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競馬サロン

齋藤翔人

2023/09/09 18:30

【セントウルS】 距離短縮で激変を期待 GIウイナーの意地を見せるかドルチェモア

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突然ですが、今年の日本ダービーを制し、2020年生まれのサラブレッド7,708頭の頂点に輝いたのはタスティエーラでした。

今年のダービーは、ディープインパクトやキングカメハメハの産駒が出走しない「新時代のダービー」。果たして、どの種牡馬の産駒が勝利するのかにも注目が集まりましたが、競馬界最高の栄誉を手にしたのは新種牡馬サトノクラウンの産駒。それまでまずまずの成績を収めていたとはいえ、産駒がデビューした1年前に、サトノクラウンがダービー馬を送り出すと予想していた人はかなり少なかったはずです。

そんなサトノクラウンは、当コラムの書き方にならえばニアークティック系の種牡馬。ただ、現代のニアークティック系種牡馬は大半がノーザンダンサーを介しており、ノーザンダンサー系種牡馬という呼び方が一般的で、同系の種牡馬がダービーを制したのは、メイショウサムソン以来17年ぶりの快挙でした。

また、サトノクラウンの父はマルジュで、その父はラストタイクーン。ラストタイクーンは、マルジュ以外にも、メイショウドトウの父ビッグストーンや桜花賞馬アローキャリーなどを送り出しており、サンデーサイレンス全盛の日本競馬にも、まずまず適応した種牡馬といえます。

ただ、私の中でラストタイクーン産駒といえば、やはりオースミタイクーンをおいて他にはいません。

半兄に、英愛ダービーとキングジョージ6世&QESを制したジェネラス(後に、半妹のイマジンも、愛1000ギニーと英オークスを勝利)がいる超良血のオースミタイクーンは、重賞を2勝。GIタイトルには手が届きませんでしたが、現役時のハイライトといえば、なんといっても97年のマイラーズCでしょう。

前日デビューしたばかりの武幸四郎元騎手(現・調教師)を背に、11番人気の低評価を覆して人馬ともに重賞初制覇。このとき成し遂げられた「騎手デビュー翌日に重賞制覇」という快挙は、ひょっとすると、今後破られない記録かもしれません。

また、同馬を管理していたのは父の武邦彦調教師で、ほぼ同時刻(サイレンススズカの枠入り不良で発走遅れ)にランニングゲイルで弥生賞を制したのも兄の武豊騎手。1997年3月2日は武ファミリーの日となったわけですが、その半年後にオースミタイクーンが勝利したセントウルSもまた、非常に思い出深いレースです。

ところで、このときまだ中学生の私は、GIがおこなわれない開催日でも京都競馬場や阪神競馬場によく繰り出していました。この年は、思い出せるだけでもイシノサンデーが制した雨の京都金杯に始まり、エイシンバーリンが逃げ切った京都牝馬特別。キョウエイマーチが圧勝した大雨の桜花賞。シンコウキングがGI初制覇を成し遂げた高松宮杯(現・高松宮記念)は、すべて現地で観戦。

秋も、このセントウルSを皮切りに、メジロドーベルが二冠を達成した秋華賞。タイキシャトルが華々しくGI初制覇を成し遂げたマイルチャンピオンシップ。エアウイングスが勝った阪神牝馬特別の日もなぜか仁川へ繰り出しており、場内のモニター越しに、スプリンターズSを圧勝するタイキシャトルの姿を、ただ呆然と見ていた記憶があります。

さて、競馬場へ繰り出していたとはいっても、当然馬券を買うことはできません。できることはといえば、連れ立っていった友人との「エア予想」。セントウルS当日に時計の針を戻すと、この日の準メインは夕月特別で、7頭立てでおこなわれた1000万条件(現2勝クラス)の芝2000m戦でした。

このとき本命にしたのは、3歳馬ポットコマンチ。前走、500万条件(現1勝クラス)の平場を3馬身半差で快勝したにもかかわらず、昇級初戦が嫌われたか、6番人気の低評価に留まっていました。

ところが、レースはそのポットコマンチが、後にダートグレード競走を5勝するスノーエンデバーを差し切り優勝。単勝は1,970円となかなかの配当で(もちろん、馬券は買っていません(笑))、このレースをきっかけに、自分の中で眠っていた穴党気質が目覚めたのではないかと思っています。

さらに、メインのセントウルSは、当時ある本を読んで覚えたAB-XY方式で予想。本命Aをエイシンガイモン、本命Bをプレストシンボリ。対抗Xをオースミタイクーン、対抗Yをスギノハヤカゼとしました。

ご存知のとおり、AB-XY方式というのは、A-X、A-Y、B-X、B-Yといったかんじで、上位人気馬から穴馬へとながす予想スタイル。のはずが、当時の私は何をどう勘違いして覚えたのか、A-B、A-X、B-Y、X-Yという買い目にしてしまったのです。

すると、なぜかこの「エア予想」が上手くはまり、8番人気オースミタイクーンが1着。7番人気スギノハヤカゼが2着と最高の結果に。馬連は9,140円とかなり良い配当(繰り返しますが、馬券は買っていませんし、買えません(笑))で、穴党として完全に「目覚めて」しまったのが、97年のセントウルSでした。

最後に、ラストタイクーンに関してもう一つ。この馬の大きな功績として忘れてならないのは、母の父としてキングカメハメハを送り出したことでしょう。

今後、サトノクラウン系がタスティエーラを通じて枝葉を広げていく可能性は十分にあり、そうなれば、ラストタイクーンの名前も血統表に残っていきます。対して、キングカメハメハは既に多数の後継種牡馬に恵まれており、この場合、ラストタイクーンの直系とはなりませんが、それでも同馬の名が血統表から消えることは、少なくとも十数年先までないはず。

サンデーサイレンスやトニービン、リアルシャダイのように、国内で複数のGIウイナーを送り出し、リーディングサイアーに輝いた一流種牡馬だったわけではありません。それでも、ラストタイクーンが日本競馬に与えた影響は非常に大きかったといえるでしょう。

それでは予想に。

今回は、1番人気が7連覇中、11年連続で連対しているセントウルSの過去5年を深掘り調査。重視できそうな指標を探し出し、そこから軸馬を見つけます。

(1)前走着順
(2)種牡馬の系統
(3)前走クラス
(4)前走距離
(5)前走4コーナーの位置取り
(6)前走からの間隔
(7)馬齢

近年の傾向から重視できそうな指標は、上記7項目。その中で、(1)は前走着順です。
セントウルSは、近走好調馬が結果を残しているレース。具体的には、前走4着以内かつ当時の馬番が7から18番。さらに、前走から斤量が減るか増えた馬が[3-2-3-5/13]。勝率23.1%、複勝率61.5%。単勝回収率60%、複勝回収率118%と、素晴らしい成績。

一方、前走6着以下に敗れてしまった組は、関西馬、なおかつ前走3コーナーで4番手以内に位置していれば[2-2-2-7/13]。勝率15.4%、複勝率46.2%。単勝回収率37%、複勝回収率137%。近走好調馬ほどではありませんが、半数近くが巻き返しに成功していました。

(2)は、種牡馬の系統について。
短距離戦で本領を発揮するのが、ミスタープロスペクター系を中心とするネイティヴダンサー系種牡馬の産駒と、ナスルーラ系種牡馬の産駒。その中でも、牡・せん馬は[3-2-1-6/12]。勝率25.0%、複勝率50.0%。単勝回収率75%、複勝回収率120%。文句なしの成績です。

続いて、(3)は前走クラス。
近年のセントウルSがさほど荒れないのは、前走大レースに出走した馬がしっかりと実績を残しているから。具体的には、前走がGIかGII。もしくは海外のレースに出走。なおかつ、ニアークティック系種牡馬か、ナスルーラ系種牡馬を母父に持つ馬が[4-0-2-2/8]。勝率50.0%。複勝率75.0%。単勝回収率125%、複勝回収率106%。驚異的な成績でした。

折り返しの(4)は、前走距離について。
出走馬の前走距離を比較したとき、抜けて好走率が高いのは前走1600m組。その中でも、どういうわけか毛色が鹿毛だと[2-1-2-2/7]。勝率28.6%、複勝率71.4%。単勝回収率70%、複勝回収率207%。サンプルは少ないものの、超抜の成績です。

次は(5)。前走4コーナーの位置取り別成績。
短距離戦らしく、前走先行した馬が強さを発揮する当レース。前走4コーナーで2番手以内に位置していたキャリア20戦以下の馬は[2-1-2-2/7]。勝率28.6%、複勝率71.4%。単勝回収率70%、複勝回収率108%。(4)と同レベルの好走率でした。

(6)は、前走からの間隔について。
サマースプリントシリーズの最終戦セントウルS。ただ、好走率が高いのは、前走からやや間隔を開けてきた馬たちです。具体的には、前走から中9週以上。なおかつ、前走2番人気以内か、海外のレースに出走した馬が[3-1-1-2/7]。勝率42.9%、複勝率71.4%。単勝回収率100%、複勝回収率110%。これまた好走率は(4)(5)と同じレベルで、勝ち切っている点が特徴です。

そして最後は(7)。馬齢。
出走数は少ないものの、3歳馬の好走が目立つ当レース。とりわけ、2月から5月生まれの3歳馬は[0-3-1-2/6]。複勝率66.7%、複勝回収率140%。勝ちきれていないものの、該当馬の大半が好走していました。

これら7つの指標を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎4  ドルチェモア
○6  ビッグシーザー
▲8  アグリ
☆15 モリノドリーム
△11 テイエムスパーダ
△7  エイシンスポッター
△10 ピクシーナイト
△12 ブトンドール
△1  ロンドンプラン


【買い目】

・単勝 4
・馬単マルチ 4=1、6、7、8、10、11、12、15 計16点
・ワイド 4→1、6、7、8、10、11、12、15 計8点
・3連複軸2頭ながし 4、6→1、7、8、10、11、12、15 計7点
・3連複軸1頭ながし 4→8、11、15 計3点


本命候補は、3項目に該当したドルチェモアとビッグシーザーの3歳馬2頭。非常に迷いますが、ドルチェモアを本命とします。

朝日杯フューチュリティSを制して以降、嘘のようにスランプに陥ってしまったドルチェモア。前走の安田記念も、古馬と初対戦だったとはいえ勝ち馬から2秒9差の大敗で、その前も、ニュージーランドトロフィーが7着。NHKマイルC12着と、快進撃を続けた2歳時の姿はすっかり鳴りを潜めてしまいました。

ただ、GI初制覇となった朝日杯フューチュリティSは、前半800m45秒7のハイペースを先行しながらも、阪神の長い直線を押し切るという素晴らしい内容。もちろん、スプリント戦の今回はさらに速い流れとなることが予想され、序盤からついていけない可能性も十分に考えられます。それでも、最後の最後で、父、母父から受け継ぎ、マイル戦で培ってきたスタミナが活かされるような気がしてなりません。思い切った賭けとなりますが、激変、復活を期待します。

馬券は、ドルチェモアの単勝と、同馬からの馬単マルチ、ワイド。さらに、対抗ビッグシーザーとの3連複軸2頭ながしと、2項目に該当した3頭への3連複軸1頭ながしを購入。モリノドリームやテイエムスパーダが絡めば配当は跳ねそうなので、これら2頭も同じくらい応援しようと思います。

それでは日曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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