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調教ライター 西村武輝

2024/10/12 18:00

秋華賞2024 最終結論【調教】2冠目を掴むのはパワーアップ顕著なこの馬だ!【重賞深掘りPROJECT】

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「秋華賞」全頭追い切り診断動画はこちら!

【秋華賞 2024|調教診断】春の2冠ホースの評価に明暗 そして春GI大敗の穴馬を【S評価】!

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今週末から秋のGIシリーズが再開。日曜日に京都競馬場で牝馬3冠最終戦「秋華賞」が開催されますね。

まずは桜花賞馬とオークス馬の激突に注目。2冠目をどちらが掴むのか……というところですが、もちろん“第三の馬”の逆転戴冠があっても驚けません。

調教傾向は京都開催だった過去5回(2023年、2020-2017年)の馬券対象馬15例から見ることにします。

最終追いはウッドが7例、坂路が8例で拮抗。

坂路組8例のうち坂路オンリーは4例で、残り4例がコース併用でした。ウッド7例のうち6例が坂路併用調整で、全体の傾向としてはやはり併用調整で総合力をしっかり高めることが肝要なようです。併せ馬は15例中11例が中間どこかでこなしており、4例が単走オンリー。併せ馬経験が望ましいところですが、2018年2着ミッキーチャームなど気性面の都合上、単走調整で結果を出してきた馬なら単走オンリーでも、というところ。

また最終追いでの調教負荷は13例が「馬なり」で「一杯」が2例。これも2例のうち1例はミッキーチャームで、北海道シリーズ3連勝と覚醒した素質馬が中9週で挑む初重賞挑戦、打倒アーモンドアイを念頭にオーバーワーク上等のハードトレで臨んだものでした。結果はアーモンドアイ3冠達成を許す完敗も、キャリアで最高の走りができたのでは。翌年重賞で2勝を挙げますが、相手関係を考えればそう言っていいでしょう。

原則は直前リラックスして馬なりで調整された馬が優位。

以上を踏まえ、まずは「秋華賞」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。

■クイーンズウォーク【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 先週川田騎手を背にCWで速い時計を出したのが実質の最終追い。今週は坂路単走でリラックスさせることに専念するような内容をこなした。時計は平凡も踏み込みは力強く、ブレの少ないシャープなフォームで駆けていたのは好感。デキ落ちはなく、高いレベルで安定だ。

■コガネノソラ【7】
助手騎乗 美浦ポリ単走 1週前にウッドで強い負荷を掛けられたのが実質の最終追い。輸送を控えた今週はポリで14-14程度の内容消化に留まった。とはいえ2頭を外からマクり、実戦感覚の維持にも努める。格下相手とはいえ、気迫満々に楽々抜け出し最後は流して併入。1週前の動きは申し分なかったし、持てる力をフルに出せそう。

■タガノエルピーダ【7】
団野騎手騎乗 栗東坂路併せ馬 序盤は折り合いに専念し、終いにしっかり負荷を掛けるメリハリを意識した内容。並んでから若干だけ手応えで見劣ったが、仕掛けに力強く反応し手前をスッと替えると1馬身抜け出しての先着を果たした。CWから坂路最終追いに切り替えたのがどう出るかだが、体調はかなり良さそう。前走時からの上積みは大きく見込める。

■チェルヴィニア【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 前後に馬を置く隊列で入り、直線では左右からタイトに挟む“木村厩舎流”の3頭併せ。上々の操縦性で滑らかなコーナリングで直線に入り、まったくの馬なりのまま重心をグンと沈めて加速していく。結局左右2頭に合わせるようにして楽々と併入。1週前にはウッドの自己ベストを更新するなど、ここまでの乗り込みは順調そのもので、オークス以来となるが持てる力をフルに出せそう。

■チルカーノ【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 軽い調整で仕上がるタイプ。いつも通り14-14ペースで入り、坂の途中で促されると機敏に手前を替えて加速して駆け抜けた。中間は併せ馬3本を消化できており体調面、メンタル面はかなりいい状況のようだ。力関係はどうかも、仕上がりは上々と言える。

■ミアネーロ【8】
津村騎手騎乗 栗東CW併せ馬 前走後に栗東へ入っている。最終追いは同じ秋華賞に出走するステレンボッシュら2頭を追走し、CW3頭併せ。序盤からいい気合い乗りで前2頭に迫っていき、直線半ばで満を持してギアチェンジするとステレンボッシュに対し手応え優勢で併入。もう1頭には大きく先着としている。日曜のCW追いでも速い時計を出せており、体調はすこぶる良好のよう。前走時もいい仕上がりに思えたが、そこから数段上の絶好の仕上がりだ。

■ラヴァンダ【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 1週前にCWで自己ベストを更新したのが実質の最終追い。今週は坂路で終い重点の内容を消化した。混雑したなかでも自分のリズムを崩さず、まとまりのあるフォームで登坂。ラストは渋った馬場をものともせず、鞍上の仕掛けに鋭く反応し加速ラップで締めくくった。前走からの大きな上積みを見込める。

▼「秋華賞」全頭追い切り評価はコチラ
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/19854/0/112

調教採点で最高【8】点としたのは、紫苑Sで2着だったミアネーロ。美浦所属馬ですが中間は栗東で調整されており、最終追い含めCWで速いところを2本こなしています。レコード決着に僅差だった前走の反動を感じさせない順調さがまず好感ですし、環境変化の影響を感じさせないのもいい。

最終追いでは直線半ばで満を持してギアチェンジすると並んだステレンボッシュに対し手応え優勢で併入。もとから稽古駆けする馬ではありますが、よく見えた前走時から数段階上のレベルの攻め気配で、デキに関しては文句なしです。

いかにも中距離内回り戦向きな操縦性の高さはフラワーC勝ち、紫苑S2着で証明済み。勝ち負けになっていい。

ただしこれが初の関西圏のレース。前走でだいぶ落ち着いて走れていましたし、早めの栗東滞在で直前の長距離輸送を回避する対策をしているとはいえ、課題のテンション面が本番でどう出るかは未知数で、その分だけ割り引いて対抗まで。

本命はオークス馬チェルヴィニアとします。

春の自己ベストはウッド5F66秒4でしたが、この中間は楽に65秒台を連発。発表された調教後馬体重はプラス16キロも見た目上はまったく太く感じさせず、ほぼ成長分と考えていいでしょう。パワーアップぶりは顕著。

最終追いでは仕掛けを待つ落ち着きを見せ、軽い促しだけでタイトに挟まれたなかスルスルと加速できていました。名門・木村厩舎らしく仕上げに抜かりなし。

「久々で関西圏のレース」は大敗した桜花賞と同様。しかし阪神JF回避の原因となったトモ違和感からの立ち上げという事情があった前回と比較し、今回は予定通りの直行で順調さがまったく異なります。ジョッキーも桜花賞時はムルザバエフ騎手に乗り替わりという事情があった。今回は正パートナーのルメール騎手。右回りだった2週前のウッド追いでは少しだけ口向きの悪さを見せるも、直線で豪快に伸びており、その後1週前、最終追いは左回りでウッド追い。

「水曜ウッド追い」(東京開催時は左回り)というルーティンを崩してまでも右回りを練習、矯正する必要なしというのが陣営の判断でしょう。問題なく能力をフルに発揮してくるはず。2冠目を手にする可能性は極めて高いと考えます。

コガネノソラは51キロと斤量に恵まれたにしても強敵相手のクイーンSで重賞初制覇。ガス欠で大敗に終わったオークスから中9週でしっかり立ち直ってきました。そのクイーンSでは外々を回りつつ折り合って脚を溜め、終いにスッと伸びるというセンスの高さをアピール。

操縦性の高さは特筆レベルで最終追いはいったん先を行き、迎え入れた2頭を外からまた改めてマクり返すという味な内容。どんな位置取りでも折り合って脚を溜められそうで、実戦でどんな走りを見せるか楽しみになる攻め気配でした。▲評価。

ラヴァンダは1週前のCWで自己ベストを更新。最終追いは全体時計こそ地味もラストは稽古駆けする馬らしくスパッと伸びました。混雑した時間帯で落ち着けていたのは好感で、1回使った分しっかりガスが抜けている印象。案外だった前走は自身初めての長期休み明けで、スタート後手が祟り、稍重馬場も明らかに不向きでした。力負けではないと判断。

内で捌きたい馬なのでこの枠は不本意かもしれませんが、上昇度を考えこの評価としました。岩田望騎手の手綱捌きに期待します。

クイーンズウォークは絶好の状態に思えた前走時からは1枚落ちるかなという攻め気配。それでも高値で安定と言ってよく、前走時で522キロの大型馬なら使って悪くなるということは考えにくい。大箱向きの走りなので今回のコーナー4回はどうかも、こちらも川田騎手の手綱捌き次第。押さえます。

不思議と人気にならないタガノエルピーダは自身初の関東圏でどこか上の空だったオークスでの大敗(16着)に目を瞑れば、常にハイレベルな走り。前走・ローズSはプラス12キロとひと夏越して逞しくなった姿を披露。内目の馬場状態が悪いところを通らされてノメった分、勝負どころで置かれましたが、それで4着ならやはり高い能力の証明と言えます。オークスのように気が抜ける面がなかったのも収穫。

中3週を考慮してか、近3走のCWメイン調整から今回坂路オンリーに切り替えたのがどっちに転ぶかですが、2週続けて2F24秒台で走れていたのはいい。最終追いの負荷は「馬なり」ではなく「強め」。それでも4F全体56秒台なら、疲れは残っていないはずです。前々で運べる脚質と枠はマッチしている感。上位争いの可能性は十分あります。

穴ならチルカーノ。ギアを替えてからの鋭い伸び、そして気迫ともに攻めで見せる動きはハイレベルですね。肉体的にはまだ奥がありそうですが、精神面での完成度は高そう。母は秋華賞3着アロマティコ、半兄に皐月賞馬ジオグリフなら血統的にこの条件がドンピシャか。流れ次第で食い込んできていい。

調教採点【6】点組からはランスオブクイーン。ポリで一本調子、併せた新馬に遅れていたため採点は辛くなりましたが、華奢で繊細な馬の中3週だけにセーブすることに徹したものと考えれば許せます。断然人気に支持された前走の自己条件戦を取りこぼすも、渋った馬場が完全にフィットしていなかったため。直線平坦かつ良馬場でこそのイメージがあり、実際に良馬場の夏新潟、そして秋華賞と同じ京都芝2000m(良)でそれぞれ快勝経験あり。今回、良馬場想定ならオークスでの5着を見直すべきでしょう。

【6】点組から桜花賞ステレンボッシュも。2週続けて強い負荷を掛けざるを得なかったあたり、明らかに本調子になさそうです。体調というより、どこかメンタル面で引っ掛かりがあるのかも。とはいえ経験豊富な国枝厩舎の管理馬で、本番までに立ち直ってくる可能性は否定できません。地力は世代ナンバーワン。3連系だけ最後の押さえに。

以下、最終結論です。どうぞご参考に!

<調教ライター・西村武輝「秋華賞」最終結論>
◎5 チェルヴィニア
○2 ミアネーロ
▲8 コガネノソラ
☆12 ラヴァンダ
△3 クイーンズウォーク
△4 タガノエルピーダ
△7 チルカーノ
△11 ランスオブクイーン
△14 ステレンボッシュ

【単勝】5(1点)
【馬連】5=2,8,12,3,4,7,11(7点)
【3連複/フォーメ】5,2=5,2,8,12=5,2,8,12,3,4,7,11,14(29点)
【3連単/フォーメ】5,2→5,2,8,12→5,2,8,12,3,4,7,11,14(42点)


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