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競馬サロン

田原基成

2021/11/27 18:31

【ジャパンC】仕上げにお釣りは一切なし。迷わず本命。/京阪杯/阪神8R/東京7R

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【東京12R ジャパンC】

引退。

この二文字はどうして人を寂しい気持ちにさせてしまうのだろうか。

私には野球をやっていた時期があったのだが、当時のヒーローは松坂大輔。横浜高校で数々の伝説を打ち立てた背番号1の姿はあまりにも眩しかった。高校生で151キロを投げるピッチャーがいるんだ……その日から私が素振りを行う際の“仮想敵”は松坂大輔になった。

そんなスーパースターの引退登板。投じた5球のなかで最高球速は118キロだった。一時代を築き上げた選手がボロボロの姿をファンの前に見せる……斎藤佑樹にも通じることだが「カッコ悪いことが最高にカッコいい」。そう訴えかけるような最期と言えよう。

テイエムオペラオー。
ゴールドシップ。
ブエナビスタ。

それぞれ王者・女王としての責務をはたし現役生活をまっとうした馬たち。ラストランこそ満足のいく結果ではなかったかもしれないが、精魂尽き果てるまで戦い抜いたことに拍手を送りたい。

さて、今年のジャパンCはコントレイルがこの一戦を最後にターフを去る。

コロナ禍で落ち込む状況下に生まれた無敗の三冠馬。現時点で父ディープインパクトが送り出した牡馬の最高傑作といって差し支えない馬が最後の晴れ舞台に選んだのは国際GI・ジャパンCだった。日本屈指の国際派トレーナーである矢作師と凱旋門賞制覇を決してあきらめないノースヒルズグループらしい選択と言えよう。

技術の進歩により競走馬としてのピークが延びた今日、4歳での引退は少々早いのでは……そんな印象を抱く。しかし、ひと昔前まで4歳馬での引退は珍しくなかった。

ディープインパクト。
シンボリクリスエス。
スペシャルウィーク。
エルコンドルパサー。

最盛期の姿をファンに見せたまま引退を迎えた馬たち。種牡馬入り後はGI馬を多数輩出しており、余力残しで競走馬生活を終えることもまた将来を見据えた重要な選択肢であることがうかがえる。

私の本命・コントレイルはいったい、何を残すのだろうか?

シンボリクリスエスやオルフェーヴルのような「まだやれるんじゃ……」と名残惜しさを抱かせるパフォーマンス? 3歳馬に胸を貸す責務をはたし、世代交代を印象付けてしまうパフォーマンス? どちらの想像も間違っていないが、私は矢作師のコメントにその本音が隠されていると思う。

「オーナー、牧場、スタッフ、ジョッキーと、もう一生揺るがないだろうという信頼関係ができた」

言うまでもなく、1頭の競走馬をたったひとりで育てることなどできない。牧場スタッフ、厩務員、調教師、騎手、そしてオーナー。ここでは挙げ切れないほどの人が携わり、無敗の三冠馬を作り上げた。人と人とをつなぐ馬。それがコントレイルが残した財産だ。

デビュー前に球節を痛めたこともあり、常に自身のコンディションと戦ってきた馬。ぶっつけ本番の皐月賞はもとより、GI馬はほぼ例外なく海外に連れていく矢作師が最後の最後まで国内競馬を使い続けた意味は大きい。

「理想に近い血統。ディープ後継馬の真打ちになる」

母ロードクロサイトは矢作師が米国のセリで見出した繁殖牝馬。そうした背景があるからこそ、国際派トレーナー・矢作師がリスクをできるだけ避けるべく海外遠征を断念し、4歳秋に引退という決断を受け入れたのだろう。自らの意思を貫くことも大事だが、柔軟な発想を持ち合わせるのが日本を代表する調教師たるゆえんだ。

コントレイルについて補足すると、1週前追い切りをビシッと仕上げたうえで最終追い切りの坂路3F36秒台、2F23秒台はともに自己ベスト。まさにお釣りなしの究極仕上げだ。「最後の競馬で悔いを残したくないと思い、併せ馬にしました」と当週も究極の仕上げと言えるトレーニングを敢行したリスグラシューを思い起こさせる。これなら大丈夫。

迷いはない。

コントレイルが私の本命だ。

相手本線には3歳馬シャフリヤールを。

今年のダービー馬がこのレースに参戦。毎日杯、ダービーはいずれもレースレコードと高速馬場にめっぽう強く、好天が予想される週末東京は願ってもない馬場コンディションだ。秋競馬で猛威を振るう3歳馬において、間違いなくトップグループに位置する馬。ハナからジャパンCを秋の大目標に設定したローテーションで臨む点を踏まえると、極端に評価は落とせない。

オーソリティも侮れない。

2年連続でアルゼンチン共和国杯を制した馬。特殊距離での好走は東京芝2400mを戦ううえでプラスとは言えないが……57.5キロの斤量を苦にしなかった点、昨年より一段階パワーアップした感のある馬体重は見逃せないところ。前走から継続騎乗で臨むC.ルメール騎乗馬のGI成績は【4-4-1-3】馬券内率75.0%。今秋の東京芝重賞で爆発中のシンボリクリスエスの血を持つ馬でもあり、軽視は禁物だ。

さらには古豪キセキ。

7歳を迎えた古豪。すでにピークアウトしてもおかしくない年齢だが、GI2戦を含めて今年使われた4戦すべてで掲示板内を確保している。逃げ馬不在のメンバー構成にあって、このキャリアでもなお衰え知らずの先行力は大きなアドバンテージ。ジャガーメイルやトーセンジョーダンなど過去のジャパンC好走馬が高齢で再度馬券内というケースもあり、見限るには早計だ。

【東京12R ジャパンC予想の印】
◎2 コントレイル
〇4 シャフリヤール
▲7 オーソリティ
☆5 キセキ
△9 アリストテレス

【単勝】2(1点)
【馬連/ながし】2-4,7,5(3点)
【3連複/ながし】2-4,7,5,9(6点)
【3連単/フォーメ】2→4,7,5→4,7,5,9(9点)


【阪神12R 京阪杯】

連続開催最終週を迎えた阪神芝。セオリーで考えれば外差し馬場なのだが、先週日曜日の後半レースを境に「あれ?」と思うようになってきた。

「前に行った馬で決まったぞ……」
「妙に時計が速いぞ……」

そうした違和感を覚えつつ迎えた土曜競馬。3・4Rに施行された芝レースでその疑念は確信に変わった。3Rは直線最内を突いたハンスが突き抜け、2着アドマイヤジェイも終始インをロスなく立ち回っていた馬。4Rも内枠の先行馬スピリットワールドが抜け出し勝利を飾った。今の阪神は極端に差しが利く馬場ではない。

それを踏まえ、今年の有力馬を分析していこう。

スプリンターズS3着のシヴァージは間違いなく実績最上位。常に後方待機がデフォルトだった馬が前走は5番手追走と、一定の機動力を示した点は収穫だ。とはいえ昨年のこのレースは5着。イン有利馬場の前走が最高の競馬だっただけに、その反動は気に留めておきたいところ。

キーンランドC以来の実戦復帰となるのはレイハリア。4連勝のうち2人気内はゼロと、実績と人気のアンバランス感は否めない。とはいえそのレースぶりは先行馬総崩れの展開をただ1頭押し切るなど、フロック視する要素は見受けられないもの。初の関西圏がどうかも、軽くは扱えないか。

レイハリアと同じ3歳馬のオールアットワンスは?

直線競馬で外枠を引き当てた前走。この馬自身の適性があってこそのパフォーマンスだが、向こう2年は新潟芝1000mで無敵なのでは……と思わせる勝ちっぷりだった。翻って、今回は3走前に馬券外の阪神芝1200m替わり。2走前に先着を許したレイハリアとの比較でもやや見劣りしてしまう。

一長一短の特徴を持つ有力馬たち。別の角度から狙い馬を探したい。

ここはファストフォースから入る。

昨秋は3勝クラスの壁にぶち当たっていたものの、長期休養を挟み馬が激変。CBC賞で圧巻のレコード勝ちをはたすと、返す刀で臨んだ北九州記念も2着を確保。サマースプリントシリーズ王者の称号を手に入れた。

スプリンターズSこそ15着と大敗を喫したものの、当時は自身初の関東圏かつ外にビアンフェ、モズスーパーフレア、レシステンシアと快速馬が揃う厳しいシチュエーション。理想の形をとれなかったことが大きく影響した結果ゆえ参考外で良いだろう。この馬の力はこんなものではない。

夏競馬のパフォーマンスから平坦巧者を連想してしまうかもしれないが、阪神芝1200mは1勝クラスで勝利実績あり。急坂適性は申し分なく、確たる逃げ馬不在のここなら先手を奪えるはず。重馬場にも高速馬場にも対応できる馬場適性の幅を持つ馬で、どちらとも言い切れない今の阪神芝もマッチするだろう。穴妙味は十分だ。

【阪神12R 京阪杯予想の印】
◎7 ファストフォース
〇6 シヴァージ
▲15 レイハリア
☆5 タイセイビジョン
△9 ミッキーブリランテ
△3 ラヴィングアンサー
△13 シゲルピンクルビー
△16 ライトオンキュー
△4 オールアットワンス
△12 アイラブテーラー

【単勝】7(1点)
【馬連/ながし】7-6,15,5(3点)
【3連複/ながし】7-6,15,5,9,3,13,16,4,12(36点)
【3連単/フォーメ】7→6,15,5→6,15,5,9,3,13,16,4,12(24点)


次に、自信の一鞍。

【阪神8R 3歳上2勝クラス】

オーヴァーネクサスは右回りのダートで【2-2-0-0】連対率100%。近2走は不得手な左回りがパフォーマンス発揮を妨げとなった印象だ。外枠の阪神ダートは未勝利戦を勝ち上がったときと同じ条件。スムーズなら大崩れは考えにくい。

【阪神8R 3歳上2勝クラス予想の印】
◎15 オーヴァーネクサス
〇3 ヴァクストゥーム
▲10 ジョウショーモード
☆13 メイショウオーギシ
△2 テーオーポシブル
△9 クインズメリッサ
△1 ワキノクイーン
△5 プロバーティオ

【単勝】15(1点)
【馬連/ながし】15-3,10,13(3点)
【3連複/ながし】15-3,10,13,2,9,1,5(21点)
【3連単/フォーメ】15→3,10,13→3,10,13,2,9,1,5(18点)


最後に太鼓判レース。

【東京7R 3歳上1勝クラス】

アンジェリーブルはこの舞台で2度の現級2着あり。当時の鞍上が横山典弘だったことを考えると、陣営としては変わり身をかけたラストチャンスと言える一戦だろう。オールダートのこの条件は比較的差しが決まりやすい舞台。ここは距離短縮での差し脚に期待する。

【東京7R 3歳上1勝クラスの印】
◎12 アンジェリーブル
〇6 コングールテソーロ
▲7 ブラックパンサー
☆2 ユイノチャッキー
△13 ペガサスターボ
△14 ダイナストーン
△5 ミラーウォーカーズ
△11 トーセンアルル

【3連複/フォーメ】12-6,7,2-6,7,2,13,14,5,11(15点)
【3連複/ながし】12-6,7,2,13,14,5,11(21点)

田原基成のプロフィールはこちら
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