競馬サロン

2018/01/25 13:00
10番人気以下激走馬を拾うコツ

例えば超ド級の人気薄が馬券圏内に入ったとき。
例えば単勝1倍台の馬が馬券圏外に敗れたとき。
例えば自分のセオリーと違う決着を迎えたとき。
その状況に対し、事前に対応できる準備が整っていたか否か……しっかりとした準備はその後の予想を大きく左右すると私は捉えている。最終レースでアツくなって自分のスタイルを変えてしまう「競馬あるある」はその最たるものと言えよう。
先週私は、冒頭で挙げた3つの想定外に直面した。今回のコラムでは私が書いた実際の予想・見解と照らし合わせ、ひとつずつ説明していきたい。
【1】超ド級の人気薄が馬券圏内に入ったとき
VIP予想の日曜中京11R・東海Sにおいて私はコスモカナディアンに▲。3連複146.9倍を仕留めることができた。高評価を下した同馬が馬券圏内に入るのは想定内だが、13番人気はさすがに想定外。私がこの状況で捉える想定外とは「狙っていた馬が、思わぬ低評価にあること」だ。トータルでみた回収率を飛躍的に上げるためには、こうした想定外の状況が生まれる必要がある。
補足として、同馬について綴った見解を記載しておこう。
【以下、見解】
休み明けの前走12着が影響してか、現在の人気は後ろから数えたほうが早いほど。私が何度も書いてきた特殊な中京ダート1800m未経験も低評価に拍車をかける。この人気は極めて妥当だ。
……が、過去に人気薄激走をかました馬と共通する「ある成績」を見つけたことで同馬に注目せざるを得なくなった。
それは“冬競馬の成績”。
12月-2月の開催を冬競馬と定義したとき、同馬の成績は【2-1-2-1】。人気薄で勝ち上がった未勝利戦、1番人気に応え横綱相撲をみせた招福S、そしてのちの帝王賞勝ち馬ケイティブレイブに先着した交流GI川崎記念……中身の濃いレースぶりで確かな実績を積み重ねてきた冬馬だ。
休み明けの前走は馬体重プラス10キロと太目残り。470キロ台前半まで絞れていれば理想だが、ひと叩きされたことで素軽さを取り戻せるだろう。先に挙げたケイティブレイブをはじめ、ダート界の新星グレイトパール、サンライズソアなどと接戦を演じてきた実力を侮ってはいけない【抜粋ここまで】。
【2】単勝1倍台の馬が敗れたとき
VIP予想の日曜京都10R・山科S。ここで私が本命を打ったのはオウケンビリーヴだ。結果は6着と人気を裏切ってしまったものの、同馬の本命選択において後悔はない。こちらも見解を一部抜粋する。
【以下、見解】
コース適性ならグラッブユアコート=オウケンビリーヴ>リモンディ。
持ち時計ならリモンディ>オウケンビリーヴ>グラッブユアコート。
今回課せられた条件に対する経験値ならオウケンビリーヴ>グラッブユアコート>リモンディ。
私が重要視するのは3つめに挙げた項目だ。例えばリモンディは今回が初の関西圏。昇級戦と合わせてクリアすべき課題は2つ。グラッブユアコートは昇級戦もそうだが、包まれて抜け出せないリスクを伴う最内枠がネック。最高の枠にも最悪の枠にもなりうる場所にいる以上、本命の印を託すのは荷が重い【抜粋ここまで】。
私の本命馬の多くは上位人気馬3頭のなかから打たれる。リモンディの競走除外とオウケンビリーヴの凡走は想定外だったが、グラッブユアコートが上記に挙げた懸念材料により凡走したことは“想定内”。人気馬のなかで軸馬を決める今のスタイルを変える理由にはならない。
【3】自分のセオリーと違う決着を迎えたとき
太鼓判予想の日曜中山1R・3歳未勝利。外枠有利の前提をもとにミラビリアに本命の印を託した。3連複フォーメーションの2列目には外枠を中心に設定したが、結果は◎△△決着でタテ目……3万馬券の配当だっただけに悔しい思いもあったが、ここで重要なのは10番人気馬ムテキノオジョウに印を打った事実だ。
10番人気以下の馬を拾うコツを箇条書きにすると、こうなる。
・コースの好走セオリーに当てはまること
・好走がイメージできる血統であること
・危険な人気馬と正反対の特徴を持つこと
コスモカナディアンは内枠の先行馬有利の中京ダート1800mで内枠を引いた点に魅力を感じ、ムテキノオジョウは中山ダート1200mの主とも言えるサウスヴィグラス産駒である血統背景が私に印を回させた。良績がダートに集中するスタチューオブリバティ産駒の初ダート・ラズールリッキーに△を打った山科Sも同様で、シンプルな思考で予想に臨むことで10番人気以下激走馬発掘へのチャンスが増えるのだ。
「血統だけをみれば拾えていたのに……」
「結局、前に行った馬と内枠だったのか……」
惜しくも印が抜けたレース後、こんな理由がパッと浮かぶようなら次の予想的中への大きな収穫だ。そして、そのためには前提となる予備知識を日々ストックしなければならないし、勝ちパターンを頭に叩き込むべく何度もレースTVRをチェックしなければならないだろう。“競馬予想のPCDAサイクル”を確立する重要性は計り知れない。
最後に余談だが、昨年の天皇賞(秋)や有馬記念など、どうも最近は“タテ目地獄”に付きまとわれているようだ。先週を振り返ると、VIP/自信の一鞍/イベント/太鼓判計16レースの本命馬成績は【4-5-2-5】単複回収率105%、複勝率68.7%。本命馬の単勝や本命馬からの馬連・馬単であれば何ら問題ないのだろうが……
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