UMAJIN.net

競馬サロン

血統サイエンティスト ドクトル井上

2024/05/17 18:00

平安ステークス 2024 最終結論【血統】デカくて先行力のあるニジンスキーが強い【重賞深掘りPROJECT】

178
≪今週の動画・オークス≫
▼距離が延びてこそ! 国内屈指の本格派血統が強さを見せる!

https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/17943/0/111



皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。

この記事では土曜日の京都メイン・平安ステークスの最終結論をつらつらと。

過去の血統傾向

京都ダート1900mが舞台だった過去9回の平安Sのうち、複数頭の産駒が好走したのは【3-1-0-18】のキングカメハメハ、【0-1-2-6】のゴールドアリュールといったあたり。ゴールドアリュールは母父に回っても【1-0-1-0】だったし(※強いオメガパフュームによるものではあるが)、母父だとスペシャルウィークが【1-1-0-4】で複数頭の好走産駒を送り出していた。

この3頭の種牡馬に共通するのはニジンスキーの血。京都のダートコース、それも距離は若干とはいえ長い1900m。菊花賞、春の天皇賞で猛威を振るうニジンスキーのスタミナがここでも輝くということだろう。

ちなみにニジンスキーの血を内包する馬の平安S@京都ダ1900m成績は【6-9-6-53】で複勝率28.4%。単勝回収率144%、複勝回収率130%で配当妙味は見込めるし、非ニジンスキー群が【3-0-3-61】で複勝率9.0%とイマイチな成績なので、どちらを狙うべきかは明白だ。

ニジンスキー持ちでさらに狙いを絞るならデカくて先行できる馬に注目したい

古馬のダート重賞らしく馬格と先行力が求められるのはニジンスキー持ちでも同様の話で、当日馬体重が500キロ以上かつ逃げ・先行を選んだニジンスキー内包馬は【4-2-4-7】で、勝率23.5%、複勝率58.8%。回収率も単勝581%、複勝242%なのでベタに狙ってOKという格好だ。

☆前走馬体重500キロ以上かつ逃げ・先行脚質のニジンスキー内包馬
⇒グロリアムンディ、スレイマン、ミトノオー、メイショウフンジン


各馬の個別検討

グロリアムンディ
昨年度の勝ち馬で父はニジンスキー内包のキングカメハメハ。名牝セックスアピールの5×4(トライマイベスト≒カリヨンミス4×3とも)とナシュア≒ナンターラの組み合わせからダート向きの馬力を手に入れた感がある。

またニジンスキーっぽさという話であればこの馬はメンバー随一で、単純にニジンスキーを父母から1本ずつ引くだけに留まらず、ニジンスキーの3/4同血の甥であるザミンストレルの血も引くため、ニジンスキー≒ザミンストレル6×4*7のニアリークロスが発生する格好になる。

ここ数戦は露骨にパフォーマンスを落としているが、GIで足りないのは以前からのこと。格上戦だと力を発揮できない馬だと割り切れば狙いは立つし、今回と同じダートの距離短縮時の成績は【2-1-0-1】で好相性だ。「走る気がなくなったのかも」などというボンヤリした理由で人気を落とすようなら、狙って面白い存在になるだろう。

スレイマン
前走のアンタレスSは2番手から抜け出したところでミッキーヌチバナの強襲に遭った。どうやらソラを使ったようで、それを聞くとあの形から差されたのも納得がいく。

デカいニジンスキー持ちの先行馬ということで、京都の平安S的な配合パターンではあるが、1900mの距離がどうか。母はスプリントGI勝ち馬のドナブリーニなので、1900mよりは1800m、1800mよりも1700mというイメージ。うまく距離を誤魔化したい。

ハギノアレグリアス
長距離の個性派として名を馳せたタニノエポレットの半弟。キズナ産駒ながらこの牝系の影響が相当に強く距離は延びた方が良いタイプに出た。1900m以上のレースだと【4-1-1-1】で、馬券を外したのは昨年の帝王賞4着のみ。アンタレスSから100mとはいえ距離が長くなるのは好材料だ。

母父はニジンスキー系のジェネラス。血統面でも特段の減点材料はないと見る。あとはインで捌き切れないシーンがなければというところか。

ハピ
前走の天皇賞・春はハ行により競走中止。ただ大事には至らなかったようで、ここでダート戻りの選択と相成った。

ストームキャットをクロスさせたキズナ産駒は、同馬の他にダートで準OPまで出世したローウェルなどがいてダート向きのパワーが出やすい配合となっている。

確かにダート馬としては小柄だが、それでも古馬になってから着実にバルクアップしてきたし実績も十分。ベテルギウスSでは1キロもらいとはいえ、後のフェブラリーS勝ち馬ペプチドナイルに半馬身差まで詰め寄ったし、逆に1キロあげてミッキーヌチバナに1馬身以上先着している。

にもかかわらず今回はミッキーヌチバナより人気しなさそう。オッズ妙味ならこの馬だろう。

ミッキーヌチバナ
アンタレスSで重賞初勝利。母ヌチバナは父キンカメに母がゴールドアリュールの全妹ラバヤデールという配合なので、良血馬がようやく素質開花と言ったところ。デカいニジンスキー持ちというのはこのレースで狙いやすいパターンで、その点もプラス材料になる。

ただ京都の平安Sは差しが届かない重賞で、差して勝ったのはチュウワウィザードとオメガパフュームという超GI級のみ。ミッキーヌチバナにそれを求めるのはちょっと酷じゃない?

ミトノオー
ここでもハナを切るのが予想される同馬。デカくて先行できるニジンスキー内包馬なので、レースのイメージに合う存在。あとはメイショウフンジンとの折り合いがどうなるかだろう。

名古屋グランプリではこの2頭で逃げ争いを繰り広げて早々に失速した前科があるだけに、前半のペース配分がポイントになる。うまくおててを繋いで先行できるといいですね。

メイショウフンジン
現役馬のうち、二枚腰全国一位(※当社調べ)がこのメイショウフンジン。文字どおりの個性派で単純に見ていて楽しいレースをしてくれる。

逃げ争いをするであろうミトノオーとの比較だと、向こうの方がテンは速いのでその点を道中どこかでカバーしたい。

浦和記念のように外から殺到されてインでモゴモゴする形になると苦しいので、6枠12番かつ自身の外に先行馬がいない今回の並びはグッドだろう。外からスムーズに先行できればワンチャンス。

最終結論

◎10グロリアムンディ
○5 ハギノアレグリアス
▲6 ハピ
☆12メイショウフンジン
△2 ミトノオー
△8 スレイマン
△7 ミッキーヌチバナ
△15ヴィクティファルス
△4 サンデーファンデー
△13クリノドラゴン

【3連複/フォーメ】10=5,6,12=5,6,12,2,8,7,15,4,13(21点)


ここはグロリアムンディに期待する。昨年9月の韓国遠征から帰国して以降、どうにも成績は振るわないが、いずれも舞台はGI級のレース。格上戦だと力を発揮できないグロリアムンディにとって不得手な条件でのレースだったと言えよう。

なにせムーア大明神を乗せて2人気に支持されたチャンピオンズCで、初ダートのレッドガランに負けるような馬ですから。格上戦はテンで駄目なのだ

距離短縮のGIIIで走れないようならいよいよ見限っても良いだろうが、このレースを前にその決断を下すのは早計では? というのが第一感。走る気がなくなったかどうかを判断するのは、平安Sを見てからでも遅くはないだろう。

58キロを背負って57キロのハギノアレグリアスを下した昨年より1キロ斤量が減るのも加点材料。血統的にも減点する要素はないし、人気を落としそうなここで狙ってみたい。

相手もニジンスキー内包馬を中心に。☆メイショウフンジンは枠の並びがプラスになりそうで、ここなら坂の下りを使って早めにエンジンを吹かしミトノオーに並びかけることができそう。そうなれば持ち前の二枚腰が活きると見た。

馬券はグロリアムンディからの3連複フォーメーションで。それほど人気しなさそうなので3列目は手広く構えた。

<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上

在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【DATA診断・オークス】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ


【馬体診断・オークス】馬体アナリスト・伊藤


【調教診断・オークス】調教ライター・西村武輝

この記事が参考になった方は
主宰者に「エール」を送ろう!(最大10回)

エール0

この主宰者をお気に入りに登録しよう!
マイページから確認できます

お気に入り登録
競馬サロン TOP

人気主宰者の「重賞」「自信の一鞍」など複数の予想を30日間定額で!

先着800名様限定!
30日間無料キャンペーン実施中

月額コースはコチラ

ただいま30日間
無料お試しキャンペーン実施中!

全コラムが見放題
月額コースはコチラ

月額コース購入に進む

この記事のみをご覧になりたい方はコチラ

単品購入(500pt)に進む

本記事は単品購入限定となります

PAGE TOP