●9月11日　セントウルS（GII、中京、芝1200m）

■サンライズオネスト　横山典騎手騎乗、栗東坂路単走。テンからいい勢いでスピードに乗って進む。坂の途中の見せムチに反応し過ぎてヨレる場面はありながらも、最後までいい手応えを保って走り切った。時計は4F50秒5（馬なり）と上々。やや急仕上げな感もあるが、中間に速い時計を連発できており、さっそく力をフルに出せそう。【7】

■ジャスパープリンス　助手騎乗、栗東坂路単走。中間に速い時計を連発しており、ここまでの乗り込み量と負荷は申し分なし。最終追いは確認程度の内容となった。終いにややモタれたが、全体的に軽快さのある走りを披露。芝でどうかだが、攻め気配は上々の部類だ。【6】

■シャンデリアムーン　助手騎乗、美浦坂路併せ馬。後方から来る相手を迎え撃つ形の併せ馬。相手が仕掛けられ加速してきたが、こちらはワンテンポ反応が遅れ、追われてもギアが上がらず1馬身遅れの入線に終わってしまった。相手がオープン馬だったにせよ、案外な内容。1週前はいい動きを見せていたが、まだ気持ちが乗り切っていないのかも。良くて平行線か。【5】

■ソングライン　津村騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。オールカマー出走を控えるクレッシェンドラヴを目標に進み、直線ではインへ。スムーズに加速し、仕掛けられて追いすがってくる相手を手応えで圧倒。最後は楽々抜け出し半馬身の先着を果たした。皮一枚厚い感はあり、先を見据えてまだキンキンの仕上がりではないようだが、気持ちがしっかり乗っているのはいい。自分の競馬はできる。【6】

■タイセイアベニール　助手騎乗、栗東坂路単走。終い重点に追われそこまでスパッと切れなかったが、もとより終いを要するタイプ。そこまで悪い内容ではなかった。夏は函館、函館、札幌と稼働しており大きな上積みこそ強調しづらいものの、ひとまず順調だろう。【6】

■ダディーズビビッド　助手騎乗、栗東CW単走。序盤はピタッと折り合い、外を大きく回して入った直線ではまずまずの伸びを示した。除外があり調整の難しさがあったことを考えれば、悪くない仕上がりだ。【6】

■チェアリングソング　坂井騎手騎乗、栗東CW単走。14-14ペースで入り、終いだけ伸ばす内容。ラストは鞍上の仕掛けに力強く応え、単走とすればいい伸びを示した。小倉、栗東と輸送が続くがそこまで目立った疲れは感じられない。反応は前走より良化しているようだし、この馬の走りはできそう。【6】

■ファストフォース　団野騎手騎乗、栗東坂路併せ馬。序盤はセーブしたが気分上々の雰囲気で進み、グイグイ追われたラストでしっかり脚を弾けさせた。小倉帰りの中2週でこれだけの負荷を掛けて問題ないあたり、体調はかなり良さそうだ。休み明けを2回使われ、ようやく本調子か。【7】

■ボンボヤージ　川須騎手騎乗、栗東ポリ単走。北九州記念から中2週となるので、中間の時計はこの1本のみ。全体的に控えめだが、道中は前向きさがありラストの脚捌きも軽やかだった。デキ落ちはなく、高値安定と見たい。【7】

■メイケイエール　池添騎手騎乗、栗東CW単走。これまで教え込んできたことを確認するように序盤は落ち着いて入り、時計となったのは残り4Fあたりから。若干だけ頭が高いが、直線に入って馬自ら気持ちを乗せるとブレのないシャープなフォームから豪快に伸びた。まったくの馬なりで、素軽さ満点。先週の坂路追いでもメリハリある動きができており、デキに関しては言うことなしだ。【8】

■メイショウケイメイ　助手騎乗、栗東坂路単走。終い重点に仕掛けられるも、溜めたほどの切れは感じられなかった。小柄で仕上げやすいタイプだとしても、中9週にしては本数が物足りないし、ここを使ってからか。【4】

■モントライゼ　助手騎乗、栗東坂路単走。終い重点の内容で、滑らかさには欠けたもののジワッと力強く加速できていた。先週は速い全体時計を出しており、この時期とは思えない活気があるのは好材料。まだ良化の余地はありそうだが、気配は前走以上かも。【6】

■ラヴィングアンサー　菱田騎手騎乗、栗東CW単走。7Fからの時計で序盤からまずまずのラップを刻むも、ラストもタレることなく鋭く脚を伸ばした。帰厩後、体調面からか楽をさせた時期があるが、これだけ動ければ大丈夫だろう。力を出せる状態。【6】


●9月11日　京成杯AH（GIII、中山、芝1600m）

■インテンスライト　菊沢騎手騎乗、美浦坂路併せ馬。目標とした古馬2勝クラスにスッと取り付き、手応え優勢で最後は1馬身抜け出した。そこまでスパッとは切れなかったが、気迫は上々。ここまでの乗り込み量は十分だし、4カ月ぶりと考えれば悪くない仕上がりだ。【6】

■クリノプレミアム　松岡騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。先週重い馬場だたウッドで5F63秒9（馬なり）と速い時計をマークしたのが実質の最終追い。今週は鞍上が気持ちの乗りやバランスを確認する調整内容となった。2歳馬2頭をあっさりパスして抜け出すとフワッとしたが、伸び脚そのものは力強さあり。力を出せる状態だろう。【6】

■コムストックロード　助手騎乗、美浦ポリ単走。先週ウッドである程度負荷を掛けられたのが実質の最終追い。今週はポリトラックで14-14の入りから終いだけ伸ばす内容に留まる。ラストは馬自ら気持ちを乗せて重心を沈めており、まとまった休みを取らず走っていても心身の状態は維持できているようだ。小柄な馬でもあり大幅上積みこそ強調しづらいが、順調と言える。【6】

■シャーレイポピー　助手騎乗、栗東坂路単走。終い重点に仕掛けられ、長くいい脚を使った。もう1枚ギアを上げて欲しい感はあったが、脚捌きそのものは軽快。この馬なりに安定。【6】

■シュリ　助手騎乗、栗東坂路単走。セーブ気味の入りで闘志を溜め込むと、ラストはまったくの馬なりながら別厩舎の馬に食らいつくように鋭伸。常に稽古で良く見せる馬だが、それを差し引いても気持ちの乗りはかなりのレベルにある。前走で激走した反動は感じられず、高いレベルで安定。【7】

■タガノディアマンテ　助手騎乗、栗東坂路単走。序盤に折り合い、終いの脚を引き出すことを意識した内容。まずまず落ち着いて進めていたが、手前の変換にモタついたのかラストは手応えほど伸び切れなかった。案外な内容も、序盤に溜める不慣れなパターンだったことを考えれば致し方なしか。体は引き締まっており、1回使った分の上昇は見込める。【6】

■ダーリントンホール　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。前後に馬を置き発進、直線では左右の間に割って入る3頭併せ。かなりタイトに挟まれる格好だったが、まったくブレずに貫禄ある動きを見せ、馬なりのままそれぞれと併入した。2週前、1週前の動きも申し分なく、ほぼ万全のデキ。【7】

■ファルコニア　吉田隼騎手騎乗、栗東坂路単走。混雑した走路のなかでも序盤は自分の走りに集中。終いにややズブを見せたが、ギアが上がってからは豪快な伸びを示した。馬場が荒れた時間帯だったことを考えると、1F12秒3（一杯）という数字以上の動きだったと言える。好調維持。【7】

■ベレヌス　助手騎乗、栗東坂路単走。先週、西村淳騎手を背にCW3頭併せで速い時計を出したのが実質の最終追い。今週は反応を確認する程度の内容で、終いは馬自ら気持ちを乗せて軽快に伸びた。走ることへのモチベーションが相当高そうな雰囲気にあり、勝った前走時以上の気配。【8】

■ミスニューヨーク　助手騎乗、栗東坂路単走。先週CWでしっかり負荷を掛けられており、今週は坂路単走で確認程度の内容に留まる。ラストはこの馬らしい切れ味を披露。先週ややモタついたが、この雰囲気なら問題なさそうだ。2カ月半ぶりだった前走から着実に前進。【6】

■ミッキーブリランテ　古川奈騎手騎乗、栗東坂路単走。新潟遠征後の中1週とあって終いだけ重点の内容。じっくり脚を溜めたものの、ラストは仕掛けに対し気乗りしないような感じで伸びあぐねた。2カ月半ぶりだった前走を使われての変わり身は見込みにくい。【5】

■ルフトシュトローム　助手騎乗、美浦坂路単走。先週ウッド併せ馬で上々の動きを示しており、今週は確認程度。時計は平凡ながら、以前あったバランスの悪さがある程度解消されており、加速はスムーズだった。半年ぶりの復帰戦とすれば悪くない状態だ。【6】

■ルークズネスト　久保田師騎乗、美浦ウッド併せ馬。ゆったりした入りで後方2頭を迎え入れる、テンション面を考慮した内容。時計は平凡だが、意図した通り序盤は落ち着いて進み、ラストで伸びるメリハリのある動きができていた。前走よりはいい状態で走れそう。【6】

■レインボーフラッグ　助手騎乗、栗東CW単走。体は並べなかったが前に目標役の馬を置き、終いに目一杯追う意欲的な調整をこなした。ラストにやや頭が上がってしまったが、推進力はしっかり維持する上々の動き。日曜追いでは坂路で目一杯しごかれ自己ベストタイムをマークするなど、目下の体調はかなり良さそうだ。9歳を感じさせない活気がある。【7】


●9月10日　紫苑S（GIII、中山、芝2000m）

■エコルフリューゲル　内田騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。中2週となるため中間の速い時計はこの1本のみ。馬場の真ん中で集中して進み、ラストは鞍上の軽い促しに応えて伸びた。可動域が大きそうな走りには好感。休み明けを2回使われ着実に良化だ。【6】

■エバーハンティング　横山琉騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。序盤からある程度速いラップを刻む意欲的な調整。ラストは一本調子になったものの、気持ちの乗った走りはできており、目標の馬をねじ伏せてなんとか先着した。このひと追いで走れる態勢は整ったか。【6】

■カヨウネンカ　田辺騎手騎乗、美浦坂路併せ馬。古馬2勝クラスと体を並べて登坂。先に手が動いた相手をアオるように進み、そのまま併入としている。仕掛ければ突き抜けそうな雰囲気で、気迫は十分。入厩後の本数は少ないが、小柄なタイプでこれぐらいでいい。好仕上がり。【7】

■コルベイユ　勝浦騎手騎乗、美浦ウッド単走。ある程度仕上がっており、鞍上が味付けを施す程度の調整。時計に派手さはないものの、手前をスムーズに替えて伸びており数字以上の好内容だった。前走時もこのぐらいの負荷と本数で結果を出しているし、走れる状態にありそう。【6】

■サウンドビバーチェ　助手騎乗、栗東坂路単走。先週松山騎手が騎乗し、CW5F66秒8（強め）と速い時計を出したのが実質の最終追い。輸送を控えた今週は息遣いやバランスの確認程度に留まる。まったくの馬なりで気分よく駆け上がり、ラストは首を上手に使って伸びていた。心身ともに充実しているようで、ほぼ万全。【7】

■サンカルパ　助手騎乗、美浦ウッド単走。序盤はリズム重視で進み、終いは軽く促しただけで溜めた脚をしっかり弾けさせていた。全体的に荒っぽい走りで、集中を欠く素振りも見せたが、ギアが入ってからは豪快。先週もいい動きだったし、高いレベルで好調維持だ。【7】

■サークルオブライフ　助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。外先導で内の2頭を待ち、直線で追い比べに持ち込む3頭併せ。仕掛けに対し若干反応が遅れ、ギアも上がり切れなかったが、なんとか馬なりを保って1頭に先着、1頭と併入に持ち込んだ。手応えを考えれば突き放して欲しかったところで、万全のデキにはあとひと息か。それでも伸び脚そのものは力強く、恥ずかしい競馬にはならないだろう。【6】

■シーグラス　丹内騎手騎乗、美浦坂路単走。先週ウッド併せ馬で速い時計を出したのが実質の最終追い。今週は14-14程度の入りで、鞍上が反応を見る程度だった。力まずにしっかり脚を溜め、ラストもまったくの馬なりで軽快に動いた。鞍上との息はぴったりといった雰囲気。3カ月半ぶりでも自分の競馬はできそう。【6】

■スタニングローズ　助手騎乗、栗東坂路単走。先週坂井騎手騎乗の併せ馬で気合いを注入されており、今週は単走の調整。馬場が混雑していた時間だったが、自分の走りに集中して登坂し、ラストの仕掛けには鋭く反応。ギアをスッと上げ猛然と伸びた。身体面、気迫ともに休み明けを感じさせない迫力があり、文句なしの仕上がり。【8】

■ニシノラブウインク　助手騎乗、美浦ウッド単走。終い重点で反応を確認する内容。馬場の真ん中をブレずに駆け抜けており、最後まで集中できていたのはいい。あとひと追い欲しい感はあるが、この馬の競馬はできそう。【6】

■ライラック　石川騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。古馬1勝クラスを目標に進み、併入に持ち込んだ。手応えはたっぷりで、盛り返してきた相手を受け流すような余裕があったのは好感が持てる。真夏は函館でしっかり乗り込んでおり、久々でも調教量は十分。フルに力を出せそう。【7】

■ロジレット　稲垣師騎乗、美浦芝併せ馬。直線でデビュー前の新馬2頭の真ん中に入る形の3頭併せ。目一杯に追われるが伸び切れず、脱落した1頭には先着したものの、もう1頭にはアオられたまま追いつかずの遅れ入線に終わっている。中間攻めを休んだ時期もあり、体調的に不安が残る状況。ギリギリ及第点のデキか。【5】


＜追い切り評価＞は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価（10が最高、1が最低）です。
（Text:Nishimura）