【競馬サロン】読者の皆さん、こんにちは。

調教ライター・西村武輝です。

今週末は牡牝3冠最終戦に向けてのトライアルGIIが2鞍開催。

3日間開催の3日目月曜日、中山で行われるのが菊花賞トライアル「セントライト記念」ですね。

菊花賞トライアルという立ち位置であり、くわえてここから天皇賞・秋など古馬が待ち構えるビッグレースに進む馬たちも多数送り出してきた、まさに秋競馬序盤戦の最注目レース。

調教面ではやはり夏稼働組の状態推移をまずはしっかり確認し、休み明け組に関しては本気度を見極めたいところです。

まずはシンプルに調整過程と動きの部分での気配評価、採点を行った以下のレポートをご確認ください。週末にはこの「調教診断」を軸として調教ライター・西村武輝の「印・見解・買い目」を公開する重賞の最終結論コラムもお届けいたします。こちらもどうぞご期待ください。

それでは以下「セントライト記念」全頭追い切り診断となります。

●9月16日　セントライト記念（GII、中山、芝2200m）
　
■アスクカムオンモア　西塚騎手騎乗　栗東坂路併せ馬　1勝クラスに早めに取り付き坂の入口から併走。テンをセーブしたため時計は平凡だが、ラストまで優勢の手応えで併入とした。あと少し切れて欲しかったが、体調は悪くなさそう。【6】

■アスクハッピーモア　江田勇騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　内から来る1勝クラスを迎え入れ併走。追い比べから2馬身の先着としたが、これは相手があっさり脱落した感がある。アスクハッピーモア自身の切れはそこまでではなく、反応もいささか鈍かった。芝の重賞ではどうか。【5】

■アーバンシック　石神深騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　2頭を大きく先行させ、これを追走する意欲的な調整。楽な手応えで差を詰めていき、直線では最内へ進路を取る。促されると一気にギアを上げ、2頭を抜き去って最先着のフィニッシュとした。ダービー以来を感じさせない絶好の仕上がり。【8】

■エコロヴァルツ　岩田康騎手騎乗　栗東坂路単走　1週前にCW併せ馬で強い負荷を掛けられたのが実質の最終追い。今週は鞍上との意志疎通を深めることに主眼を置いたような内容だった。ラストの仕掛けには機敏に手前を替え、軽快に加速。久々でも持てる力は存分に出せそう。【7】

■エコロレイズ　横山和騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　1週前、日曜追いと速い時計を出しており今週は相手に合わせるような緩めの調整。4馬身差をあっさり詰めて、仕掛けを敢えて遅らせる余裕から最後はきっちり併入に持ち込んだ。終始バランスのいい走りが好印象。ほぼ万全と言える。【7】　

■コスモキュランダ　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　1週前に目一杯追われておりこれが実質の最終追い。今週は1勝クラス相手に息の出し入れを確認する程度の内容だった。取り付かれた相手もいい加速を披露したが、キュランダはスッと対応。最後まで楽な手応えを保ったまま併入に持ち込んだ。課題のゲートもしっかり練習を積んでいるようだし、いい状態で復帰戦に臨める。【7】

■サルヴェージワーク　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　1週前に速い全体を出しており、今週は終い重点。1勝クラスにアオられたが、この馬なりに力強い脚捌きから伸びて併入とした。稽古駆けしないタイプなりに動けており、負荷も十分。この馬の競馬はできるのでは。【6】

■スティンガーグラス　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　本来は3頭併せの予定が、先行1頭に届かず後方から来た1頭との2頭併せに。見栄えはいささか悪いが、馬なりで全体時計5F67秒6なら悪くない。相手と体が並んでからしっかり気持ちは乗っていたし、前走圧勝の反動はなく依然好調域。【7】

■タガノデュード　助手騎乗　栗東坂路単走　僚馬との併走予定だったようだが、相手が脱落しほぼ単走の形に。これは誤算かもしれないが、気持ちはまずまず乗っており力強い踏み込みから加速ラップで締めくくれていた。反動はなく順調と見ていい。【6】

■タンゴバイラリン　菅原明騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　前後に馬を置き、直線では左右2誤の間に割って入る3頭併せ。緩いペースでも力まずぴったりと折り合って進み、横並びとなった直線では最優勢の手応えを保って加速する。最後は1勝馬に半馬身先着、オープン馬と併入。夏場に稼働しての中4週だが、それをまったく感じさせず高いレベルで安定だ。【7】　

■パンジャ　小林勝騎手騎乗　美浦坂路単走　中1週を考慮し軽めの調整。一定の素軽さはあったし走りのバランスも悪くない。時計面のインパクトはないが、この馬なりに順調と言える。【6】　

■ヤマニンアドホック　辻師騎乗　美浦ウッド単走　1週前の併せ馬である程度の負荷は掛かっており、今週は指揮官を背にリズム重視の内容。序盤は意図した通りゆったりとリラックスして進み、外ラチ沿いに誘導された直線では体を大きく使って伸びた。1週前はオープン馬をアオれており、同様の間隔だった前走時よりいい状態にありそう。【7】　　

■ルカランフィースト　横山武騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　飛ばし気味に進んだ相手を追走しため、序盤から速いラップを刻んでいくことに。結局1馬身ほど遅れ入線に終わったが、鞍上の判断でオーバーワークを避けたもの。懸念視は不要だろう。乗り込みは入念だし、持てる力をフルに出せるのでは。【7】

■ログラール　6助手騎乗　栗東CW単走　1週前に速い全体時計を出しており、今週は終い重点の内容。ややズブさはあったものの、馬場の真ん中で力強く脚を脚を伸ばした。やや急仕上げな感はあるが、このひと追いで態勢整ったか。【6】


＜追い切り評価＞は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価（10が最高、1が最低）です。