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競馬サロン

齋藤翔人

2022/04/30 19:00

【天皇賞・春】 不吉なデータを吹き飛ばし、菊花賞馬が再び逃げ切る!

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先週のコラムにも書きましたが、天皇賞・春が行なわれるゴールデンウィーク中の開催が、年間で最も好きな開催です。暑すぎず、かといって寒くもなく、ちょうど過ごしやすい気温。今年は久々に雲行きが怪しいですが、好天に恵まれることが多く、最高に気持ち良く競馬場で生観戦できる日です。

しかも、この週だけは不思議と馬券の調子が良く、何度か大きな配当を手にすることが出来ました。中でも記憶に残っているのが、フェノーメノが天皇賞・春を連覇したレースで3連複を的中させたこと。もう一つは、キタサンブラックが最初に天皇賞・春を勝った2016年です。
ただ、この年の天皇賞に関していえば、3着のシュヴァルグランを本命にしながら馬券はハズレ。現地で、北島三郎さんの「まつり」を聴けたのは貴重な思い出ですが、正直、天皇賞にそこまでの思い入れはありません。

私にとってのハイライトは、6レースの4歳以上500万クラス(現・1勝クラス)。勝ったタマモユウトウセイから、ほぼ総流しの馬単を買い、奇跡的に1369.8倍という万馬券を手にすることができました。高配当の使者は、単勝304倍と全く人気がなかったものの、2着に突っ込んだテイエムジョウネツという牝馬です。

ステイゴールド産駒のテイエムジョウネツは、半兄に重賞3勝のマイネルモルゲンや、オープンの昇竜Sを勝ったシンメイレグルスがいる血統。ただ、ステイゴールドの牝馬らしく小柄で、このときの馬体重はデビュー以来最低の412キロ。前走から14キロも馬体を減らし、なおかつ5戦連続で二桁着順に敗れていたため、人気がないのも当然でした。私自身、なぜこの馬を買っていたのか、いまだに分からないくらいです。

しかし、テイエムジョウネツはこの後も低評価を覆し、激走を繰り返しました。半年後、再び14番人気で2着に好走すると、翌5月には、13番人気ながら勝利し500万クラスを卒業。さらに、昇級初戦の次走も11番人気で3着に好走すると、その1年2ヶ月後には9番人気で900万クラスを勝利。6歳秋、ついに準オープンクラスまで上り詰めたのです。また、この頃には馬体もすっかり成長し、470キロ台で走ることもありました。

その後、準オープン・3勝クラスの壁を突破することはできませんでしたが、2019年の甲南Sで3着に入るなど8歳まで現役を続け、通算成績47戦3勝で引退。昨年のJS秋季繁殖馬セールに上場され、岡田スタッドが落札しました。

果たして、今年どの種牡馬が配合され、どういった子供が産まれてくるのか。産駒のデビューは早くても2025年ですが、今から本当に楽しみでなりません。特定の馬を応援することはさほどない私も、テイエムジョウネツの産駒はしっかり応援しようと思います。

いつもどおり…、予想するレースから話が大きく逸れてしまいました。今回は、長距離ナンバーワン決定戦の天皇賞・春を深掘り調査。過去5年の傾向から重視できそうな指標を探しだし、そこから予想を組み立てたいと思います。

(1)前走クラス
(2)前走4コーナーでの位置取り
(3)前走斤量
(4)前走の馬体重
(5)生産牧場
(6)前走人気
(7)キャリア

過去5年の天皇賞・春の傾向から重視できそうな指標は、上記の7項目。まずは(1)。前走のクラスです。

以前ほど荒れなくなった、近年の天皇賞・春。3着内に好走した馬は、すべて前走GIかGIIに出走していました。その中でも、前走9番人気以内、かつ4着以内だった馬は[5-4-5-20/34]。勝率14.7%、複勝率41.2%。単勝回収率53%、複勝回収率107%と、なかなかの好成績です。

ちなみに、これ以外の条件から好走したのは、2018年のレースで2着だったシュヴァルグランのみ。前年のジャパンC馬で、天皇賞・春でも過去に2着と3着が1回ずつ。1番人気に推されていたとおり、明らかに実績上位の存在でした。

なお、続く(2)と(3)に関しても、この(1)の条件をもとに話を進めます。

(2)は、前走4コーナーでの位置取り別成績について。
(1)の条件のうち、3着内に好走した14頭は、すべて前走4コーナーで7番手以内に位置していました。その成績は[5-4-5-15/29]で、勝率17.2%、複勝率48.3%。単勝回収率62%、複勝回収率126%と、すべての指標がアップ。

後方一気は望みにくい長距離戦。ある程度、機動力がないと厳しいのかもしれません。

続いては(3)。前走の斤量です。
(1)の条件のうち、前走56kgか57kgの斤量を背負っていた馬は[5-3-4-11/23]。勝率21.7%、複勝率52.2%。単勝回収率79%、複勝回収率136%と、該当馬の半数以上が好走しています。

今年の出走馬で、(1)の条件に当てはまったのは8頭。その中で、(2)(3)ともに当てはまらなかったのは、マカオンドールだけです。

(4)は、前走の馬体重。
天皇賞・春で馬券的に妙味があるのは、馬体重が軽すぎず、かといって重すぎない馬。
具体的には、前走GIかGIIに440kg以上480kg以下で出走した馬で、その成績は[2-4-3-18/27]。勝率7.4%、複勝率33.3%。単勝回収率32%、複勝回収率107%と、まずまずでした。

(5)は、生産牧場について。
「絶対王者」ノーザンファームの生産馬は、現在、天皇賞・春を四連覇中。その中でも、前走GIかGIIに出走し、4番人気以内かつ4着以内だった馬は[3-1-3-7/14]。勝率21.4%、複勝率50.0%。単勝回収率100%、複勝回収率120%と、好成績。

今年も、同場の生産馬は大挙6頭が出走しますが、これに該当するのは、(2)(3)に当てはまらなかったマカオンドールだけ。軸にできなくても、相手には入れておいた方が良さそうです。

(6)は、前走の人気について。
天皇賞・春は、前走GIかGIIで1番人気に推されていた馬が強いレース。その成績は[2-1-4-4/11]で、勝率18.2%、複勝率63.6%。単勝回収率45%、複勝回収率129%と、ここまで紹介してきた中で、好走率が最も高い指標でした。

最後は(7)。キャリアです。
消耗しすぎていない馬が強い天皇賞・春。その中でも、関東馬でキャリア20戦以下の馬は[2-1-2-5/10]。勝率20.0%、複勝率50.0%。単勝回収率48%、複勝回収率109%。
サンプル数は少ないものの、好成績を収めています。

以上の7項目を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとしました。

◎16 タイトルホルダー
○9  ヒートオンビート
▲18 ディープボンド
☆17 シルヴァーソニック
△1  アイアンバローズ
△8  クレッシェンドラヴ
△15 タガノディアマンテ
△5  マカオンドール
△11 マイネルファンロン
△10 トーセンカンビーナ
△7  テーオーロイヤル


【買い目】

・馬単マルチ 16=9、18、17、1、8、15、5、11、10、7 計20点
・ワイド 16→9、17、1、8、15、5、11、10 計8点
・3連複軸1頭ながし 16→9、18、17、1、8、15、5 計21点


本命は、単独6項目に該当したタイトルホルダー。以下、4項目に該当したヒートオンビート、ディープボンド、シルヴァーソニックの順に印をつけました。そして、1項目も当てはまらなかったものの怖い存在と判断した、マイネルファンロン、トーセンカンビーナ、テーオーロイヤルにも印を回しています。

文句なしの本命となったタイトルホルダーですが、不安要素がないわけではありません。

まずは、血統。ご存知のとおり、ミスタープロスペクター系種牡馬の産駒にとって、天皇賞・春は鬼門ともいえるレース。サンデーサイレンス系種牡馬の産駒が11連覇しているのとは対照的に、2011年2着のエイシンフラッシュ以来、3着内に好走した馬はいません。
そして、もう一点、気になるのが枠順です。発表された木曜日の14時頃、愕然としたのは私だけではなかったはずですが、8枠16番という、極端な外枠を引いてしまいました。ただ、ディープボンドに至っては、大外18番枠。荒れる今年のGIを象徴するような枠順かもしれません。

とはいえ、タイトルホルダーは23年ぶりに菊花賞を逃げ切った馬。2015年以降、天皇賞・春を勝った馬はすべて菊花賞で連対実績があり、そのうち4頭(キタサンブラックとフィエールマンは連覇)は菊花賞馬です。横山和生騎手が思い切ったレースをしてくれれば、不吉なデータを吹き飛ばしてくれると思うのですが、どういったレース運びをしてくれるのでしょうか。

あと、本当にこれは偶然ですが、テイエムジョウネツの繋養先でもある岡田スタッドの生産馬ということも、ポイントが高いですね(笑)。

馬券は、いつもどおり馬単マルチとワイド。ワイドに関しては、上位人気が予想されるディープボンドとテーオーロイヤルを外しました。

さらに今回は、印上位の馬7頭を相手にした3連複軸1頭ながしも買います。ディープボンドが来ると安くなるので、クレッシェンドラヴやタガノディアマンテなど、ステイゴールドの産駒、もしくはその孫の頑張りに期待します。

最大で10連休の方もいらっしゃるという、今年のゴールデンウィーク。5月7日からは、競馬場も最大3万人が入場可能になるようです。またゴールデンウィーク中は、地方競馬でも、かきつばた記念、兵庫チャンピオンシップ、かしわ記念と、注目のダートグレード競走が目白押し。競馬三昧の楽しい1週間になりそうですね。
それでは、日曜日も、そしてゴールデンウィークも競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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