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競馬サロン

齋藤翔人

2023/09/09 19:00

【京成杯AH】 本格化を迎えたアスクコンナモンダ 一気の3連勝で、昇級、即重賞の壁をあっさり突破し、さらにその先の大舞台へ

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サマーマイルシリーズ最終戦の京成杯オータムハンデ。観測史上最高の猛暑となった影響で、例年以上にダメージを受けた馬が多かったのでしょうか。2004年以来の少頭数、11頭立てとなりました。

それでも、シリーズ優勝が懸かる、メイショウシンタケ、ラインベック、ウイングレイテスト、ミッキーブリランテの4頭が出走してきました。とりわけメイショウシンタケは、第1戦の米子Sから今回まで対象4レースにすべて出走。これだけでも頭が下がる思いですが、父ワールドエースは種牡馬引退が発表されただけに、ここでタイトルを獲得し、なんとか後継種牡馬になってほしいという気持ちもあります。

さて、手頃な頭数でおこなわれたオータムハンデで思い出すのが95年のレース。当時の名称は京王杯オータムハンデだったわけですが、この年の主役は、なんといってもジェニュインでした。

ジェニュインは、サンデーサイレンスの初年度産駒。この年の春は、セントポーリア賞、若葉S(繰り上がり優勝)、皐月賞と3連勝でクラシック制覇。タヤスツヨシに雪辱を許したダービーは2着に惜敗したものの、ほぼ完璧な成績で上半期を終え、勇躍、このレースに出走してきました。

ただ、これは30年近く経った現代でも変わりませんが、京王杯オータムハンデに当年のクラシック勝ち馬が参戦するのは、異例中の異例。というのも、3歳馬は菊花賞に向かうのが一般的で、皐月賞馬であればなおさら。秋の大目標を天皇賞に置く3歳馬はごく少数で、重いハンデを科せられるこのレースを前哨戦に選ぶこともまた、異例中の異例でした。

案の定、ジェニュインには57.5kgという、若馬にとっては非常に厳しい斤量が科せられましたが、さらにこの年は骨っぽいメンバーが勢揃い。未勝利戦から一気の4連勝を決めたヒシアケボノに、金鯱賞を制したサマニベッピン。さらに、2年前のマイルCSで3着に好走したドージマムテキや、3歳時にローズSを勝ち、スーパーGIIの高松宮杯2着(当時はGIIの2000m戦)、毎日王冠3着の実績があるスターバレリーナなどが出走。
GI勝ちの実績は断然でも、3歳ながら酷量を背負うジェニュインにとって、決して優しいメンバーではありませんでした。

レースは、ジェニュインと実に9.5kgの斤量差があるオノデンリンゴが逃げ、ヒシアケボノが3番手。その直後に、ジェニュインとドージマムテキ、スターバレリーナの3頭が併走し、サマニベッピンは指定席の後方に控える展開。前半800m通過は45秒8と平均より少し速いタイムで、先行勢にとっては息の入らない流れとなります。
その後、4コーナーで故障してしまったオノデンリンゴに替わってヒシアケボノが先頭に立ち、1馬身半のリードを取って迎えた直線。

内ラチ沿いに進路を取ったジェニュインに対し、ヒシアケボノの外から襲いかかってきたのは、スターバレリーナとドージマムテキ。ハンデ戦らしく、残り100mからはこれら4頭によるマッチレースとなりました。
その中から、まずスターバレリーナが脱落。ジェニュインとヒシアケボノの人気2頭による一騎打ちになると思われましたが、前半の厳しい流れと重い斤量が影響したか、ともに決定打を欠いたところへ、ドージマムテキ渾身の一差しが炸裂。ゴール寸前で2頭をまとめて交わしさり、見事に重賞初制覇を成し遂げました。

勝ったドージマムテキの父はテュデナムキングで、当時としても渋すぎる血統です。ただ、同馬は次走の毎日王冠でもジェニュインに先着(2着)しており、翌年の香港国際ボウルでも2着に好走。GI制覇こそなりませんでしたが、間違いなく実力馬の一頭でした。

一方のジェニュインは、毎日王冠3着を挟んだ天皇賞(秋)で、再び2着に好走。勝ったサクラチトセオーとは本当に惜しいハナ差で、3歳馬による天皇賞(秋)制覇の快挙はならなかったものの、その無念を晴らすように、翌年のマイルCSで2つ目のビッグタイトルを獲得。
さらに、3着ヒシアケボノも2走後のスワンSを当時の日本レコードで制し、年末にはスプリンターズSでGI初制覇。最優秀短距離馬のタイトルを獲得したため、この年12頭立てでおこなわれた京王杯オータムハンデは、レース史上屈指といっても過言ではないほどの好メンバーが揃っていたことになります。

そして、今年の京成杯オータムハンデも11頭立てと、当時と似たような頭数で争われます。果たして、この中から未来のスターが誕生するのか。そんな期待を抱きながら、京成杯オータムハンデの過去5年を深掘り調査。好走傾向から重視できそうな指標を探し出し、軸馬を見つけます。

(1)馬齢
(2)枠順
(3)前走4コーナーの位置取り
(4)生月
(5)母父
(6)前走着差
(7)市場取引価格
(8)毛色
(9)生産牧場

近年の傾向から重視できそうな指標は上記9項目と、かなり多くなってしまいました。その中で、(1)は馬齢です。
当レースの馬齢別成績を見たとき、頭一つ抜けて強いのが5歳馬。その中でも、ロイヤルチャージャー系種牡馬の産駒は[3-3-2-6/14]。勝率21.4%、複勝率57.1%。単勝回収率167%、複勝回収率182%。サンプル数が多くてこの成績。素晴らしいの一言に尽きます。

次は(2)。枠順です。
開幕週におこなわれるものの、近年の京成杯オータムハンデは外枠有利の傾向。今回、5から8枠を引いた牝馬は[2-4-1-6/13]。勝率15.4%、複勝率53.8%。単勝回収率110%、複勝回収率196%と、該当馬の半数以上が好走。

一方、劣勢の内枠でも、1枠はさすがに例外。[1-0-3-4/8]で、勝率12.5%、複勝率50.0%。単勝回収率192%、複勝回収率221%と、好成績でした。

(3)は、前走4コーナーの位置取り別成績。
前走、先行した馬が強さを発揮している当レース。具体的には、前走芝のレースで4コーナー2番手から5番手に位置し、上がり10位以内。なおかつ、前走の馬場状態が重以外であれば[3-1-3-5/12]。勝率25.0%、複勝率58.3%。単勝回収率126%、複勝回収率197%。好走率は6割に迫ります。

(4)は生月です。
毎レースのように、「どういうわけか」の指標が出てきて申し訳ありません……。当レースは、どういうわけか2月生まれの関西馬がやたらと強く[4-2-2-3/11]。勝率36.4%、複勝率72.7%。単勝回収率313%、複勝回収率253%。恐ろしいほどの強さを発揮しています。

折り返しの(5)は、母父の系統について。
ロイヤルチャージャー系種牡馬の産駒が強いことは(1)で触れました。一方、母の父に注目すると、京成杯オータムハンデはニアークティック系種牡馬。もしくは、ネイティヴダンサー系種牡馬を母父に持つ馬の成績が良く、その中でも関西馬。なおかつ、前走5から8枠を引いていた馬が[2-3-1-4/10]。勝率20.0%、複勝率60.0%。単勝回収率201%、複勝回収率230%。該当馬の半数以上が好走していました。

続いて、(6)は前走着差です。
近年の京成杯オータムハンデは前走惜敗した馬の好走が目立っており、前走勝ち馬から0秒2差以内の惜敗。かつ、前走馬体重が520kg未満だと[3-2-1-3/9]。勝率33.3%、複勝率66.7%。単勝回収率303%、複勝回収率153%と、これまた凄まじい成績。

一方、前走2着に0秒1以上の差をつけて勝利。なおかつ、キャリア20戦以下の馬も[2-1-0-2/5]。勝率40.0%、複勝率60.0%。単勝回収率210%、複勝回収率130%。サンプルは少ないものの、さすがの強さでした。

終わりが見えてきた(7)は市場取引価格。
当レースは、国内のセリにおいて高額で取引された馬が活躍しており、中でも、セレクトセールにおいて3,000万円以上で取引された馬は[1-2-1-4/8]。勝率12.5%、複勝率50.0%。単勝回収率41%、複勝回収率212%と、健闘しています。

(8)は、毛色について。
またまたどういうわけかになりますが……、京成杯オータムハンデは黒鹿毛が強く、その中でも前走8番人気以内の馬は[2-2-1-3/8]。勝率25.0%、複勝率62.5%。単勝回収率180%、複勝回収率212%。好走率6割超えの素晴らしい指標です。

そして最後は(9)。生産牧場について。
京成杯オータムハンデで、出走機会3連覇中、5年連続連対中(ともに2021年は出走なし)と、無類の強さを誇っているのが、社台ファーム生産馬。その中でも、前走から乗り替わりとなる馬は[3-1-0-2/6]。勝率50.0%、複勝率66.7%。単勝回収率318%、複勝回収率148%。勝ち切っている点が魅力です。

これら9つの指標を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎8  アスクコンナモンダ
○9  ラインベック
▲1  ミッキーブリランテ
☆4  メイショウシンタケ
△2  ソウルラッシュ
△11 トーセンローリエ
△6  シャイニーロック
△5  インダストリア


【買い目】

・馬単マルチ 8=1、2、4、5、6、9、11 計14点
・ワイド 8→1、2、4、5、6、9、11 計7点
・3連複フォーメーション 1、8、9→1、8、9→1、2、4、5、6、8、9、11 計16点


本命候補は、4項目に該当したミッキーブリランテ、アスクコンナモンダ、ラインベックの3頭。その中で、アスクコンナモンダを本命としました。

デビュー2戦目で初勝利をあげながらも、1勝クラスをなかなか突破できずにいたアスクコンナモンダ。ところが、4歳シーズンを迎えた今期初戦。3ヶ月半ぶりの実戦ながら2着に3馬身差をつけて完勝すると、そこから3戦2勝であっという間にオープン入り。完全に本格化した今、狙わない手はありません。

また、アスクコンナモンダと同じダイワメジャー産駒の牡・せん馬は、中山芝1600mが得意。過去3年の成績は、複勝率40.0%、複勝回収率114%と優秀で、この馬自身も1年半前に2着と好走実績があり、昇級、即重賞の壁もあっさり突破し、その先の大舞台を目指せる逸材だと思います。

馬券は、アスクコンナモンダからの馬単マルチとワイド。さらに、本命候補となった3頭を1、2列目に塗り、印をつけた8頭すべてを3列目に塗った3連複フォーメーションも買います。
その中で、上位人気が予想されるインダストリアは1項目も該当しませんでしたが、当コースは3戦3勝と素晴らしい実績。現役屈指のコース巧者であることは間違いなく、ノーマークにできなかったことをお許し下さい。

それでは日曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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