●2月6日　東京新聞杯（GIII、東京、芝1600m）

■アオイクレアトール　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。道中からある程度速いラップを刻み、4馬身先に行かせた相手に取り付く。優勢の手応えで併走しゴール手前でスッと抜け出すと、2馬身の先着を果たした。先週の併せ馬では重苦しさがあったが、この動きなら大丈夫。自分の力は出せそうだ。【6】

■イルーシヴパンサー　久保田師騎乗、美浦ウッド併せ馬。10馬身ほど先に行く相手を目標に進む。直線に入ってもまだ差は大きかったが、そこから軽く促されただけで一気にギアチェンジ。相手を問題にせず抜き去り、1馬身の先着を果たした。先週も絶好の反応を見せていたし、中12週を感じさせない好仕上がりだ。【7】

■ヴェロックス　助手騎乗、栗東坂路単走。輸送を考慮し終い重点の内容。しっかり脚は溜まっているはずだが、ラストで追われて頭を上げるような仕草を見せ弾け切れなかった。使い詰めでもあり、変わり身は強調しづらい。【5】

■エイシンチラー　助手騎乗、美浦坂路単走。先週ウッドでの3頭併せである程度負荷を掛けたのが実質の最終追い。今週は馬なりで、終い重点の内容に留まった。ラストはまったく楽な手応えながら、馬自らが気持ちを乗せブレずに加速できていたのは好感。4カ月ぶりの前走を快勝し、さらに上昇といった雰囲気。【7】

■カテドラル　助手騎乗、栗東坂路単走。序盤から前向きな雰囲気でリズミカルな脚捌きを見せる。ゴーサインが出されたラストでも、まだ身のこなしに余裕を感じさせ素軽く伸びた。終始楽な手応えだったにも関わらず、4F52秒1は自己ベスト更新の数字。万全の仕上がりだろう。【7】

■カラテ　助手騎乗、美浦坂路単走。走りははやや粗削りながら、活気十分とも言える。追われて少しタイムラグがあったあたり、まだ良化の余地は感じさせるが、前走快勝の反動はなく順調。【6】

■カレンシュトラウス　藤懸騎手騎乗、栗東坂路単走。序盤からスピードに乗っていき、ラスト2Fは鞍上の叱咤に応えて踏ん張り12秒3-12秒0（一杯）と後傾ラップでまとめてみせた。中間はCW主体のハード調整をこなしており、攻め強化は好感。5カ月間休養での立て直し効果は大きそう。さっそく力をフルに出せる。【7】

■ケイデンスコール　斎藤騎手騎乗、栗東坂路単走。攻め駆けする馬らしく道中は“遊び”を感じさせながらも軽快に脚を回転させ、ラストは単走とは思えない気迫で伸びた。結果こそ伴わないが、攻め気配はここ数戦申し分なく、高いレベルで安定。【7】

■シュリ　助手騎乗、栗東坂路単走。先週秋山真騎手騎乗で速い全体時計を出したのが実質の最終追い。輸送を控える今週は終い重点の内容をこなした。ラストに鞍上の手が動いたあたり、あと少し素軽さが欲しい感はあるものの、伸び脚そのものは豪快。7カ月ぶりの前走を使われ、着実に前進している。【6】

■ディアンドル　助手騎乗、栗東坂路単走。先週ある程度負荷を掛けられているし、気性面を考慮し軽めの内容。まだ気迫に乏しい面はあるものの、加速は滑らかで全体的に素軽さを感じさせた。4カ月の休み明けから2回使われ、着実に良化。【6】

■ドナアトラエンテ　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。準オープン馬を追走し、直線で併走へ。やや脚勢は見劣ったが、しっかり抵抗し併入に持ち込んでいる。大幅上積みはどうかも、この馬なりに安定。【6】

■トーラスジェミニ　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。きさらぎ賞に出走するトーセンヴァンノと併せられ、6馬身ほどの差を楽にキャッチアップ。全体時計は平凡だが、古馬の貫録を示すように手応え圧倒で併入してみせた。ブリンカー装着の効果か、序盤に集中して脚を溜められたのは好感。3カ月ぶりの前走から一定の上積みはありそう。【6】

■ファインルージュ　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。オープン馬2頭を前後に置きスタート。真ん中に進路を取った直線では仕掛けを待つ余裕を見せ、いざ出されたゴーサインにスパッと反応。一気にギアを上げて抜け出し、最先着を果たした。先週の3頭併せでも気迫十分だったが、さらに上の段階と言える。休み明けでも走れる気性だし、絶好の状態で復帰できそうだ。【8】

■ホウオウアマゾン　坂井騎手騎乗、栗東CW併せ馬。準オープン馬を目標に、直線半ばまで相手の後ろでジッと我慢。後方からは別の矢作厩舎勢の併せ馬が迫っており、変則的な4頭併せの恰好となった。ゴール手前で促されると気迫十分に体を沈め、一気に目標の相手を抜き去り、後続から来た馬も突き放す。脚捌きの柔らかさ、仕掛けを待てる気持ちと心身ともに上々の状態。鞍上との息がピッタリなのもいい。一連の好調をしっかりキープ。【7】

■マルターズディオサ　嶋田騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。3歳1勝馬を追走。取り付いてからの直線併走では相手の勢いが優勢だったが、軽快な脚捌きから併入に持ち込んでいる。これで3週続けてのウッド併せ馬をこなしており、体調は依然良さそうだ。デキ落ちはなく、順調。【6】

■ワールドバローズ　助手騎乗、栗東坂路併せ馬。古馬1勝クラスをアオると、楽な手応えで抜け出し結局3馬身の先着を果たした。モタれる面もマシになっており、終いの鋭さに繋がっているよう。攻め不足に感じた前走を勝利した反動はまったく感じられず、上積みは大。【7】


●2月6日　きさらぎ賞（GIII、中京、芝2000m）

■アスクワイルドモア　武豊騎手騎乗、栗東CW併せ馬。古馬1勝クラスを追走。手応えは相手が優勢だったが、仕掛けられていい気合い乗りを見せ2馬身抜け出しての先着を果たした。中間は充実の稽古内容を消化しているし、前走からの上積みは大。【7】

■エアアネモイ　助手騎乗、栗東坂路単走。先週CWの併せ馬でびっしり追われたのが実質の最終追い。今週は単走・馬なりで反応を見る程度だった。緩いペースでも力まず脚を溜めると、軽い促しに応え鋭い伸びを披露。まだバランスの悪さが残るあたりは若さゆえだろうが、デビュー戦を使われてしっかり気配上昇。【6】

■シェルビーズアイ　松田騎手騎乗、栗東坂路併せ馬。追われての反応にタイムラグがあり、目標とした3歳未勝利に手応えはやや見劣っていたものの、渋太く伸びて併入に持ち込んでいる。GIを走ったダメージからは回復し、この馬の走りはできる状態だろう。【6】

■ショウナンマグマ　吉田豊騎手騎乗、美浦坂路併せ馬。4馬身先に行かせた古馬1勝クラスを直線入り口でキャッチアップ。併走ではどちらが年長かわからないほどに落ち着いた走りで進み、手応え十分のまま併入に持ち込んだ。先週はウッドで速い時計を出せているし、中8週とひと息入っているとは思えない好気配。【7】

■ストロングウィル　助手騎乗、栗東CW単走。先週、松山騎手騎乗の併せ馬で速い全体時計を出しており、今週は単走・終い重点の内容。直線では馬場の真ん中をブレずに進み、スムーズにギアを上げると仕掛けられたラストでは1F10秒9（一杯）と豪快な伸びを披露した。2週前にはタイムフライヤーをアオるなど、中間の動きは絶好。短期放牧を挟んだ効果は大きそうで、抜群の状態だ。【8】

■セルケト　岩田望騎手騎乗、栗東CW単走。終いに仕掛けられると、スッと反応できなかったものの、ジワジワと長くいい脚を繰り出した。道中は落ち着いて進めており、気持ちが安定しているのはいい。前走以上の状態で走れる。【6】

■ダンテスヴュー　川田騎手騎乗、栗東CW併せ馬。3歳1勝馬を3馬身先に行かせて追走。相手が良く走り直線半ばでもまだ差は2馬身ほどあったが、鞍上が追い出すと猛然と加速。相手をロックオンした際の気迫はかなりのレベルで、結局併入に持ち込んでみせた。先週はオープン馬アドマイヤポラリスと互角にやりあうなど、1月に入ってからのハイレベルな併せ馬ではいい動きを連発。中10週入ったとは思えない、ほぼ万全の仕上がりだ。【7】

■トーセンヴァンノ　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。東京新聞杯に出走するトーラスジェミニを6馬身先導する形の併せ馬。年長のオープン馬相手で致し方ない面はあるものの、一杯に追われながら終始アオられての併入に終わっている。しっかり追えたこと自体はいいが、年明けに2戦使われていることもあり、上積みはなさそう。【5】

■フォースクエア　池添騎手騎乗、栗東坂路併せ馬。ラストで気持ちを乗せると、古馬2勝クラスにしっかり食らいついて併入に持ち込んだ。渋太さは評価できるが、この中間はデビュー戦と異なり坂路オンリーの仕上げ。最終追いでは仕掛けられてバランスを崩す場面もあり、脚元にまだ頼りない部分があるのかも。及第点のデキ。【5】

■マテンロウレオ　助手騎乗、栗東CW単走。先週横山典騎手騎乗のCW併せ馬で6F78秒9（一杯）という猛時計を出しており、これで実質の最終追いは完了。今週は息を整える程度だった。終始前向きな雰囲気でいかにも気分良く走り、体を柔軟に使えていたのは好感。前走時に引き続き、依然好気配だ。【7】

■メイショウゲキリン　助手騎乗、栗東CW単走。長めから時計を出す意欲的な内容をこなした。追われてまだモタモタする場面はあるが、中2週でしっかり攻められたこと自体は評価していい。中8週だった前走から、着実に良化。【6】

＜追い切り評価＞は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価（10が最高、1が最低）です。
（Text:Nishimura）