競馬サロン

2024/05/18 19:09
オークス2024 最終結論【DATA予想】ステレンボッシュの相手には“隠れた好データ馬”を大抜擢!【重賞深掘りPROJECT】

【2024年オークスをデータで的中!】ステレンボッシュの相手はスウィープフィートとライトバックのどちらだ!? 東京芝2400m大歓迎の爆穴とヤバそうな人気馬とは?

こんばんは。そして、お初の方は、はじめまして。お宝DATAハンターのリーダー・ハットリです。
土曜日の平安Sは本命ハピが2着に好走し、馬単6840円をGET! しかし3着のメイショウフンジンがヌケで3連複3万8千円は獲り逃し…。
ここは同馬とミトノオーが競って厳しいペースになると思ったので、番手につけるメイショウフンジンは切って、穴の差し追い込み馬を相手に買いました。けれども実際はスローに流れてメイショウは残ってしまった…。
逃した魚はかなり大きかったですが、めげずに次にいきましょう…! 今週のメインイベント、樫の女王決定戦・オークス(GI、東京芝2400m)の予想に参ります。
■オークスで求められるのは「最後まで衰えない末脚」!
オークスでもっとも求められるのは「上がりの速さ」。まずは、過去10年(文中データの集計期間は断りがない限りは以下同)の脚質別成績と上がり順位別成績をご覧ください。
■オークス 過去10年
◎脚質別成績
・逃げ/【0.0.0.10】
勝率0.0% 複勝率0.0%
・先行/【1.5.1.29】
勝率2.8% 複勝率19.4%
・差し/【7.3.8.63】
勝率8.6% 複勝率22.2%
・追込/【2.2.1.45】
勝率4.0% 複勝率10.0%
◎上がり3Fタイム順位別成績
・1位/【7.2.1.2】
勝率58.3% 複勝率83.3%
・2位/【0.1.4.10】
勝率0.0% 複勝率33.3%
・3位/【2.2.0.3】
勝率28.6% 複勝率57.1%
・4-5位/【1.4.2.12】
勝率5.3% 複勝率36.8%
・6位以下/【0.1.3.120】
勝率0.0% 複勝率3.2%
脚質では過去10年で差しが7勝を挙げ、好走数・好走率ともにトップ。追い込みも2勝でよく馬券に絡んでいます。反対に、一般的に好走率が高くなる先行は1勝止まり。逃げにいたっては、ここ10年、一頭も馬券になっていません。
オークスは、脚質面では明らかに「差し有利」なレースであるといえます。
それは上がり順位別データからも裏付けることができます。上がり1位を記録した馬は勝率58.3%、複勝率83.3%という凄まじい成績。過去10年で上がり1位の馬が馬券に絡まなかったのは2021年の一度だけで、そのときの上がり最速馬・タガノパッションも4着に健闘しています。上がり1位は“準パーフェクト”といってもいい成績です。
一方、6位以下で連対したのは、2020年2着のウインマリリン一頭だけ。同馬は翌年に牝馬としては33年ぶりに牡馬混合GIIの日経賞を優勝し、その翌年には香港ヴァーズを制してGIウイナーになりました。それくらい傑出した力がないと、上がりの脚なしに好走することは難しいレースなのです。
さらに興味深いデータもご紹介します。これは、前走・桜花賞を走った馬を除いた、前走上がり順位別の成績です。
■オークス 過去10年
前走・桜花賞以外
前走上がり順位別成績
・1位/【2.2.2.18】
勝率8.3% 複勝率25.0%
・2位/【0.2.1.10】
勝率0.0% 複勝率23.1%
・3位/【1.0.0.9】
勝率10.0% 複勝率10.0%
・4-5位/【0.1.0.16】
勝率0.0% 複勝率5.9%
・6位以下/【0.0.1.31】
勝率0.0% 複勝率3.1%
オークスは【7.5.6.63】の桜花賞組が馬券の中心になります。前走・桜花賞組が複数好走すれば、必然的に、同組の前走上がり順位が低い馬が馬券内に入る可能性が出てくるわけです。同タイムでない限り、前走・桜花賞組で上がり1位は1頭しかいないわけですからね。
そこで前走・桜花賞以外のレースの前走・上がり順位別成績を調べたところ、上掲のように3位以内により好走馬が集中し、4位以下からはわずか2頭しか馬券になっていません。
これを見ても、いかにオークスで上がりが重要かがご理解いただけるのではないでしょうか。
ただし、オークスにおける「上がり上位」とは、“切れる脚”というよりは、“最後まで余力のある脚”という表現のほうが、実態のイメージに近い気がします。
なぜかというと、3歳春時点の牝馬にとって、東京芝2400mは過酷でタフすぎるコースであるから。この距離を走ったことがある牝馬はほぼ皆無ですし、完走するだけでも、3歳牝馬にとっては大変なことなのです。
昨年などは、勝ち馬・リバティアイランドが突き抜けたとはいえ、9着以下は1着から2秒も離されました。また上がりタイムを見れば、10着以下はレース上がり35秒1を大きく下回っていました。つまり、最後スタミナが切れて、歩いてしまった馬が半数近く出てしまったということになります。
オークスは、タフな東京芝2400mを克服できるかどうかのサバイバル戦。この厳しい戦いを勝ち抜くためには、最後まで息が続く体力と末脚が必要になるわけです。
というわけで、ここでは「上がり≒最後まで余力のある脚」に重点を当てて、データ分析ならびに予想を進めていきます。
■本命はやはりアノ馬で仕方ない…!?
まずは馬券の中心となる桜花賞組の分析から始めます。
内回りコースから外回りワンターンコースに改修されて以降の桜花賞は、力通りの決着になることが大半。オークスの東京芝2400mも実力通りに決まりやすいコースなので、結果的に着順がいい馬ほどオークスでも走ってきます。
ちなみに、近年春の牝馬二冠が大量生産されているのは、阪神のコース改修により桜花賞とオークスで求められる適性が近くなり、かつ、どちらも実力通りに決まりやすいレースになったためであります。かつて阪神芝1600mがおにぎり型のコースだった頃は、現在よりもスピードや立ち回りが求められたので、オークスとは質が大きく異なっていた。ゆえに、春の二冠牝馬も近年ほどは生まれなかったのです。
閑話休題。桜花賞で注目すべきは勝ち馬で、その成績は【4.1.0.3】、勝率は50%、複勝率は62.5%と、ひじょうに高い確率で馬券になってきます。
そしてこの1着馬について、桜花賞での上がり順位を調べてみると…
■オークス 過去10年
前走・桜花賞1着
前走上がり順位別成績
・1位/【3.1.0.0】
勝率75.0% 複勝率100.0%
・2位/【0.0.0.0】
勝率 -% 複勝率-%
・3位/【1.0.0.0】
勝率100.0% 複勝率100.0%
・4位以下/【0.0.0.3】
勝率0.0% 複勝率0.0%
着外に敗れた3頭はすべて上がり順位が4位以下。一方、上がり3位以内を記録した馬は【4.1.0.0】とすべて2着以内。つまり連対率100%ということです。これはまさに、鉄板データといえますね。
今年の1着馬・ステレンボッシュは上がり順位は3位でした。この鉄板データにしっかりと該当します。
同馬はほかのデータを見ても、キャリア5戦馬は【2.5.4.25】で複勝率30.6%はキャリア別トップ。前走馬体重462キロは【5.6.3.34】の460-479キロのゾーンに該当し、こちらも20キロ刻みの前走馬体重別データでは好走率トップの成績。【5.7.7.44】と半数以上の好走馬を送り出しているノーザンファームの生産馬ですし、管理するのはオークス2勝2着2回の名伯楽・国枝調教師。
強いて挙げれば、オークスの乗り替わり成績が【1.4.3.55】勝率1.6%、複勝率12.7%と、継続騎乗【9.6.7.92】勝率7.9%、複勝率19.3%に比べると芳しくないことくらい。ただし、このデータもからくりがあって、オークスで勝負になるような馬はほとんど継続騎乗で臨むものであり、乗り替わりは人気がない馬が大半。実際、乗り替わりの1番人気はいませんでしたし、2番人気2頭はどちらも2着に好走していました。
なお、この2頭のうちの1頭は2016年のチェッキーノで、ルメール騎手からバトンを受けたのは戸崎騎手でした。戸崎騎手は現在絶好調というより、騎手として最盛期を迎えている可能性があります。個人的にこの乗り替わりはまったく心配していません。
それに、阪神JFも桜花賞も例年以上にレースレベルが高かったのは周知の通り。説明するまでもないでしょうが、その2戦で接戦を繰り広げたライバルのアスコリピチェーノが、NHKマイルCで致命的なロスがありながら(それは鞍上が招いたものではありますが)、2着に好走したことからも証明できます。
データ的にも能力的にも死角が見当たらない大本命馬。正直、ここまでの説明すら不要だったかもしれませんが、本命はステレンボッシュ(牝3、美浦・国枝)にいたします。
ただし同馬はアーモンドアイほどの圧倒的な爆発力はなく、どちらかといえばレース巧者タイプ。なので、なにかに出し抜けを食らう可能性は多少はあるかと思います。
実際、サフラン賞では4角で大外を回すロスがあったとはいえ、その後惨敗続きのスプリングノヴァに先着を許しています。半面、3着以内という点では相当高い確率で来てくれるのではないでしょうか。また戸崎騎手もそういうタイプであります。
馬券でカギを握るのは、ステレンボッシュの相手でしょう。
■ライトバックとスウィープフィートはどちらが上?
というわけで対抗以下を探したいと思うのですが、桜花賞組では3着のライトバックと4着のスウィープフィートが有力候補になります。先述したように今年の桜花賞はレースレベルが高いので、上位着順の馬を素直に狙うことができる。着差を見れば、ライトバックは0秒1差、スウィープフィートは0秒2差しか離されていませんしね。
この2頭は、オークスで重視すべき“上がりデータ”的にも推すことができます。
桜花賞組の前走・着順別成績を見ると、4着以内からの好走馬が多く、1着を除いた2着から4着の合算でも【3.3.3.13】勝率13.6%、複勝率40.9%と、好成績をマークしています。
そしてこの2-4着馬が前走で上がり5位以内を記録していると、【3.2.2.7】勝率21.4%、複勝率50.0%と、2頭に1頭は馬券になっているのです。
ライトバックは上がり1位、スウィープフィートは上がり2位なので、確率的にはどちらか一頭は好走する計算。ステレンボッシュからこの2頭に流せば、データ的には“ほぼ的中確実”と言えます。笑
この2頭の比較では、ライトバックを上にとりました。理由は「減点材料の少なさ」です。
ライトバックの最大の不安点は「折り合い」。同じ東京コースのアルテミスSで首をあげて派手に引っかかったシーンを覚えている方も多いと思います。桜花賞からは決して間隔が空いているわけでもなく、しかも東京芝2400mはスタンド前発走。今年の川田騎手は敏感な馬に乗るわけではないので、事前に「発走前はお静かに!」とは言ってくれませんでしたし。笑
管理する茶木厩舎は開業4年目で、まだ重賞は未勝利。茶木厩舎はすごくいい厩舎で、有望株だとは見ているものの、やはり大レースの経験値が豊富でないことは事実です。果たして、あの気性の難しいライトバックを長距離輸送を経て、2400mのGIで折り合いを欠くことなく走らせることができるのかどうか…。
■スウィープフィートの3つの不安材料とは?
しかし、そんなライトバック以上に、スウィープフィートには不安材料が多い。
まずキャリア7戦は現代競馬では使い過ぎ。過去10年、キャリア7戦馬は【0.1.0.17】複勝率5.6%。キャリア8戦以上は22頭走って全滅しています。
もうひとつは「距離不安」。過去10年の3着内馬はすべて1400m以上の距離でデビューしていました。しかしスウィープフィートのデビュー戦は小倉の芝1200m。1200mでデビューした馬は、最高でも2020年のマジックキャッスルと2016年のペプチドサプルの5着止まりでした。
デビュー戦の距離選択には、その馬の適性や将来性が色濃く反映します。陣営が当初、短距離向きと見なしていたのは間違いありません。
また血統的にも、父がスワーヴリチャードで、祖母が宝塚記念に勝ったスイープトウショウと聞けば、一見距離が持ちそうに思います。しかしきょうだいと、母を含む母のきょうだいを調べると、2000m以上で勝利した馬は叔父のスイープアワーズ1頭だけ。一方で、マイル前後で活躍している馬が目立ちます。
馬の適性は、父以上に母から色濃く受け継ぐと私は考えています。デビュー距離の選択とこの血統的観点から、2400mへの距離延長は大いに不安に感じます。
そして3つ目は「鞍上の不安」。ヴィクトリアマイルでナミュールが見せ場もなく敗れたあと、ふと気になって武豊騎手の関東芝GIでの牝馬成績を調べてみました。
すると、大きな落馬事故があった2010年以降は【0.1.0.32】という惨憺たる成績で、勝っていないどころか2着がたった1回あるだけだったのです。そもそも牝馬でのGI勝利自体、10年以上途絶えていて、最後に勝ったのは2009年の安田記念ウオッカまで遡らなければなりません。
このように、スウィープフィートは不安材料がひじょうに多い。くわえて折り合い面もライトバックと変わらないほど、この馬にも不安があります。関東遠征もライトバックは2度目に対し、こちらは初になりますからね。
もちろん、レベルが高い桜花賞で0秒2差の4着に走ったことは高く評価しています。能力がなければ、この走りはできませんから。ですので、スウィープフィートを切ったり、買い目から外すことはありません。
あくまで桜花賞上位馬の比較では、スウィープフィートよりもライトバックを上にとる、ということであります。
…と書けば、ライトバックが対抗なのかと思われそうですが、それも違います。ライトバックは能力の高さを認めつつも、やはり折り合い面は不安です。折り合えばステレンボッシュを逆転する可能性もあると思う反面、アルテミスSのように引っかかれば惨敗もありえます。フタをあけてみなければわからない“ギャンブルホース”なので、シルシは4番手の☆にします。
■対抗には例年軽視される、あのトライアル勝ち馬!
では対抗はどの馬かといえば、ここはコガネノソラ(牝3、美浦・菊沢)を推したいと思います。
フローラSや忘れな草賞など、今年の別路線組はオークスにあまりつながらないと見ています。その理由については長くなりますので、最後に簡潔に説明いたします。
しかしその中で、コガネノソラが勝った今年のスイートピーSは出色の内容だったと見ました。
まず勝ち時計1分45秒6は字面のタイムとしても優秀ですし、実際レースレコードを更新しています。
それ以前のスイートピーSでレース最速タイムを記録していたのは2021年のタガノパッション。そして同馬はオークスで10番人気の低評価ながら、0秒3差の4着に大健闘していたのです。ちなみにどちらもオークスで重要な“上がり1位”でスイートピーSを勝利していました。
ここから、「スイートピーSを速いタイムかつ上がり1位で勝った馬は、オークスでも好勝負できるのではないか」という仮説を考えることができます。
そこでさらに、このタガノパッションが勝ったスイートピーSを検証すると、ラストのラップに引っかかるものがありました。以下はラスト4ハロンのラップタイムです。
2021年スイートピーS 12秒0=11秒9=12秒2=11秒8
あまりラップが落ちていないうえに、ラスト1ハロンのラップは「0秒4」加速しています。一般的に最後の1ハロンはラップが落ちるものであり、実際過去10年のスイートピーSで最後の1ハロンで加速していたのは、このタガノパッションの年だけでした。
レースを見ると、逃げ粘った馬を最後差し切った格好なので、こういったラップになったのですが、それでもタガノパッションは2着に0秒3差もつけており、最後に加速力を見せたのは間違いありません。
スイートピーSを高速タイムかつ上がり1位で勝つだけでなく、ラストで加速力を見せた馬がオークスで好走するのではないか。
そこで今年のスイートピーSのラスト4ハロンのラップを調べると…
2024年スイートピーS 12秒4=12秒2=11秒9=11秒6
なんと、ラスト1ハロンどころか、ラスト3ハロンすべて加速する、見事な加速ラップだったのです! こんなスーパーラップをスイートピーSで見たことはもちろんありません。
■加速ラップを踏んで勝った馬は強い!
さらに衝撃的な事実があります。それは、このときの東京コースは直線で“向かい風”が吹いていたのです!
加速ラップで走るだけでも力が要るのに、向かい風を受けながら加速し続けるのは、至難の業であります。全体時計が速かったのは向正面が追い風だったからで、過剰に評価することはできません。しかし逆に、直線での加速ラップは、字面の数字以上に高く評価をすることができるのです。
直線で加速ラップを踏んで勝った馬は、強い馬である可能性がひじょうに高い。典型例が今年の共同通信杯で、最後の5ハロンは12秒7=12秒2=11秒4=10秒9=10秒8という見事な加速ラップでした。そしてそこを勝ったジャスティンミラノは皐月賞をコースレコードで優勝し、2着のジャンタルマンタルは皐月賞3着、NHKマイルC1着と、それぞれ大舞台で結果を残したのです。
私はこの加速ラップをひじょうに重視しており、皐月賞ではこの共同通信杯の加速ラップを最大限に評価して、ジャスティンミラノに本命を打ち、馬券も的中することができました。
今年のスイートピーSに比べれば内容が劣るラップで勝ったタガノパッションでも、オークスでは僅差の4着に走れたわけです。であるのなら、それ以上のスーパーラップで勝ったコガネノソラなら勝ち負けまでいけるのではないか?
しかも改めてコガネノソラの戦績を調べると、驚くことに同馬の3連勝はすべて、ラスト加速ラップで勝利しているんですよね。私も長年競馬を見てきていますが、こんな馬は初めて見ました。
もしかしたら、この馬は、とんでもなく強い馬である可能性があります…!!
くわえて、これは多くの方が指摘していますが、コガネノソラは血統面からも強く推すことができます。父ゴールドシップ、母父ロージズインメイという配合は、3年前の勝ち馬・ユーバーレーベンとまったく同じ。生産者も同じビッグレッドファームです。さらに叔母には、オークス2着のウインマリリンがいるんですよね。
事前の想定よりはるかに人気をしているのは、この血統のバックボーンが大きいと見ています。穴党としてはこの人気とオッズはかなり残念ではありますが(汗)、とはいえ、心強いことに変わりはありません。
大本命・ステレンボッシュにひと泡吹かせる可能性があるのは、このコガネノソラかも…。大逆転にも期待して、同馬を対抗に推したいと思います。
■単穴にはさらなる人気薄を抜擢!
続いて単穴には、エセルフリーダ(牝3、美浦・武藤)を抜擢します。
今回、いろいろなデータを調べていた際、ひとつ面白い傾向が見つかりました。それは、「中山芝1800-2000mを上がり上位で勝った馬はオークスで穴をあける傾向にある」ということです。
まずは以下のデータをご覧ください。
■オークス 過去10年
芝1800-2000mで上がり2位以内での勝利がある馬
・東京/【3.4.3.14】
勝率12.5% 複勝率41.7%
単勝回収率74% 複勝回収率97%
・中山/【0.2.3.10】
勝率0.0% 複勝率33.3%
単勝回収率0% 複勝回収率171%
・阪神/【1.0.1.20】
勝率4.5% 複勝率9.1%
単勝回収率18% 複勝回収率46%
・京都/【1.1.1.10】
勝率7.7% 複勝率23.1%
単勝回収率30% 複勝回収率50%
オークス以前に芝1800-2000m戦を上がり2位以内で勝った馬を、主場4場にわけて見比べたものです。
これを見ると、「中山より東京のほうが成績が上じゃないか!」と思われる方もいるかもしれません。しかし大前提として、2、3歳戦においては、東京に使われる馬と中山に使われる馬とでは、そもそもの馬質が大きく違います。クラシックを意識するような素質馬は、往々にして中山ではなく東京でデビューしたり、東京のステップレースを使われるのです。POGファンだったりしたら、それはご理解いただけるのではないでしょうか。
そんな好素材が集まる東京で勝った馬の複勝率は41.7%。対して中山で勝った馬は複勝率33.3%をマークしているのですから、馬質の差を考慮すれば、これはよく走っていると見ていいと思います。
さらに複勝回収率に注目すれば、東京は97%に対し、中山は171%と、100%を超えているだけでなく大幅な黒字収支になっているのです。東京組は4割以上好走しながら100%割れしているのですから、つまりは人気馬ばかり走っている証左。ということは、東京の芝中距離とオークスとでは高い関連があるとは言えません。
一方、中山はこれだけ高い回収率を示しているのですから、オークスとの関連性が高いのではないかと推測することができるのです。
これは個人的にもけっこう意外な結果ではありました。しかしよくよく考えれば、中山の芝1800-2000mは、主場4場の中ではもっともタフなコース設定です。特に1800mについては、急坂を2回超えるのは中山しかありませんからね。
このタフなコースを上がり上位で勝った馬が、「最後まで長く息が続く末脚」が求められるオークスで好走する傾向にあるのは、実はひじょうに理にかなっていると思うのです。(そもそもオークスにつながると考えたことはなかったものの、中山の中距離で強い勝ち方をした馬は底力がある馬と以前から思ってはいました)
ほかにも、「2000年以降、中山芝1800mのフラワーCを上がり2位以内で勝った馬9頭のうち4頭は牝馬三冠レースのどれかを制している」だとか、「2014-2023年の10年で、中山芝2000mの3歳1勝クラスを上がり最速かつ0秒1以上の着差をつけて勝った牝馬5頭のうち3頭は、のちに重賞を勝ち、GIでも好走。そのうちの2頭はオークスで馬券になったウインマリリンとバウンスシャッセ」といったデータも“発掘”しています。
■エセルフリーダのミモザ賞も高評価!
中山の芝中距離を上がり上位で勝った馬は、オークスで穴をあけるケースが多い。そして今年のメンバーで、この条件をクリアしているのは、前走ミモザ賞を快勝したエセルフリーダただ一頭だけなのです。
中山芝2000mで行なわれたミモザ賞の勝利内容は、上がりは次位より0秒3も速い最速の35秒1で、2着には0秒2差。過去10年でGI好走馬を3頭輩出した前記ふたつめのデータにしっかり該当しています。
しかもそのときの2着馬は、高く評価したスイートピーSの2着馬・ニシノティアモ。スイートピーSではコガネノソラとはタイム差なしに走っていたので、単純計算では、エセルフリーダはコガネノソラよりも速く走れることになります。
さらに驚くのは、このミモザ賞もラスト4ハロンで加速ラップを踏んでいたのです…!!
2024年ミモザ賞 12.4-12.1-11.8-11.7
この日はスイートピーSの日とは異なり、直線が追い風気味だったので、当日は加速ラップが出やすい日ではありました。それでも3歳牝馬が最後に急坂が控える中山で加速ラップを踏むのは簡単なことではありません。ちなみに“先輩”のウインマリリンもバウンスシャッセも勝ったレースは加速ラップにはなっていませんでした。
こういったラップ面の記録から、エセルフリーダは過酷な東京芝2400mでも最後まで脚が持つのではないか…と考えた次第です。
それに桜花賞組やトライアル組など主要な馬たちに比べて、前走からの出走間隔が空いているのも高ポイント。もう再三再四申していますが、現在の芝の大レースはゆとりのあるローテのほうが有利で、フレッシュな状態であるほど好走しやすいからです。くわえて、前走がGIや重賞ではなく質の軽い条件戦であったことも消耗がより少ないのではないか、と。
血統も父キタサンブラック×ハービンジャーと底力のある組み合わせ。社台の名牝・ダイナアクトレスの一族で、近親には同じ東京芝2400mのジャパンCを勝ったスクリーンヒーローがいる良血の出自です。東京芝2400mへの距離延長は不安どころか大歓迎のクチではないでしょうか。
地味な存在ながら、買い要素にあふれている馬を穴党が買わない手はありません。エセルフリーダを3番手の単穴に指名いたします。
今年のオークスのシルシと買い目はこのようになりました。
〈2024年 オークス 予想〉
◎7 ステレンボッシュ
〇5 コガネノソラ
▲3 エセルフリーダ
☆14 ライトバック
☆12 チェルヴィニア
注8 ホーエリート
注18 ランスオブクイーン
△13 スウィープフィート
△10 アドマイヤベル
買い目
【馬単/マルチ】7⇔5,3,14,12,8,18,13,10(16点)
【3連複/フォーメ】7=5,3,14,8,18=5,3,14,12,8,18,13,10(25点)
【3連単/フォーメ】7⇒5,3,14,8⇒5,3,14,12,8,18,13,10(28点)
【3連単/フォーメ】5,3,14,12⇒7⇒5,3,14,12,8,18,13,10(28点)
【3連単/フォーメ】7⇒12,13,10⇒5,3,14,8,18(15点)
【単勝】5,3(2点)
【ワイド/BOX】5,3,14(3点)
4番手☆のライトバックまではすでに説明したので、もう一頭の☆印・チェルヴィニアについて。
正直、この馬をデータから狙うことはできません。桜花賞フタ桁着順から巻き返したのは過去10年で3頭いますが、そのうち2頭は桜花賞で2番人気以内に支持(17年アドマイヤミヤビ、22年ナミュール)。もう一頭は牡馬混合重賞の勝利実績がありました(23年ドゥーラ)。チェルヴィニアは桜花賞で4番人気。また、アルテミスS「しか」勝っていない馬の好走例も見当たりません。
しかしそのアルテミスSと新潟芝1800mでの未勝利の勝ち方を見れば、チェルヴィニアに力があることも間違いありません。
というわけで、すべてのデータをクラッシュして勝つ可能性もあると見て、同馬には5番手の☆を打ちました。
馬券的には“ピンパー”的な扱いとし、まず3連複の2列目と、1本目の3連単フォーメーションの2列目には入れていません。代わりに、2本目の3連単フォーメーションの1列目と3本目の3連単フォーメーションの2列目には置きました。
また、注印ホーエリートは来ても2着までと見て、3連単の1列目には置かず。もう1頭の注印ランスオブクイーンは来ても3着までと見て、3連単の1列目と2列目には置きませんでした。
単勝とワイドは“夢馬券”ということで。笑
最後にスイートピーS以外の別路線について。
過去にオークス好走馬を輩出したフローラSはラスト3ハロンのラップに「0秒5」以上、急加速したラップがありました。今年のフローラSは最大でも「0秒4」しか加速できていない。これでは本番でいい脚を繰り出せないと判断し、同組は低評価となりました。勝ち馬アドマイヤベルだけ立ち回りの巧さを買って連下△印。
今年の忘れな草賞は前半3F34秒5、後半3F35秒4の「前傾ラップ」。オークス好走馬を出した忘れな草賞はすべてかなりの後傾ラップで、しかも1着馬は35秒を切る速い上がりで差して勝っていました。今年はペースも1着馬の勝ち方も真逆に近い。タガノエルピーダは力はあると思うもののオークス向きではないと判断し、切りとします。
フラワーC組は先に記したように、上がり2位以内で勝っていないと勝負になりません。今年の1着馬・ミアネーロは上がり4位で、2着のホーエリートは上がり5位。どちらも上がり2位以内ではありませんが、ホーエリートは4角でかなり外を回していたので、こちらは注印を回しました。
この別路線の見解につきましては、YouTube動画でけっこう詳しく説明していますので、お時間のある方は、そちらをご覧いただければ幸いです。
対抗コガネノソラのみならず、単穴エセルフリーダもかなり穴人気してしまって、けっこうガッカリしています。苦笑 とはいえ、もちろん期待はしていますので、石川騎手と武藤騎手の関東ヤングジョッキーには頑張っていただきたいものです!
■プロフィール
かつて「重賞攻略データ」班のチームリーダーを担当していたことから“リーダー・ハットリ”と名乗る。数あるデータの中から馬券に有効なデータを看破し、期待値の高い馬をピックアップ。高配当GETに全精力を傾ける! 無類の穴馬券好きで、これまで数々の高配当をプライベートで獲得。100万馬券は3回的中経験アリ!
■最近のスマッシュヒット
【2024年天皇賞・春】
◎テーオーロイヤル、☆ディープボンドで3連複7750円的中!
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/17750/0/113
【2024年皐月賞】
ジャスティンミラノ本命で馬単5570円的中!
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/17571/0/113
【2024年アンタレスS】
5人気ミッキーヌチバナ本命で馬単5530円&3連複2390円的中!
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/17562/0/113
【2024年スプリングS】
シックスペンス本命で3連単5万3380円&3連複9100円を的中!
=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【血統診断・オークス】血統サイエンティスト・ドクトル井上
【馬体診断・オークス】馬体アナリスト・伊藤
【調教診断・オークス】調教ライター・西村武輝
この記事が参考になった方は
主宰者に「エール」を送ろう!(最大10回)
この主宰者をお気に入りに登録しよう!
マイページから確認できます
新着記事
-
SPREAD編集長・山田2025/05/08 20:00
「競馬の真実、見えていますか?」新・馬柱革命!新時代の競馬サイト【Winsight(ウインサイト)】リリースのご案内
いつもUMAJIN.netをご利用いただき、誠にありがとうございます。 スポーツメディア『SPREAD』の編集長であり、現在『競馬サロン』の監修を務めつつ、YouTube『岡...
その他特集 -
684
- 固定記事
-
UMAJIN.net編集部2025/07/29 12:20
【7月第4週(関屋記念/東海S週)的中結果一覧】岡井&本堀タクヤが東海S馬連29.2倍的中!田原は“千直”閃光特別で3連複4540円GET
【!】無料登録で3000ptプレゼント(7月31日まで) ◆【7月第3週(小倉記念/函館2歳S週)的中結果一覧】塾長・岡井が両重賞Vをはじめ日曜全勝の大暴れ!田原も土曜メイン...
-
110
-
UMAJIN.net編集部2025/07/27 11:00
【7/27(日)午後の提供レースPICK UP】予想コラムダイレクト一覧
※競馬サロンメンバーシップに加入いただいたことがある会員様には、メルマガに特典情報のご案内がございますので、必ずご確認ください。 皆様、おはようございます! UMAJIN....
その他 -
85

人気主宰者の「重賞」「自信の一鞍」など複数の予想を30日間定額で!
先着800名様限定!
30日間無料キャンペーン実施中
月額コースはコチラ
ただいま30日間
無料お試しキャンペーン実施中!
全コラムが見放題
月額コースはコチラ
この記事のみをご覧になりたい方はコチラ
単品購入(500pt)に進む本記事は単品購入限定となります