【競馬サロン】読者の皆さん、こんにちは。

調教ライター・西村武輝です。

秋開幕2週目はお腹いっぱい競馬が楽しめる3日間開催！

中日にあたる日曜、中京で開催されるのは秋華賞トライアル「ローズS」ですね。

紫苑Sの地位向上に伴い、やや前哨戦としての重要度が下がり気味……かもしれませんが、それでも昨年はマスクトディーヴァ、ブレイディヴェーグとここでワンツーした馬がのちのGIで勝ち負け。今年もそんなハイレベルな戦いに期待しましょう。

調教面で確認したいのはやはり実績勢が先を見据えつつどの程度まで仕上げてきたのか、夏の上がり馬は疲れをどこまでケアできているのか、そのあたりを見極めたいところ。

まずはシンプルに調整過程と動きの部分での気配評価、採点を行った以下のレポートをご確認ください。週末にはこの「調教診断」を軸として調教ライター・西村武輝の「印・見解・買い目」を公開する重賞の最終結論コラムもお届けいたします。こちらもどうぞご期待ください。

それでは「ローズS」全頭追い切り診断となります。

●9月15日　ローズS（GII、中京、芝2000m）
　
■オーロラエックス　助手騎乗　栗東坂路単走　走路が混雑しており序盤は進路を探しつつだったが、上々の操縦性から加速。促されたラストでは力強い掻き込みから、まずまずの伸びを見せた。体質面を考えてか馬なりオンリーなのはどうかも、持てる力は出せる状態。【6】

■カニキュル　菊沢師騎乗　美浦ウッド単走　中京への輸送を考慮し、単走でリラックスさせて走ることを主眼に置いた内容。序盤はやや集中を欠く素振りもあったが、直線では意図した通り体を伸びやかに使って伸びることができていた。1週前は準オープン馬2頭を相手に追走先着。ほぼ万全では。【7】

■クイーンズウォーク　助手騎乗　栗東坂路単走　2週続けてCW5F65秒台を出しており、今週は確認程度。緩いペースのなかミスステップもあったが、泰然としてすぐさま体勢を立て直し加速を続けられたあたり、精神面はかなりいい状況だろう。オークス以来でも持てる力をフルに出せる。【7】

■サフィラ　助手騎乗　栗東坂路単走　1週前に終いだけとはいえ強い負荷を掛けられオープン馬エアファンディタを圧倒。これが実質の最終追いで今週は折り合い重視の内容をこなした。あと少し気迫を出して欲しかったところだが、終始素軽く柔軟な脚捌きから加速はできていた。走れる状態だろう。【6】

■ザブライド　助手騎乗　栗東CW単走　序盤から意識的に速いラップを刻む意欲的な調整。首を上手に使い活気十分の雰囲気で進んで行くと、外目へ誘導された直線でも躍動感あふれる動きから豪快に伸びた。1週前にラスト1F10秒台の脚を繰り出しているし、4カ月半ぶりを感じさせない好仕上がり。【7】

■サンセットビュー　助手騎乗　栗東坂路単走　終い重点ではあったが序盤に鞍上がおっつけ気味だったようにやや前進気勢に乏しさはあったし、ラストの伸びも一本調子。それでも最後まで体はブレず、一定の素軽さを保って駆け抜けている。夏場の連続中2週だが、この馬なりに順調さをキープ。【6】

■セキトバイースト　助手騎乗　栗東坂路単走　1週前に強い負荷を掛けられたのが実質の最終追い。今週は息を整える程度の軽い調整に留まった。テンションの高さがやや気になるものの、最後まで馬なりのまま登坂しラストは自然に体を沈めて加速できていた。今春のルーティンだったCW最終追いから坂路に切り替えたあたりがどうかだが、自分の競馬はできそう。【6】

■タガノエルピーダ　助手騎乗　栗東CW併せ馬　直線で左右2頭が迫ってくるとそれに呼応してギアを上げ加速。格下2頭相手とはいえ、追い比べを制して最先着を果たしている。1週前、日曜追いとやや重苦しさがあったようだがこのひと追いで万全の状態に仕上がったか。【7】

■チェレスタ　西村淳騎手騎乗　栗東坂路単走　1週前のCW追いで速い時計を出しており、今週は坂路で終いだけ重点の内容。ブレの少ないまとまりのあるフォームで登坂し、ラストも加速ラップで締めくくっていた。あと少し切れて欲しかったが、力を出せるデキだろう。【6】

■ハワイアンティアレ　助手騎乗　栗東CW併せ馬　大きく先行させた2歳未勝利を追走。コーナーワークで差をグッと詰めて併走に持ち込むが手応えは劣勢。口を割ってやや苦しげではあったが、気持ちの強さでクビほど抜け出しての先着としている。やや見栄えは悪いが、強い負荷を掛けることができたこと自体は評価していいだろう。デキ落ちはなく順調。【6】

■フレミングフープ　助手騎乗　栗東CW単走　1週前に猛時計を出しており、今週は単走で終い重点の内容。直線の入り際で一瞬バランスを崩しかけるがスッと体勢を整え素軽く加速する。ラストは促しへ鋭く反応し重心をグンと沈めて鋭く切れた。前走快勝の反動はいっさい感じられず、気配急上昇と言っていい。【8】

■ラヴァンダ　助手騎乗　栗東坂路併せ馬　3馬身先に行かせた2勝クラスへ坂の手前で取り付いていく。序盤は若干だけ力むも、追い比べで加速していくに従い気持ちをグングンと乗せ、ラストは切れ勝ちして1馬身の先着を果たした。1週前CWでの動きも申し分なく、4カ月ぶりを感じさせない好気配。【7】

■ラビットアイ　助手騎乗　栗東CW単走　1週前にCW5F64秒台の猛時計を出しており、今週は70-40の調整程度。序盤に脚を溜めたほどの伸びやかさはなく、ややこじんまりとした走りに終わっていたが、素軽さはまずまず。良化の余地を残すものの、悪くない状態だ。【6】
　
■レガレイラ　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　“木村厩舎流”のいつもの3頭併せ。抜群の折り合いで進んで行き、直線では年長のオープン馬2頭の間に陣取る。3歳牝馬というのをまったく感じさせない貫禄たっぷりの走りを披露。最後は自然と切れで優り、それぞれにクビほどの先着とした。1週前は内を回ったにしてもウッド5F64秒4（強め）と自己ベストを更新しているし、前哨戦としては文句なしのデキ。【7】

■レディーヴァリュー　永島騎手騎乗　栗東坂路単走　馬体維持が念頭にあるようで軽めの調整。混雑した走路でもリズムを保って走れていたのはいいが、手前を替えてからの伸びはいささかパンチを欠いた。よくて平行線か。【5】

＜追い切り評価＞は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価（10が最高、1が最低）です。