競馬サロン

2023/05/13 19:00
【ヴィクトリアマイル】実力では引けを取らないナミュール 二冠馬を撃破した舞台で、待望のビッグタイトルを今度こそ……

例えば、ウオッカやアーモンドアイ、グランアレグリアなどが勝利したレース。これら3頭は、およそGIとは思えないほどの楽な内容で後続を大きく突き放し圧勝。見た目の強さという、ある意味、最も分かりやすい方法で、我々に大きな衝撃を与えてくれました。
一方、ストレイトガールが一度目に制した2015年や、アドマイヤリードが制した2017年は大波乱の決着。これら2レースは、断然の支持を集めたヌーヴォレコルトとミッキークイーンが馬券圏外に敗れただけでなく、他の上位人気馬も総崩れに。
替わって激走を果たしたのは、ミナレットとデンコウアンジュという、二桁人気の大穴馬。とりわけ、18番人気のミナレットが激走した2015年の3連単20,705,810円は、今なおGIの中では圧倒的1位で、JRA史上でも6位の高額配当。前述した3レースと性質はまったく異なりますが、これらも、非常にインパクトのあるレースでした。
またヴィクトリアマイルは、4歳vs5歳の世代闘争も見物の一つ。昨年がまさにそうで、ただでさえGI馬が5頭も出走し、さらに18頭中16頭が重賞ウイナー。豪華絢爛という言葉がピッタリのメンバー構成で、レイパパレを筆頭とした5歳勢に、ソダシをはじめとする4歳勢が挑むという図式でした。
さらにそこへ花を添えたのが、繋靱帯炎を発症しながらも、このレースで1年ぶりの復帰を果たした三冠牝馬デアリングタクト。同馬が参戦したことで5歳勢にいっそう厚みが加わり、アニメや漫画の1ストーリーになりそうな世代対決が繰り広げられました。
結果は、ダートから芝に戻ってきたソダシが完勝し、2着ファインルージュと4歳勢がワンツーを決め、偉大な先輩たちを撃破。5歳世代では、レシステンシアが3着を死守し意地を見せましたが、今年はソダシが強力な4歳勢を迎え撃つ立場となります。
一方、今年の出走予定馬で少し残念だったのは、アートハウスとメイケイエールという、4、5歳勢の有力馬が回避してしまったこと。前者は骨折、後者はフレグモーネで、もちろん致し方ないのですが、両馬が参戦していればさらに素晴らしいメンバーとなり、好勝負が繰り広げられたことでしょう。
とりわけ、メイケイエールに関しては後述する好走傾向に複数当てはまり、上位の印を打とうと思っていた馬。回避の報が出た時は、軽く気絶しかけました。しかも、池添謙一騎手のツイッターによると、話題のジョッキーカメラを装着するかもしれないという話もきていたそうで。
最近は以前のようなことも少なくなり、そもそも角度的にカメラに映らない可能性もありますが、道中の挙動が最も気になる現役馬といえば、やはりメイケイエールでしょう。しかも、カメラを装着した馬は好走続き。巻き返しを期待していた私にとっては、なおさら好都合だったわけですが……。
メイケイエールに関してはもう一点。これまでのヴィクトリアマイルは、前走から距離延長で臨んできた馬が、やはり衝撃的というか、鮮烈な勝利を収めてきた印象があります。
奇しくも、ともに藤原英昭調教師の管理馬でフジキセキ産駒ですが、前走1400mでおこなわれていた頃の阪神牝馬Sを制し、ヴィクトリアマイルでは真っ向勝負でウオッカを撃破したエイジアンウインズ。対して、前述した2015年のレースを制したストレイトガールは、高松宮記念13着からの巻き返し。
エイジアンウインズに関しては「1ヶ月半前まで条件戦を走っていた馬が、ダービー馬を負かすかい!」という衝撃。
一方、ストレイトガールに関しては「ハープスターを負かしたヌーヴォレコルトに勝ち、ミナレットも3着に粘るんかい!」という衝撃。
そして、翌年のレースで同馬が連覇した際は、距離延長ローテではなかったものの「二冠牝馬とジャパンC馬にも勝つんかい!!」(ミッキークイーンとショウナンパンドラ)という、これまた特大の衝撃。
言い方が少々乱暴で私の勝手な思い込みかもしれませんが、おそらく2000m前後で活躍してきた馬よりも、スプリント路線を主戦場にしてきた馬を、無意識のうちにやや下に見ているんだと思います。
いくら1600mが舞台とはいえ、ジャパンCを勝った馬よりも、スプリンターズSを勝った馬の方が強いなんて、とてもじゃないけど信じられないという。だからこそ、大きな衝撃を受けるのでしょう。
今となっては、この時期特有の高速決着で求められるのは「絶対的なスピードの差」ではないかと冷静に分析できますが、レースが終わった直後、馬券を外した直後は冷静な分析などできるはずもなく……。ただただ、目の前で起きた現実を受け入れられない自分がいました。
さて、今年は実績馬が大差をつけて勝つのか。それとも、短距離を主戦場としてきた馬が波乱を巻き起こすのか。さらには、マイル路線を中心に活躍してきた馬が、そこへ割って入るのか。
いずれにせよ、衝撃的な決着が今年も見られそうなヴィクトリアマイルの過去5年を深掘り調査。好走傾向を探し出し、そこから予想を組み立てます。
(1)生産牧場
(2)前走着順
(3)前走場所
(4)前走人気
(5)前走の馬場状態
近年の傾向から重視できそうな指標は、上記5項目。その中で、まずは(1)。生産牧場について。
過去5年の3着内馬15頭中、10頭を送り出している「絶対王者」ノーザンファーム。同場生産馬に前走と同じ騎手が騎乗し、なおかつ中5週以上の間隔を開けて来た馬は[3-2-2-5/12]。勝率25.0%、複勝率58.3%。単勝回収率70%、複勝回収率129%と、素晴らしい成績です。
一方、同場生産馬でも、乗り替わりだと[1-0-0-11/12]。かなり苦戦していました。
続いて、(2)は前走着順。
広く知られているとおり、前走1着馬が振るわない当レース。一方、前走2着から7着。なおかつ、前走13頭立て以上、15頭立て以下のレースに出走した馬は[3-2-2-5/12]。勝率25.0%、複勝率58.3%。単勝回収率250%、複勝回収率186%。こちらも、(1)と同レベルの好走率でした。
また、前走阪神牝馬Sに460kg未満で出走し、5着以内の馬も[0-2-3-6/11]。複勝率45.5%、複勝回収率147%と、かなりの好成績でした。
次は(3)。前走場所。
ヴィクトリアマイルは、前走、東京か中山でおこなわれたレースに出走した馬が好成績。そのうち、今回1から7枠を引いた馬は[3-3-0-5/11]。勝率27.3%、複勝率54.5%。単勝回収率150%、複勝回収率174%。素晴らしい成績を収めていました。
(4)は、前走人気です。
前走1着馬が振るわない当レースですが、対して、前走上位人気に推されていた馬はしっかりと結果を残しています。
具体的には、前走重賞かオープンで2番人気以内。なおかつ、今回偶数番を引いた馬は[3-2-0-4/9]。勝率33.3%、複勝率55.6%。単勝回収率134%、複勝回収率106%。複勝回収率はやや低いですが、好走率の高さから外せない指標。
一方、前走5から9番人気。なおかつ、キャリア11戦以上15戦以下の馬も[1-1-1-5/8]。勝率12.5%、複勝率37.5%。単勝回収率242%、複勝回収率186%。十分に狙えます。
そして最後は(5)。前走の馬場状態について。
前走、道悪のレースに出走した馬の健闘が目立つヴィクトリアマイル。前走、重か不良のレースに460kg以上で出走した馬は[2-1-2-4/9]。勝率22.2%、複勝率55.6%。単勝回収率77%、複勝回収率198%。こちらも、超抜の成績です。
これら5つの指標を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとしました。
◎11 ナミュール
○12 ナムラクレア
▲5 スタニングローズ
☆4 アンドヴァラナウト
△8 ララクリスティーヌ
△2 スターズオンアース
△16 ソダシ
△1 ロータスランド
△14 ステラリア
△9 クリノプレミアム
【買い目】
・単勝 11
・馬単マルチ 11=1、2、4、5、8、9、12、14、16 計18点
・馬単ボックス 4、5、12 計6点
・ワイド 11→1、2、4、5、8、9、12、14、16 計9点
・ワイドボックス 4、5、12 計3点
・3連複ボックス 4、5、11、12 計4点
本命候補は、2項目に該当したアンドヴァラナウト、スタニングローズ、ナミュール、ナムラクレアの4頭。いずれも魅力的で悩みますが、ナミュールを本命にしました。
三冠レースに皆勤するも、あと少しのところで栄冠に届かなかったナミュール。勝利自体、チューリップ賞から1年以上見放されていますが、桜花賞以外は大きく崩れていません。
今回は、同じ舞台でおこなわれた東京新聞杯2着以来、3ヶ月ぶりの実戦。ただ、これは昨年2着のファインルージュとまったく同じで、むしろ良いローテーションだと思います。
また、いつの話だと突っ込まれそうですが、やはり東京マイルでおこなわれたデビュー2戦目の赤松賞では、スターズオンアースを撃破。一方、桜花賞ではリベンジされ、自身は10着と崩れましたが、その時は痛恨の大外18番枠。近年の桜花賞は内枠有利で、これはあまりにも痛すぎました。
そして、ノーザンファーム生産のハービンジャー産駒といえば、ノームコアが19年の当レースをコースレコードで制し、翌年も3着に好走。血統面でも推せる要素があり、東京のマイルであれば、二冠牝馬と互角以上に渡り合えるとみます。
馬券は、単勝と馬単マルチ、ワイドを購入。ただ、本命候補となった他の3頭にも魅力を感じるので、保険でこれらの馬単、ワイドそれぞれのボックスを抑え、4頭の3連複ボックスも買います。
ちなみに、これら3頭の中で本命にしようか迷ったのが、アンドヴァラナウトとナムラクレアの2頭。特に、ナムラクレアに関しては、短距離戦から臨む馬の話をしておいて本命ちゃうんかい!と、猛烈に突っ込まれそうですが、私もこの馬に勝たれるのではないかと、既にビクビクしております。
スプリントGIで惜敗した馬が、久々のマイル戦で、二冠牝馬やGI3勝のディフェンディングチャンピオンを撃破して初のビッグタイトル獲得となれば、これまたドラマですね(負けるなナミュール!!)。
それでは、日曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が参考になった方は
主宰者に「エール」を送ろう!(最大10回)
この主宰者をお気に入りに登録しよう!
マイページから確認できます
新着記事
-
SPREAD編集長・山田2025/05/08 20:00
「競馬の真実、見えていますか?」新・馬柱革命!新時代の競馬サイト【Winsight(ウインサイト)】リリースのご案内
いつもUMAJIN.netをご利用いただき、誠にありがとうございます。 スポーツメディア『SPREAD』の編集長であり、現在『競馬サロン』の監修を務めつつ、YouTube『岡...
その他特集 -
684
- 固定記事
-
UMAJIN.net編集部2025/07/20 11:00
【7/20(日)午後の提供レースPICK UP】予想コラムダイレクト一覧
※競馬サロンメンバーシップに加入いただいたことがある会員様には、メルマガに特典情報のご案内がございますので、必ずご確認ください。 皆様、おはようございます! UMAJIN....
その他 -
83
-
ホースエージェント 岡井元憲2025/07/19 23:00
小倉記念2025予想・ヒモ穴激走の高配当ホームランも狙えるわい/函館2歳S/福島10R/福島12R
今日は先週より一転して誠に不甲斐ない結果に終わって申し訳なかったわい。 あすは必ずや重賞含め巻き返します。 「小倉記念」はWinsightでパドックLIVE診断...
印買い目見解その他推奨馬 -
208

人気主宰者の「重賞」「自信の一鞍」など複数の予想を30日間定額で!
先着800名様限定!
30日間無料キャンペーン実施中
月額コースはコチラ
ただいま30日間
無料お試しキャンペーン実施中!
全コラムが見放題
月額コースはコチラ
この記事のみをご覧になりたい方はコチラ
単品購入(500pt)に進む本記事は単品購入限定となります