このレースを聞いて思い出すのはナカヤマフェスタだ。

クラシックには手が届かなかったものの、早い時期からポテンシャルの高さを示していた馬。この世代は癖馬が多く、個人的には思い入れが強い。ロジユニヴァース、アンライバルド、リーチクラウン……レベルが疑問視される世代だが、残した実績は否定できるものではない。

ナカヤマフェスタについて、私は凱旋門賞を勝つための要素を兼ね備えた馬、という印象を今もなお抱いている。女傑ブエナビスタをねじ伏せた宝塚記念は稍重と力のいる馬場コンディション。その馬場をこなせる下地があったからこそ、欧州の重い馬場にも対応できたのだろう。

あれから14年。

国内で馬券が買えるという状況で凱旋門賞は施行される。

日本馬・シンエンペラーだけでなく、海外馬の分析も重要。多頭数で行われる凱旋門賞はヨーロッパの競馬らしく馬群が凝縮するタフな展開がほとんど。また、このレース特有と言える斤量の恩恵も見逃せないファクターだ。

本命はソジーにすんなり決まった。

凱旋門賞で猛威をふるうA.ファーブル厩舎×3歳馬×前走ニエル賞組。その歴史は古く、1987年の凱旋門賞勝ち馬トランポリノまでさかのぼる。その後もカーネギー、パントレセレブル、サガミックス、ハリケーンラン、レイルリンクと該当馬が続々と勝利。レイルリンクはディープインパクト参戦時の勝ち馬だけに、記憶に残っている方も多いだろう。

パリロンシャン競馬場は【3-0-0-0】と負け知らず。パリ大賞、ニエル賞はいずれも2着馬に1馬身半以上の差をつける完勝だった。直線半ばですでに勝負を決することができる先行力とパワー、そして瞬発力。どれをとっても第103回凱旋門賞勝ち馬の名に恥じるものではない。

さらには馬場状態。

レース当日の天気予報は下り坂。近2走はいずれもそういった馬場での快勝だった。仮にパンパンの良馬場にでもなれば不安材料として挙げられるが、そうでない可能性が高くなっている以上は仕方がない。ここはソジーから予想を組み立てる。

相手本線には同じフランスのアヴァンチュールを。

ヴェルメイユ賞ではブルーストッキングの後塵を拝したが、2着は確保。圧巻だったのは芝2400mのロワイモヨン賞で、直線を向いて一瞬で他馬を置き去りにすると、直線半ばでは大きく後ろを振り返る余裕の勝利。見限るにはまだ早い。

そのアヴァンチュールに先着したブルーストッキングも軽視禁物。

走破時計を単純比較しづらい海外競馬だが、ヴェルメイユ賞の勝ち時計は同日のニエル賞やフォワ賞より2秒以上速い。5月以降、コンスタントに毎月使われている点の消耗度がやや気になるものの、大きく評価を落とすことはできないだろう。

3歳馬ロスアンゼルスも要注意。

凱旋門賞と3歳馬との好相性は言わずもがな。芝2000mの前走は4着も、芝2400mでは【2-0-0-0】と負け知らずだ。愛ダービー勝利時と同じR.ムーアとのコンビ再結成にも注目したい。

最後にシンエンペラーについても触れておく。

国内における同馬の印象は、切れ味勝負に脆さを感じる馬。後半3Fの上がり勝負より残り5Fから徐々にペースアップする展開に適性があると考えている。母父ガリレオの血統背景から、決して道悪がダメとは思わない。激変の可能性を信じつつ、印を打つ。

【パリロンシャン5R　凱旋門賞予想の印】
◎13 ソジー
〇16 アヴァンチュール
▲７ ブルーストッキング
☆14 ロスアンゼルス
△９ ルックドゥヴェガ
△12 デリウス
△10 シンエンペラー
△４ アルリファー
△６ コンティニュアス

【3連複/フォーメ】13＝16,7,14＝16,7,14,9,12,10,4,6(18点)

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