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競馬サロン

齋藤翔人

2021/12/03 20:30

【チャレンジカップ】 未来へはばたく期待のホープを探す一戦

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ステイヤーズSのコラムで先週の振り返りをしていなかったので、ここに書こうと思います。

先週は、なんといってもジャパンカップですね。一言、感動しました。2018年のダービーなど、福永騎手が涙を見せることはこれまでにも何度かありましたが、今回は、いままでのそれとはちょっと違う涙でしたね。

ゴール板を過ぎてから、検量室前でのインタビューまで。涙、涙。管理する矢作調教師も涙。そこには、嬉し涙や惜別の涙。そして、最後に再び勝たなければならないというプレッシャーから解放された安堵の涙など。様々な意味が詰まっていたと思います。

特に、安堵の涙が占める割合は、大きかったのではないでしょうか。なにしろ、史上三頭目となる無敗の牡馬三冠馬です。しかも、シンザン以降、戦後の牡馬三冠馬はすべて、古馬混合のGIにも勝利しています。一方、コントレイルは、昨年のジャパンカップで初黒星を喫して以降、未勝利でした。

雨に祟られた大阪杯や、スタートの駐立が悪かった天皇賞・秋など。明確な敗因があったとはいえ、少なからず出始めていたその実力を疑う声。おそらく、関係者の耳にも入っていたことでしょう。レース後、ウイナーズサークルで行なわれたインタビューで、福永騎手が「この馬は本当に強いんです」と話したところからも、そのあたりが見て取れました。もちろん、ジャパンカップを通じて、その言葉どおりの強さは、間違いなく見る側に伝わりました。そして、引退レースで勝ったところには、あまりに大きな意義があると思います。

2012年以降のダービー馬は、その後、古馬混合のGIをなかなか勝利できていません。コントレイルは、レイデオロに続く2頭目。また、ダービー馬でジャパンカップを制したのはウオッカ以来12年ぶり。牡馬のダービー馬となると、父のディープインパクト以来、実に15年ぶりの快挙です。同じ東京芝2400mで行なわれるといっても、この2レースを両方勝つということが、いかに難しいかの表れでしょう。

そしてこの勝利により、コントレイルはキズナと並ぶ、ディープインパクトの主たる後継種牡馬、王道のラインとなる可能性が高まりました。種付け料は、初年度としては破格の1200万円。にもかかわらず、既に満口だそうです。サンデーサイレンス系、最大の武器である瞬発力やキレ味が、特に牡馬にしっかりと伝われば、種牡馬コントレイルがトップを獲る日も、そう遠くはないでしょう。

それでは、振り返りはこのくらいにしておいて。土曜日、阪神のメインレースはチャレンジカップ。その名のとおり、チャンピオンに挑戦するチャレンジャー候補を見つけるレースです。

昨年このレースを勝ったレイパパレは、4ヶ月後の大阪杯で、コントレイルとグランアレグリアという、牡・牝馬の2大チャンピオンを撃破。わずか6戦目、しかも無敗でGIを勝利するというウルトラC級の離れ業をやってのけました。

今年のメンバーにも、将来有望な若手のホープがいる一方で、古豪のGI馬も出走。11頭立てと少頭数ではあるものの、多彩なメンバーが揃いました。

ここでは、そんなチャレンジカップの過去5年の傾向を紐解き、予想を組み立てたいと思います(なお、2016年は芝1800mで行なわれています)。

(1)馬齢
(2)キャリア
(3)前走着順
(4)前走人気
(5)前走間隔
(6)前走4コーナーでの位置取り
(7)前走上がり

チャレンジカップで重視したい指標は上記の7つですが、わりとはっきりした傾向が出ています。まずは(1)の、馬齢について。
チャレンジカップは、3歳馬が強いレース。[4-0-2-4/10]という成績で、勝率40.0%、複勝率60.0%。単勝回収率252%、複勝回収率148%。的中率、回収率とも文句のない数値です。

続いては、(2)のキャリア。
(1)にも関係しますが、チャレンジカップはこれまでの消耗が少ない馬が強いレース。キャリア20戦以下の馬が[5-4-4-18/31]と好走馬の大半を占め、これだけでも複勝率41.9%、複勝回収率は106%です。

特に、キャリア10戦以下だと[4-0-3-4/11]で、勝率36.4%、複勝率63.6%。単勝回収率229%、複勝回収率154%。(1)の指標以上に、素晴らしい成績を収めています。

次は、(3)の前走着順について。
チャレンジカップは、前走好走馬が引き続き好走するレース。まず、前走5着以内だった馬が[4-4-3-19/30]で、これだけでも複勝率36.7%、複勝回収率は112%あります。

さらに、前走1着馬に限れば[3-3-1-4/11]。勝率27.3%、複勝率63.6%。単勝回収率81%、複勝回収率154%と、これも的中率、回収率ともに文句なしの数値です。

(4)は、前走人気について。
当レースは、前走人気も重要。中でも、前走3番人気以内だった馬は[4-4-2-7/17]。勝率23.5%、複勝率58.8%。単勝回収率143%、複勝回収率150%と素晴らしい成績。

さらに、前走1番人気馬は[3-2-2-3/10]勝率30.0%、複勝率70.0%。単勝回収率90%、複勝回収率168%と、超のつく好成績です。

どんどんいきましょう。(5)は、前走間隔です。
過去5年の好走馬の大半は、中3週から中8週の馬。ここに、今回5枠から8枠に入った馬という条件をつけると[3-1-3-13/20]。勝率15.0%、複勝率35.0%。単勝回収率98%、複勝回収率115%。ここまで出てきた指標に比べるとやや落ちますが、サンプル数は多く、信頼できそうです。

(6)は、前走4コーナーでの位置取り別成績です。
チャレンジカップは、阪神の内回りコースを使うため、前走で先行していた馬が強さを発揮しています。中でも、前走4コーナーで3番手以内だった馬は[3-2-1-11/17]。勝率17.6%、複勝率35.3%。単勝回収率127%、複勝回収率111%。複勝回収率はやや物足りませんが、サンプル数は十分にある指標です。

最後は、(7)の前走上がりについて。
当レースでは、長くいい脚を使えることが好走の条件。数は少ないものの、前走上がり2位以内だった馬は[1-3-0-4/8]。勝率12.5%、複勝率50.0%。単勝回収率33%、複勝回収率155%。複穴が出ています。

ということで、今回はこれらの指標を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとしました。

◎1  ジェラルディーナ
○11 ソーヴァリアント
▲5  スカーフェイス
☆6  ヒートオンビート
△4  マイネルウィルトス
△9  アルジャンナ
△7  ペルシアンナイト
△10 モズナガレボシ



【買い目】

・馬単マルチ 1=11、5、6、4、9、7、10 計14点
・ワイド 1→11、5、6、4、9、7、10 計7点
・3連単フォーメーション 1、11→5、6、4、9、7、10→1、11 計12点


本命は、ジェラルディーナにします。前走1番人気1着の3歳馬で、キャリア9戦。的中率と回収率が伴う(1)(2)(3)(4)の指標プラス、(7)にも該当しています。不安な点は、前走外回りコースで勝利していること。今回は機動力が求められる小回りコースで、古馬混合の重賞。小倉で連勝しているとはいえ、そこが少し気がかりで、なおかつ馬券は売れそう。妙味は、さほどなさそうです。

対抗のソーヴァリアントは、菊花賞を回避してここから再始動。条件戦の勝ち方を見る限り、この馬も将来有望なのは間違いありません。一方、馬券の妙味がありそうなのは、スカーフェイスとペルシアンナイトあたりでしょうか。

馬券は、いつもの馬単マルチとワイドに加え、印上位2頭を1、3着にし、相手を2着に挟み込んだ3連単フォーメーションを買います。

将来有望な3歳馬vs歴戦の古馬たちという図式のチャレンジカップ。ここで3歳馬が勝てば、昨年のレイパパレのように、来春行なわれる中距離GIで一気に主役へ、なんてこともあるかもしれません。少頭数ですが、非常に楽しみな一戦です。

それでは、土曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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