・ヴァトレニ
前走は【0-0-1-4】と凡走が目立つ中2カ月以上の休み明けローテ。明らかに叩き台と捉えられる一戦だった。洋芝では【4-0-1-0】馬券内率100%。昨年は北海道シリーズに参戦しなかった幸英明がこの馬のために駆けつける点も含め、ここに向けた陣営の勝負気配の強さを感じずにはいられない。

・ヴィズサクセス
11人気の低評価を覆す勝利を挙げた前走。これまで凡走が多かった休み明けでのハイパフォーマンスは評価できるが、勝ち時計は平凡な域を出ない。直線競馬やダートで逃げ切り勝ちを収めた馬が出走するここは前走以上のハイペースが濃厚。再度の好走へのハードルは高そうだ。

・ウォーターナビレラ
オークス以降は復調の兆しがうかがえない。ここも様子見が妥当か。

・カイザーメランジェ
前残りの展開かつ重賞勝利実績がある道悪でも馬券内に届かなかった前走。前走GI組もいるメンバー相手では分が悪いだろう。

・カルネアサーダ
この馬で注目したいのは夏競馬への適性。2021-2022年にかけて夏競馬で複数馬券内歴があり、そのなかには洋芝1200mでの勝利実績も含まれる。得意の季節替わりはプラス材料。何らかの印は必要か。

・キミワクイーン
リステッド競走に替わった前走は2着。内枠からロスなく立ち回る好騎乗で前進をはたした。洋芝は昨年一度だけ使われており、当時は4角3番手から上がり3F最速での勝利。適性の高さは折り紙つきとなればノーマークにはできない。

・サトノアイ
初重賞の前走は18着と惨敗。クラスの壁を感じる内容だったが、今回は1戦1勝と好相性の洋芝に替わる。距離短縮時は4.2.4.1着と大崩れがなく、同馬を管理する須貝厩舎は北海道シリーズの重賞で好走馬を多数輩出。大穴候補の1頭としてケアしておきたい。

・ジャスパークローネ
連勝中の近走はいずれも逃げ切り勝ち。直線競馬で先手を奪えるスピード能力は立派だが、連勝時の馬場は道悪だった。洋芝といえば時計のかかる馬場の代名詞的存在だが、近年は普通に中央場所レベルの時計が出る。同型馬も多いシチュエーションを考えると、連続好走は至難の業か。

・ジュビリーヘッド
昨年のこのレース2着馬。函館芝1200mでは【0-3-0-0】と大崩れがなく、当舞台の持ち時計もこのメンバーでは最上位だ。タフな馬場コンディションが影響した前走は参考外。得意舞台での一変を警戒したい。

・ディヴィナシオン
すでにキャリア40戦以上を誇る馬。中2カ月以上の休み明けは約1年半ぶりだ。間隔のあいたローテーションもそうだが、昨年使われた洋芝は上がり3F最速でも掲示板内を確保できず。個人的には北九州記念あたりで狙いたい。

・テイエムトッキュウ
ダートで良績を残してきた馬だが、芝レースでは3勝クラスで掲示板内なし。同型馬が揃った展開もこの馬向きとは思えない。

・トウシンマカオ
昨年夏からスプリント路線に転身した馬。芝1200mでは5戦2勝という戦績だが、馬券外の3戦を紐解くとキーンランドCとシルクロードSが大外枠、高松宮記念が外枠かつ不良馬場といずれも明確な理由があった。600m通過33秒3の京阪杯で5番手追走ができているように、一定レベルのダッシュ力を兼ね備えている馬。軽くは扱えない。

・ブトンドール
函館芝1200mでは【2-0-0-0】と負け知らず。舞台適性を疑う余地はなく、3歳牝馬と好相性のレース傾向も魅力だが……昨年までの3歳牝馬の斤量は50キロ。ところが今年から斤量52キロに変わり、例年ほどの恩恵を得られない状況にあるのだ。当舞台における勝ち時計は平凡。当時負かした馬にのちの芝重賞好走馬はおらず、適性を加味しても押さえ程度が妥当か。

・ムーンプローブ
この馬で強調したいのはマイル実績。昨年の勝ち馬ナムラクレア、ジューヌエコールなど3歳牝馬で好走した馬にはマイルでの馬券内歴がある馬が目立っているのだ。これまで挙げた2勝はいずれもマイルかつ、函館芝1200mに距離短縮で臨んだモーリス産駒の成績は【4-0-0-4】。そのなかには10人気1着、7人気1着など人気薄激走も多く、初の芝1200mが良い方向に働く可能性は考えておきたい。

・リバーラ
阪神JF→フィリーズRと大敗が続く馬。自分の形である先行策をとったレースでの惨敗には不満が残る。過去に好走してきた3歳牝馬ほどの実績や持ち時計もなく、苦戦は免れられないか。

・レイハリア
フタ桁着順が続く現状。強調材料は乏しい。