UMAJIN.net

競馬サロン

調教ライター 西村武輝

2024/06/22 18:00

宝塚記念2024 最終結論【調教】懸念点を凌駕する攻め気配!ドウデュースの勝利を信じる【重賞深掘りPROJECT】

133


2024年4月「競馬をより深く楽しんでいただく」ための新たなPROJECTがスタート!
その名も「重賞深掘りPROJECT」。重賞のことなら「ここを見れば完璧!」と言っていただける『重賞コーナー』に育てていくことを目指します!

=新PROJECT発足のご挨拶=
当PROJECTプロモーター「ブッシー」からのご挨拶です。
【重賞深掘りプロジェクト】始動のご挨拶
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/17517/0/109

「宝塚記念」全頭追い切り診断動画はこちら!

【宝塚記念 2024|調教診断】ドウデュース万全も……逆転候補なら「中間猛時計」のこの馬!新馬戦追い切り推奨馬も必見

---------------------------------



早いものでもう2024年上半期の競馬がオーラス。

「6月の競馬」という意味では実はまだ来週もあるんですが、ひとまず東京、京都といった中央場の開催は閉幕となり、来週から福島、小倉と夏ローカル開催が始まるわけですがら、ほぼほぼオーラスと言っていいでしょう。

その掉尾を飾るのはグランプリレース「宝塚記念」ですね。

今年はご存じの通り、阪神競馬場の改修に伴い2006年以来となる京都競馬場での開催。

その2006年・宝塚記念はスポーツ新聞などで再三報じられているようにディープインパクトが勝利を収めた一戦でした。

そこから18年ぶりに巡ってきた「京都の宝塚記念」に武豊騎手が断然の1番人気馬で臨む……というドラマに、なんとも言えぬ感慨を抱いているファンの方も数多くいらっしゃるかと存じます。

さてこのレースにおける望ましい調教傾向を探っていくわけですが、例年行われる「阪神芝2200m」と「京都芝2200m」では求められる適性は大きく異なるものの、こと今回は一線級のなかの一線級が激突するグランプリであること。そして温度湿度がグンと上がるこの時期にピントを合わせたいこと。ですから素直に阪神で行われた過去5年の上位入線馬調教傾向を見ていくこととします。

過去5年、馬券対象15例のうちコース最終追いが9例、坂路最終追いが6例。なおコースは8例がウッド(美浦W、栗東CW)で2019年3着スワーヴリチャードが芝でした。

坂路組は6例中4例がコース併用、2例が坂路オンリーでコース併用がやや有利か。

最終追いの調教強度はコース組が9例のうち8例が「馬なり」、1例が「強め」。坂路も同様の傾向かと思いきや6例中4例が「一杯」とこちらは直前までしっかり負荷を掛けられていましたね。

コース組にしても調教欄上の手応えこそ軽めでも、時計自体は全体的に速い時計を出しており負荷という意味ではしっかり掛けられています。昨年のイクイノックス1週前が美浦ウッド5F65秒フラット、一昨年のタイトルホルダー1週前が美浦ウッド5F64秒5。同年3着デアリングタクトも直前こそ坂路馬なりも、1週前は栗東CW64秒4。

また最終追いは「坂路馬なり」だった2019年リスグラシューは1週前に目一杯追われ、この馬としてはかなり早い坂路4F51秒6をマーク。

ですから走路ごとの適性うんぬん以前にこの湿度温度急上昇の時期にも関わらず、ここで勝ち負けを目指す実力馬が余念なく攻め込まれたかどうかが調教から見極める必要があるのかもしれません。

なお、念のため2006年宝塚記念の上位進出馬調教も見ましたが1着ディープが最終追いで今はなきDWで目一杯に追われており、2着ナリタセンチュリーもCWで一杯に追われ63秒台。やはりバテが来そうなこの季節にビシバシ追えるだけの体力、コンデイションがあるかどうかが大切ということでしょう。

以上を踏まえ、まずは「宝塚記念」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。
  
■ソールオリエンス【7】
嶋田騎手騎乗 美浦ウッド併せ馬 2勝クラスを追走する終い重点の内容。スムーズなコーナリングから直線に向かうと、持ったままの手応えでアオり、相手が来れば来るだけ即対応してギアチェンジ。そのまま楽に併入としている。1週前の動きも豪快で、立て直し成功と見ていい。
    
■ドウデュース【8】
助手騎乗 栗東芝併せ馬 未勝利馬を1秒追走し、直線手前の時点で併走に持ち込む。直線に正対した際、抜け出そうと一瞬力むも鞍上がしっかり制御。そのまま絶好の手応えを保って併入とした。操縦性、脚捌きともに申し分なし。中間の時計も抜群で、帰国初戦を感じさせない文句なしの仕上がり。
    
■ブローザホーン【7】
菅原明騎手騎乗 栗東坂路併せ馬 帝王賞(6/26、大井)に向けて調整されているディクテオンとスパーリング。終い重点でお互い無理をさせない内容となり、ブローザホーンが若干だけ手応えで見劣ったものの力強い踏み込みから併入としている。稽古駆けしない馬で時計は地味ながら、手前の変換はスムーズ。気持ちをしっかり維持できていたのは好感が持てる。前走時以上の気配にありそう。
      
■ルージュエヴァイユ【7】
助手騎乗 美浦坂路併せ馬 1週前のウッド併せ馬で猛時計を出しており、輸送を控える今週は調整程度。1勝クラスを目標に、終い重点で追われた。楽な手応えを保ったままスムーズにギアを上げ、まったくの自然体で抜け出し1馬身の先着を果たしている。万全の仕上がりだ。
  
■ローシャムパーク【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 3勝クラスを追走。道中は行きたがってしまい力みを見せるが、許容範囲。直線ではグンと重心を沈め、ラストでさらにギアを上げると稽古駆けする相手に半馬身先着を果たした。中間は自己ベストを更新しているし、能力全開に期待できる。
 
▼「宝塚記念」全頭追い切り評価はコチラ
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/18360/0/112

まず数字面、そして見た目ともに他馬を大きく凌駕する攻め内容を見せていたのがドウデュース

中間通して終始豪快な動きでしたが、なかでも圧巻だったのは武豊騎手が騎乗した1週前追いでしたね。大きく先行させた2頭を速いラップを刻んで追い詰めると、直線序盤であっさり抜き去って先頭へ。そこからも状態の良さを鞍上が確かめるように適度に促すと気持ちをしっかり維持して脚を伸ばし、ラスト1F10秒8(強め)を計時。

6F79秒8、5F65秒1。終いの切れも素晴らしかったですが、全体的に掛けられた負荷も十二分で、冒頭に述べたように体調を気にすることなく攻め込めている点を高く評価したいですね。

芝での最終追いは若干だけ力むもすぐに収まりをつけて、相手に並び掛けてからは泰然と併走。逆手前のままだったが、制御が効いている感がありむしろ好印象さえ感じました。

帰国初戦、意外にも思える初の京都への対応と懸念点はなくはないが、ポテンシャル全開がありそうな攻め気配と揉まれる危険性の少ない頭数。そして道悪も問わないとくればファン投票に応えての勝利しか考えられない。人気でも逆らえませんね。本命に据えます。

相手探しとなりますが、攻め気配で本命級の魅力を感じたのがルージュエヴァイユ

前走の大阪杯はイン前有利の流れのなか、道中12番手、4角10番手という位置取りからインを突いてタイム差なしの3着に健闘しました。2000mかあるいは1800mぐらいがベストか…という感はあるものの、目下の充実ぶりならやれていい。

そして中間の攻めは以前にも増してヘビーな内容をこなしているのがいいですね。かつては蹄に弱さがあったようですが、いまはかなりいい状況のよう。でなければここまでの猛調教、猛時計は出せないはず。

枠と「雨馬場への泣き」で不思議と人気はないですが、蹄の不安なし、モタれ癖も見せずと目下完成形を迎えたいまならドウデュースに迫れる走りがあっていい。対抗に据え、この馬からのワイドを買いたいと思います。

ブローザホーンは坂路時計が地味なので調教派からすると評価しづらいタイプなのですが、この馬の充実ぶりにも目を見張るものがあります。それも転厩して2戦でGII3着、GI2着ですからね。稽古駆けしない馬なりに最終坂路追いは加速ラップで駆け抜け、前走時の調整ではアオられていたディクテオン(帝王賞出走予定)に今回は追走併入。間違いなく転厩後最高の状態でしょう。上位進出があっていい。

☆は美浦の2頭ソールオリエンスローシャムパーク。いずれも稽古ではよく見せ、この中間も軽快です。前者はリフレッシュがいい方に出たよう。後者は若干力みがあり、叩いてからかとも思わせますが海外帰りの大阪杯であれだけ走れたわけですから、調整がより楽だった今回も上位争いは可能。個人的には皐月賞ソールオリエンスにそろそろ本来の走りを期待したいところ。

2番人気となりそうなジャスティンパレスは攻め気配で言えば3着だった昨年のほうが明らかによく、今回は正直地味(採点は【6】)。それでも直前に余念なく目一杯に追い込まれた心身の頑健さはこのシチュエーションで評価すべきでしょう。

ベラジオオペラは前走があまりにもよく見えただけに、どうしても物足りなさが先に来ますね(採点は【6】)。それでも中間のCW1F10秒8は脚力、体調良好の証でしょう。

ジャスティンパレス、ベラジオオペラには押さえの△を回します。

3連単は☆までを2列目に置いたフォーメーションを厚く、△2頭が2列目のフォーメは薄く。そう買いたいと思います。

以下、最終結論です。どうぞご参考に!

<調教ライター・西村武輝「宝塚記念」最終結論>

◎4 ドウデュース
○13 ルージュエヴァイユ
▲12 ブローザホーン
☆9 ソールオリエンス
☆10 ローシャムパーク
△3 ベラジオオペラ
△2 ジャスティンパレス

【ワイド】13=4,12,9,10,3,2(6点)
【3連複/フォーメ】4=13,12,9,10=13,12,9,10,3,2(14点)
【3連単/フォーメ】4→13,12,9,10→13,12,9,10,3,2(20点)
【3連単/フォーメ】4→3,2→13,12,9,10,3,2(10点)


---------------------------------

<【重賞深掘りプロジェクト】 調教ライター 西村武輝>
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

---------------------------------
=重賞深掘りPROJECT関連動画=

【宝塚記念2024|血統診断】まさに僥倖!京都開催を追い風にグランプリ制覇だ!


【2024年宝塚記念をデータで的中!】宝塚記念のデータからノーザンファームの野望が見える! ドウデュースとジャスティンパレスの間に割って入る伏兵とは!?


【宝塚記念 2024|馬体診断】デキはドウデュースに匹敵!? 馬場悪化で怖い2頭を『穴』指名! 馬体アナリストが有力馬9頭を解説

--------------------------------------

この記事が参考になった方は
主宰者に「エール」を送ろう!(最大10回)

エール0

この主宰者をお気に入りに登録しよう!
マイページから確認できます

お気に入り登録
競馬サロン TOP

人気主宰者の「重賞」「自信の一鞍」など複数の予想を30日間定額で!

先着800名様限定!
30日間無料キャンペーン実施中

月額コースはコチラ

ただいま30日間
無料お試しキャンペーン実施中!

全コラムが見放題
月額コースはコチラ

月額コース購入に進む

この記事のみをご覧になりたい方はコチラ

単品購入(500pt)に進む

本記事は単品購入限定となります

PAGE TOP