【競馬サロン】読者の皆さん、こんにちは。

調教ライター・西村武輝です。今週も前置きなしでシンプルに各重賞の調教採点をお届けいたします。

それでは以下「福島記念」全頭追い切り診断となります。

●11月10日　福島記念（GIII、福島、芝2000m）
　
■アスクワイルドモア　小崎騎手騎乗　栗東CW併せ馬　デビュー前の2歳新馬2頭を外で先導する形。直線入口で迎え撃つが、内2頭の加速にスッと対応できずやや遅れて反撃に出る。ジワッとではあるがしっかり加速し、最後はそれぞれにアタマほどの先着を果たした。まだ完調とは言えないが、長期休養明けを3回使われこの馬なりに良化か。【6】

■アラタ　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　1週前に速い時計を出したのが実質の最終追い。今週は2歳未勝利を先行させ、外からマクる終い重点の調整を行った。相手も直線よく伸び、なかなか取り付いていけなかったが、最後は脚力の違いを示すように併走に持ち込んで併入とした。4カ月ぶりを考えるあとひと追い欲しい感はあるものの、ひとまず走れる状態。【6】

■ウインシュクラン　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　テンション面に課題がある馬で、そこそこの時計で仕上げられる馬。今回の最終追いも70-40ペースで入り、終いだけ軽く伸ばす調整だった。やや重心が高いが、許容範囲。ラストは前を行く別厩舎の馬を視界に入れ、気持ちを乗せて力強く踏み込めていた。まだ良くなりそうな雰囲気はあるものの、この馬の競馬はできそう。【6】

■エンパイアウエスト　津村騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　オープン馬ナチュラルハイら2頭を追走し、直線では最内へ進路を取る。手前を替えなかったのか、やや一本調子ではあったが、素軽さを保って伸び2頭それぞれと併入に持ち込んだ。いまひとつの状態だった前走から4カ月の休養を挟み、大きく立ち直ってきたか。【7】

■ギャラクシーナイト　菊沢師騎乗　美浦ウッド単走　1週前にある程度速い時計を出しており、福島への輸送がある今週は終いの反応を指揮官が確認する程度の内容。序盤はピタッ　と折り合い脚を溜めると、ラストは見せムチへ機敏に反応し鋭く切れた。まとまった休みを取らず走っているが、疲れは感じさせず高いレベルで好調維持。【7】

■クリノプレミアム　助手騎乗　美浦ウッド単走　1週前に松岡騎手が騎乗し気合い注入完了。今週は息を整える程度の内容だった。久々のせいか、コーナリングに若干ぎこちなさを感じさせたが、直線に入ってからは首をリズミカルに使い、素軽く加速できていた。このひと追いでほぼ万全のところまで来たか。【7】

■サトノエルドール　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　1勝クラスを5馬身先に行かせて追走。早めに取り付いて直線に向かうが、並んでからの勢いはやや相手が優勢。結局、相手が合わせてくれたような感じで併入としている。それでも5F全体65秒3（馬なり）と時計は上々の域。さすがに使い詰めの影響がありそうな状況だが、極端なデキ落ちまではないか。【6】

■ショウナンマグマ　助手騎乗　美浦ウッド単走　前進気勢に乏しいのか最終コーナー手前から鞍上が終始おっつけるような状態。直線でもずっとおっつけ通しで、ようやくジワジワと伸びるといった感じだった。変わり身は強調しづらい。【5】

■シリウスコルト　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　エリザベス女王杯に出走するルージュリナージュら2頭を追走。内に進路を取った直線で早めに抜け出しそうになるが、そこでフワッとしてしまい失速。反撃してきた外2頭の勢いに抵抗できず、手応え劣勢でそれぞれに遅れ入線となった。乗り込みは入念で体調は悪くなさそうだが、精神面がまだ整っていないようだ。【6】

■シーズンリッチ　助手騎乗　美浦坂路単走　いい前進気勢を感じさせつつ登坂。若干の重苦しさはあったが、ラストに肩ムチを入れられるとスッと手前を替えて力強く伸びた。5カ月ぶりの前走を使われ、型通り上昇か。【6】

■タガノパッション　助手騎乗　栗東坂路単走　中2週での再東上とあって軽めの調整に留まる。時計は平凡ながら、最後まで馬なりを保って失速せず駆け抜けていた。3カ月ぶりだった前走を使われ、着実に良化。【6】

■ダンディズム　助手騎乗　栗東坂路単走　輸送を考慮し無理をさせない入りだったが、走るモチベーションが高いのか序盤から速いラップを刻んで坂に向かう。走路はかなり混在していたが、ベテランらしく自分の走りに集中。ラストの仕掛けにスッと反応して切れた。4F51秒6（強め）は自己ベスト更新の数字。1週前のCW追いではオープン馬ロードアヴニール（その週のみやこSで3着）をアオれていたし、前走時から気配大幅上昇。抜群の仕上がりにある。【8】

■ドクタードリトル　助手騎乗　栗東坂路単走　1週前に自己ベストを大幅に更新する坂路50秒8（一杯）をマーク。これが実質の最終追いで、今週は終いだけ重点の内容をこなした。坂路は大渋滞状態で追いづらさもあったようだが、苦にせずスルスルと加速。ラストも実戦ばりに馬群を縫うような形で抜け出した。心肺機能は万全で操縦性も上々。好気配だ。【7】

■フェアエールング　助手騎乗　美浦ウッド単走　1週前にウッド5F67秒3（馬なり）と自己ベストタイの時計をマーク。これでほぼ仕上がっており、今週は終い重点の単走調整。ギリギリまで仕掛けを待ち、満を持して追い出されるとまずまずの加速を披露した。溜めた分あと少し切れて欲しかったが、脚質的なものもあるだろう。悪くない仕上がり。【6】

■フライライクバード　西村淳騎手騎乗　栗東坂路単走　1週前のCW3頭併せで最先着。これが実質の最終追いで、今週は鞍上とのコンタクトを深めることに専念したような内容となった。まったく力みを感じさせず、まとまりのあるフォームで軽快に登坂。最後までまったくの馬なりだったが、自然に体を沈めて加速できていた。夏に2回使われた疲れからしっかり回復を果たし、いい状態で走れそう。【7】

■プラチナトレジャー　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　1勝クラスを追走。直線手前で並び掛ける際、相手を威嚇するような感じで若干力んだものの、直線では自分のリズムを取り戻しまずまず軽快に伸びた。このひと追いで走れる態勢は整ったか。【6】※抽選除外

■ベラジオソノダラブ　助手騎乗　栗東CW併せ馬　掛かり気味に速いラップを刻んで進んで行くが、直線では気難しさを出したのか追われての反応はいまひとつ。伸びも一本調子のままだった。見栄えは悪いがいつもこんな感じの馬。順調に追えていること自体は評価していい。【6】

■ホウオウノーサイド　杉原騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　大きく先に行かせた2歳未勝利を追走。直線に入ってもまだ差はあったが、直線半ばで一気にギアを上げ併入に持ち込んだ。1週前の動きも良く、転厩初戦とは思えない上々の気配にある。【7】※抽選除外


＜追い切り評価＞は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価（10が最高、1が最低）です。