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競馬サロン

血統サイエンティスト ドクトル井上

2024/10/12 18:00

秋華賞2024 最終結論【血統】好相性のハービンジャー産駒に本命 穴のヒントは牝系にあり!

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≪今週の動画・秋華賞≫
▼2強に迫る穴馬&ロマン枠!?





皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。

今週はゴタゴタが酷かった……。いろんな出来事がありましたが、個人的な見解としては公正性の保持に努めるべき立場にもかかわらず通信機器を持ち込んだ人間も、明文化したルールを策定せず、場当たり的にも見える対応で済ませてきた胴元も等しく「どうしようもねーな」という感じ。

胴元さんサイドは「実際にはキチンとルール化できていた」と言うのかもしれませんが、公正性を外部に疑われた時点で賭博の胴元としては0点だと思うので、「どうしようもねーな」という印象は変わらず。厳重注意でも公表した事例(19年のデットーリインスタ事件等)との差を説明していないのは、「似たような事例があり過ぎて隠ぺいしようとしてるんじゃ?」と言われても仕方ないような。

というかツイッターとYouTubeは普通に外部との通信では? 胴元さんは「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」の意味を辞書で引いてみてはいかがでしょう。最初の時点で騎乗停止にしておけば文春砲にも慌てなくて済んだのにね、という感想しかない。

平時から「なくてもいい」のが競馬、動物愛護(※個人的にはこれも色々思うところはあるけれど)やギャンブル依存症等々を考えれば「ない方がいい」にいつ振れてもおかしくないのが競馬なのであって、世の中に疑われるようなことがあればすぐに立場は危うくなります。

競馬廃止になったシンガポールの出来事は決して対岸の火事ではない、と私を含めた競馬に携わるもの全てが改めて認識すべき時なのだろうと思うわけです。市井のファンも「是は是、非は非」でキチンと批評できるだけの知識を身につけるよう努めたいもの。きっとそれが競馬の改善、ひいては未来の日本競馬の存続に繋がると思うので。

さて、この記事では日曜日の京都メイン・秋華賞の最終結論をば。

考察
内回りで直線が短いのに差しが届くのが秋華賞。近10回の京都開催の秋華賞で、中団からレースを運んだ馬が9勝を誇る。4角10番手以下からもバンバン馬券に絡む馬が現れているように、前より後ろで考えたいレースだ。

チェルヴィニア
父はハービンジャー、母チェッキーノはフローラSの勝ち馬で、オークスでもシンハライトの2着に好走。伯父に東スポ杯などを制したコディーノがいる血統。運動神経の良い真っ当な中距離馬という配合の印象。

桜花賞は休み明けの大外枠で前に壁を作れず、締まったペースなのにガツンと引っかかってしまったのが敗因で、それを修正したオークスは出遅れながら大外からズバっと差し切り勝ち。アルテミスSで見せた脚力を証明する形となった。

京都開催の秋華賞におけるハービンジャー産駒は【1-0-1-1】で、サンプル数は少ないながら好走馬が複数出現。また同産駒は改装後の京都芝2000mでは、2着が異様に多いとはいえ、高い連対率&複勝率をマークしており、軸としては十分に狙いが立つ。

懸念材料を挙げるとすれば、薄いとはいえ気難しさを伝えるオリオールの7×7があるため、揉まれるような競馬になったときにどうかという点。うまく直線で外に持ち出せれば良いのだが。

ステレンボッシュ
エピファネイア×ルーラーシップ×ダンスインザダーク×ウインドインハーヘアという配合どおりの大箱向きの本格派。実馬を見ても胴と脚の長いスラっとした体形で、血統の良いところが素直に出ている印象。

確かにオークスこそチェルヴィニアの2着に敗れたが、勝負どころでスムーズに捌けなかった分の差。決して力負けではない。

とはいえやはり気になるのは、秋華賞は京都の内回りコースが舞台という点。ステレンボッシュは外回りの長い直線でノビノビと脚を伸ばす形に強みがある配合で、馬体や走りからもそれは明らか。

小回りで窮屈な走りを強いられると、コーナリングで力をロスしてしまわないだろうかという点が気がかり。実際に中山1600mが舞台だった2歳のサフラン賞では、休み明けで大幅に馬体が増えていたのはあるにせよ、その後サッパリ振るわないスプリングノヴァにハナ差とはいえ遅れを取った。大外枠のロスを含めてなかなか乗り方は難しそうな点は引っかかる。

チルカーノ
父はハービンジャー、母は秋華賞&エリザベス女王杯で3着の実績があるアロマティコ。半兄に皐月賞馬のジオグリフがいる。

ハービンジャー×キングカメハメハは有馬記念馬ブラストワンピースやエリザベス女王杯を制したモズカッチャンと同じ好相性の組み合わせで、チェルヴィニアもここに含まれる。

またチルカーノが属するペルースポート牝系は、直線平坦コース巧者、コーナー4つの中距離巧者が多いのが特徴で、サンバレンティン(七夕賞、福島記念)やオーバーザウォール(福島記念)など、平坦直線コースの中距離だけでメシを食う方々が少なくない。

兄のジオグリフは直線に急坂のある中山で皐月賞を制したが、札幌2歳Sで強い勝ち方を見せ、札幌記念でも惜しい2着に好走したあたりはさすがペルースポートという感じだ。

加えて春の京都で開催される1勝クラスの特別戦・矢車賞の勝ち馬は、ディアドラ(17年1着)やソフトフルート(20年3着)、そしてチルカーノの母アロマティコ(12年3着)のように秋華賞と相性良し。"ロマン枠"で印を回したい1頭だ。

コガネノソラ
コガネノソラが属するコスモチェーロの牝系は、牝祖エイプリルワンダーがフェアトライアル≒フェロッシャー2×2という強烈なニアリークロスを抱えるため、ここからフェアトライアル的な機動力をしっかり受け継ぐのが特徴。

加えてコスモチェーロはフサイチペガサスからヘイローを引くため、サンデーサイレンス系との配合でもれなくヘイローのクロスも発生する。ただでさえ機動力寄りの牝系なのに、ヘイローの素軽さも加わることで、内回り・小回りの窮屈なコーナーをスイスイ走れる馬がさらに出やすくなる恰好。

また父ゴールドシップは母父ロージズインメイとの組み合わせが好相性。牝馬が強いパターンでもあり、オークス馬のユーバーレーベンやクイーンS2着のウインピクシスなどがこのパターンを踏襲していた。

外々を回って差し切ったクイーンSは着差以上に強い内容だったし、差し馬が強い秋華賞にあって脚を溜められる脚質は魅力的。一発大仕事の期待も。

秋華賞の最終結論
◎5 チェルヴィニア
○14ステレンボッシュ
▲8 コガネノソラ
☆7 チルカーノ
△2 ミアネーロ
△1 ホーエリート
△11ランスオブクイーン
△9 アドマイヤベル
△3 クイーンズウォーク

【3連複/フォーメ】5=14,8,7=14,8,7,2,1,11,9,3(18点)
【ワイド/フォーメ】8,7=5,14,8,7(5点)


チェルヴィニアから入る。コース相性の良いハービンジャー産駒で、牝系も名門・ハッピートレイルズ牝系。内回りに対応できる運動神経の良いファミリーでありここは素直に。

ただ、もう少し外枠ならアタマでとも思っていたところ、この枠なので捌き切れず・差し届かずの危険性も。なので馬券は3連複で。

ステレンボッシュは陣営のトーンが控えめなのが気になるものの、地力はチェルヴィニアと甲乙つけがたい。とはいえ枠も気になるし、チェルヴィニアよりは下の評価に。

コガネノソラ、☆チルカーノが"心の本命"。この2頭が馬券になってくれるようだと、配当ハネが見込める。

馬券は先述したように◎チェルヴィニアからの3連複が本線。◎○からクイーンズウォークの目は切っても良かったが、元返しになるよう配分して押さえることに。ここはガミったらしょうがない。加えて"心の本命"の▲コガネノソラ、☆チルカーノから印上位へのワイドを買っておこう。

<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上

在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【DATA診断・秋華賞】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ


【調教診断・秋華賞】調教ライター・西村武輝


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