11,6,14→11,6,14,2,1,7,15(18点)