競馬サロン

2024/05/18 18:00
オークス 2024 最終結論【血統】◎は日本屈指の本格派 2列目ヒネって中穴狙い【重賞深掘りPROJECT】

▼距離が延びてこそ! 国内屈指の本格派血統が強さを見せる!
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皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。
この記事では日曜日の東京メイン・オークスの最終結論をつらつらと。
■過去の血統傾向
月曜日の血統展望と重複するが、過去10年の父系の成績を見てみると、父サンデーサイレンス(SS)系が【5-5-7-96】で勝率4.4%、複勝率15.0%と控えめな成績に。その他の系統が【5-5-3-51】、勝率7.8%、複勝率20.3%なので、サンデー系は相対的にやや不振。SS系以外の種牡馬もしっかり狙える重賞だ。
父SS系のうち【3-3-2-28】のディープインパクト産駒以外に複数頭の産駒が好走しているのは【1-1-1-16】のハーツクライと【1-0-1-2】のゴールドシップだけ。2400mという条件もあって、父SS系のなかではスタミナ色が濃い種牡馬の産駒、特に古馬の王道路線で活躍した種牡馬の産駒を狙いたいレースと言える。
またドゥラメンテを筆頭に活躍が目立つ父キングカメハメハ系は、オークスまでに2勝以上を挙げていた馬がこの10年で【3-3-1-9】で複勝率43.8%と安定感があるうえ、複勝回収率も162%なので配当妙味も見込める。オークス時点で1勝のみの父キンカメ系が【0-0-0-9】と全く振るわないのとは対照的だ。
マイラーのキングマンボ、さらにはミエスクを祖先に持つキングカメハメハなので、自身も後継の種牡馬も距離が延びてこそというタイプは少ない。そのため、距離適性によるアドバンテージ、ちゃぶ台返しはなかなか見込めず、結果としてそれまでに白星を重ねるだけの脚力を見せていた馬がシンプルに好成績なのだろう。
■各馬の個別検討
▼ステレンボッシュ
父は菊花賞とジャパンCを制したエピファネイア、母父ルーラーシップは古馬の王道路線で活躍した。さらに3代母ウインドインハーヘアはあのディープインパクトの母。日本トップクラスの本格派血統だ。
血統表に入るスペシャルウィークとダンスインザダークは同じ「サンデーサイレンス×母父ニジンスキー系」という配合形。ニジンスキー由来のゆったりした胴伸びを伝えやすく、実際にステレンボッシュも中距離馬然とした馬体をしている。
桜花賞の動画を撮影した時点で申し上げていたとおり、ステレンボッシュはどう考えてもオークス向き。血統表を見ても実馬を見ても、マイルからの2400mへの距離延長がマイナスになるとは到底思えないのだ。
そのうえ、外回りの桜花賞を差し追い込みで勝った桜花賞馬は【6-1-1-2】で勝率60%、複勝率80%とオークスで抜群の成績を残してきた。マイラーとしての性能ではなく、中距離馬としての切れ味を武器に桜花賞を“制してしまった”馬は、そのままオークスでも好走する傾向にある。
ステレンボッシュはこのパターンにも合致し、相当に買いやすい存在と言える。
抜けた人気になりそうだが、私自身としても桜花賞時から「オークス向き」と言っていた以上、ここで評価を下げるわけにはいかない。枠もほぼほぼ理想的。大注目の存在だ。
▼チェルヴィニア
ハービンジャー産駒はオークス通算【0-1-1-8】で複勝率20%。ここだけ見ると振るわないものの、母父が芝マイルGI勝ち馬という条件を加えると、【0-1-1-2】で複勝率50%をマーク。
放っておくと父に似た晩成芝12Fタイプに出てしまうハービンジャーなので、3歳春のGIで動けるようにカスタマイズするためには、芝マイラーの母父の血からスピードや筋力(≒早熟さ)を補強しておく必要があるのだろう。チェルヴィニアの母父はNHKマイルCを制したキングカメハメハ。これは2017年2着モズカッチャンと同じ配合形だ。
前走の13着で人気を落とすと思っていたところ、存外人気になっている点だけは誤算(2人気ですって……?)だが、とはいえこの馬のポテンシャルは高いものがある。改めて狙ってみたい。
▼エセルフリーダ
前走は中山芝2000mのミモザ賞を勝利。1馬身以上の差をつけて完封したニシノティアモは続くスイートピーSでコガネノソラとクビ差の接戦を演じた。確かにミモザ賞でのニシノティアモはインで詰まって追い出しが遅れる不利はあったが、それでも単純な着差を見ればコガネノソラよりよっぽど格上の存在。それがこのオッズ差ならという感じがある。
キタサンブラック×ハービンジャーは配合例こそ少ないが、エセルフリーダ含む2頭がJRAのレースに出走して2頭とも勝ち上がる好相性の配合。キタサンブラックの父ブラックタイドは、ダンジグの血と相性が良く、キタサンブラック以前の代表産駒であるマイネルフロストやテイエムイナズマはいずれもダンジグを引いていた。このパターンがハマった可能性も。同時にアルザオ≒シャリーフダンサーがいい味出してる説もある。
また母父サクラバクシンオーのキタサンブラックにスウェプトオーヴァーボードを持ってくると、クリアアンバー≒アンビヘイヴィング(スウェプトの母母父)の組み合わせになる。息の長い末脚を伝えるパターンで、東京にコースが替わるのはプラスになるはず。
動画&血統展望で「内枠を引けるようなら」という話をしていたところ、実際に2枠3番を引いてくれた。ダイナアクトレスの牝系で近親にはスクリーンヒーローを筆頭に芝GI・重賞での活躍馬多数。チェルヴィニアが思いのほか人気してしまった以上、穴の期待をかけるならこの馬か?
▼ミアネーロ
今年の出走馬でただ1頭の「2勝以上を挙げた父キンカメ系」。差しに構えられるのはオークスのレース質を考えるとグッドで、ドゥラメンテにプルピットだから広い東京に替わるのもプラスだろう。
ミスエーニョの仔なので将来的にはマイラーかもしれないが、差す競馬をさせてきた経験は間違いなくここで活きるはずだし、ドゥラメンテ産駒はとにかくこのレースで走る。勢いに乗る鞍上ツムツムの手腕にも注目したい。
▼クィーンズウォーク
父はキズナ、母ウェイヴェルアベニューはダート7FのGI・BCフィリー&メアスプリントを制した活躍馬。
桜花賞時の陣営コメントもあって「オークス向き」と見られているフシもあるが、個人的には異議を唱えたい。半兄グレナディアガーズ(朝日杯FS、阪神C勝ち)のキズナ牝馬が距離延びて良いとはどうにも思えないのだ。
オークスにおけるキズナ産駒の成績は【0-0-1-6】で複勝率14.3%。人気薄が多かったとはいえ正直目立った数字ではない。加えて母はバリバリの北米ダート短距離血統だ。やっぱりキミ、マイラーちゃうんかいと。
また、これまでオークスで馬券になったディープインパクト系種牡馬の産駒はいずれも前走で掲示板に載っていて、前走6着以下だった馬は【0-0-0-20】と全く振るわない。基本的にディープ系は優等生のキャラクターが多いため、大敗からの巻き返しは少なく、前走でキッチリ好走していた馬を狙うのがオークスに限らず筋になるイメージだ。
確かにオークスはマイラーでも頑張れるレースではあるが、そのためにはしっかり脚を溜めて直線に賭ける競馬をする必要がある。だとすれば、前走の桜花賞で内枠から序盤にある程度出していって位置を取りにいったのが裏目に出る恐れも。
長丁場の芝では相対的に結果を出せていない厩舎のカラーもあるし、いくら広い東京とはいえ大型馬の内枠は前走のように競馬がし辛くなる危険性だって気になるところ。ここはバッサリ無印にして勝負に出たい。
■最終結論
◎7 ステレンボッシュ
○12チェルヴィニア
▲3 エセルフリーダ
☆1 ミアネーロ
△17タガノエルピーダ
△13スウィープフィート
△5 コガネノソラ
△10アドマイヤベル
△14ライトバック
【3連複/フォーメ】7=12,3,1=12,3,1,17,13,5,10,14(18点)
素直にステレンボッシュから入る。阪神JF2着の時点でオークスでこそと思っていた馬であり、個人的には桜花賞でアッサリ突き抜けたことの方がよっぽど驚きだったりする。スムーズに競馬ができれば突き抜けると思うし、できなくても力が一枚上と見る。
ただ「素直に」といったのは3連複の軸の話であって、2列目についてはチョイとヒネった。的中のカギを握るのはこの部分。馬券のキモはここにあり。
○チェルヴィニアはオークス好相性の「ハービンジャー×母父芝マイラー」。母チェッキーノはオークス2着馬だし、舞台適性は申し分ないと見る。
2戦目の未勝利、3戦目のアルテミスSで見せた脚力は相当なものがあるし、前走の大敗には目をつぶって狙ってみたい。もっとも、目をつぶる馬券ファンが思ったより多くて、人気し過ぎているのが玉にキズではある。さすがに2人気は聞いてない……。
▲エセルフリーダは先物買い的な側面もあるが、血統面からは高い評価を与えられる。
スパッとした切れ味ではなく粘りのある末脚に見えるので、前が止まるオークスになればチャンスあり。ここでダメでもいつかエリザベス女王杯で重い印を打ちたい。そんなイメージだ。
☆ミアネーロは2勝以上の父キンカメ系。ミスエーニョをGIで買うのか!? という話になるかもしれないが、個人的にはミスエーニョが3歳の重賞を勝ったのはなかなかの驚きだった。私にはミスエルテのトラウマっていうのがありましてね……(遠い目)。
ミスエーニョに3歳で重賞を勝たせるドゥラメンテ恐るべしという畏怖も込めてこの印に。うまく捌けるといいですね。
馬券はステレンボッシュから2列目に○▲☆を置いた3連複フォーメーションで。
<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。
=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【DATA診断・オークス】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ
【馬体診断・オークス】馬体アナリスト・伊藤
【調教診断・オークス】調教ライター・西村武輝
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