競馬サロン

2023/09/17 19:00
【セントライト記念】 良血シャザーン 母から受け継いだ適性を武器に、GI馬2頭を撃破するか


3日間開催の掉尾を飾るのが、菊花賞トライアルのセントライト記念です。
ソールオリエンスが断然の支持を集めそうですが、皐月賞馬の出走は2017年のアルアイン以来6年ぶり。ホープフルS勝ち馬ドゥラエレーデも参戦となり、GI馬が2頭出走するのは、グレード制導入以降のセントライト記念では初のこととなります。なかなかの好メンバーが集結したと言えるでしょう。
さて、そのソールオリエンス。前走のダービーはよもやの敗戦を喫したものの、日本競馬を背負って立つ可能性もある馬。父仔制覇が懸かる今回は、結果はもちろんのこと内容も求められるレースで、秋初戦をどういった形で終えるか。非常に注目されます。
早速、予想へと移りたいところですが、その前に昨日のコラムで書けなかった先週の振り返りを。3レースおこなわれた重賞の中から、スプリンターズSの前哨戦セントウルSを取り上げます。
勝ったのはテイエムスパーダ。14番人気、単勝112倍の低評価を覆す逃げ切りで、昨年のCBC賞以来2つ目のタイトルを手にしました。
レースは、僅かに好スタートを切った2枠2頭がいこうとするところ、勢いのついたテイエムスパーダがハナを奪う展開。対して、上位人気馬は、5番手に1番人気のビッグシーザー、6番手に3番人気のジャングロがつけ、一昨年のスプリンターズS覇者ピクシーナイトは後ろから5頭目。アグリは後ろから4頭目に控えていました。
前半600m通過は、33秒5の平均ペース。先頭から最後方のエイシンスポッターまではおよそ18馬身の縦長となりますが、4コーナーに差しかかっても隊列はほとんど変わらず。前は、依然としてテイエムスパーダが軽快に逃げる中、最後の直線勝負を迎えました。
直線に入っても、テイエムスパーダの手応えにはまだまだ余裕があり、リードは1馬身。2番手からモリノドリーム、ジャングロ、ビッグシーザーが前を追うも差は詰まらず、残り200m地点で逆にリードは2馬身半に広がり、これら3頭は後退してしまいます。
一方、これらに替わって末脚を伸ばしてきたのが、道中、後方を追走していたアグリとスマートクラージュ。2番手争いをしていた5、6頭の集団を大外からあっという間に飲み込み、その後も懸命に前を追いましたが、粘りに粘ったテイエムスパーダがこの猛追を僅かに凌ぎ切って1着ゴールイン。1馬身差2着にアグリが続き、3/4馬身差3着にスマートクラージュが入りました。
良馬場の勝ちタイムは1分7秒2。開幕週の絶好馬場を味方につけたテイエムスパーダが1年2ヶ月ぶりの重賞2勝目。デビュー7年目の富田暁騎手は、嬉しい嬉しい重賞初制覇を、師匠・木原一良調教師の管理馬で成し遂げました。
勝ったテイエムスパーダはレッドスパーダの産駒で、さらにその父は、史上最強マイラーの声もいまだ根強いタイキシャトル。レッドスパーダ自身、現役時は長期の休養を何度かはさみながらも、4、7、8歳時に重賞を制しており、逃げ馬のテイエムスパーダは成績の振り幅が広いものの、今後も馬場や展開などがはまれば、再びの好走があるかもしれません。
昨年のCBC賞を制した際も、馬場や斤量、展開などすべてが味方したとはいえ、芝1200mを、日本の競馬史上最速のタイムで走ったことは事実。しかも、今回は当時より7kg重い斤量を背負って勝利しており、確実に成長しています。
また、1、2着はともにサンデーサイレンスの血を持たない馬。いかにも短距離戦らしい決着で、父系にストームキャットの名があるのも特徴といえるでしょう。
さて、セントウルSが終了したことにより、スプリンターズSの出走予定馬がほぼ出揃いました。直近1年のスプリントGI勝ち馬は既に現役を退いており、大混戦は必至。人気順は、おそらくナムラクレアが1番人気となり、アグリやメイケイエール、ママコチャあたりがこれに続くでしょうか。
そんな中、私が注目しているのは、前走のキーンランドCで本命にしたトウシンマカオ。その前走は、決して得意とはいえない道悪馬場で、それでも3着とまずまずのレース。今回は、上積みがありそうです。
また、3代父サクラユタカオーからサクラバクシンオー、そして父ビッグアーサーの3頭がGIを初めて勝利したのは、いずれも4歳秋以降。まさに、4歳秋を迎えたトウシンマカオには、GI初制覇はもちろん、父系4代によるJRAGI制覇も期待したいところです。
他、ピクシーナイトやウインマーベルなど、過去のスプリンターズS連対馬も、今回は人気を落としそうなため注目。ただ、昨年の結果を見ても分かるとおり、スプリンターズSはとにかく枠順がものをいうレース。これだけ実力が拮抗していると、なおさら影響は大きく、よほど外差し有利の馬場にならない限り、どの馬が内枠を引くかも注目です。
それでは予想に。
今回は、セントライト記念の過去5年を深掘り調査。好走傾向から重視できそうな指標を探し出し、本命馬をみつけます。
(1)前走クラス
(2)前走馬体重
(3)市場取引価格
(4)前走場所
(5)馬番
(6)キャリア
(7)生産牧場
近年の傾向から重視できそうな指標は、上記7項目。その中で、(1)は前走クラスです。
この時期、よく耳にする格言といえば「夏の上がり馬」。昨年の当レースを制したガイアフォースは、その典型ともいえる馬でした。
しかしながら、近年のセントライト記念は、前走重賞かオープン(リステッド含む)出走組が断然優勢。その中でも、前走3から9番人気。なおかつ、ロイヤルチャージャー系種牡馬の産駒は[3-3-4-3/13]。勝率23.1%、複勝率76.9%。単勝回収率430%、複勝回収率232%と、凄まじい成績。
一方、「夏の上がり馬」にあたる前走条件戦組は、前走1番人気で上がり最速をマークし1着。かつ、前走4コーナーで4番手以内に位置していれば[1-2-1-2/6]。勝率16.7%、複勝率66.7%。単勝回収率85%、複勝回収率105%。サンプルは少ないものの、こちらも素晴らしい成績でした。
次は(2)。前走の馬体重について。
近年のセントライト記念は、大型馬が優勢。前走馬体重が480kg以上で、斤量が前走と同じ、もしくは今回斤量減。なおかつ関東馬は[2-1-3-6/12]。勝率16.7%、複勝率50.0%。単勝回収率416%、複勝回収率142%。該当馬の半数が好走しています。
(3)は市場取引価格。
国内のセリにおいて、高額で取引された馬が結果を残しているセントライト記念レース。具体的には、国内のセリにおいて3,000万円以上で購買された馬が、前走から中10週以上の間隔を空けて出走してきた場合[3-3-1-5/12]。勝率25.0%、複勝率58.3%。単勝回収率147%、複勝回収率137%。こちらは、該当馬の半数以上が好走していました。
折り返しの(4)は前走場所です。
(1)とやや重なりますが、前走中央場所のレースに出走した馬の好走率が高いセントライト記念。前走中央場所のレースで上がり4位以下、なおかつ今回偶数番を引いた馬は[2-1-2-5/10]。勝率20.0%、複勝率50.0%。単勝回収率126%、複勝回収率158%。やはり、該当馬の半数が好走していました。
続いて、(5)は馬番について。
近年のセントライト記念は内枠有利。1、2番を引いた馬の成績を合算すると[1-1-3-5/10]。勝率10.0%、複勝率50.0%。単勝回収率427%、複勝回収率201%。(2)(4)と同じく、該当馬の半数が好走しています。
(6)はキャリアです。
当レースはキャリア5、6戦の馬が頑張っており、キャリア5、6戦、かつ前走重賞で9着以下だった馬は[2-2-1-5/10]。勝率20.0%、複勝率50.0%。単勝回収率500%、複勝回収率194%と、好調でした。
そして、最後の(7)は生産牧場。
4で割れない非根幹距離の2200m。なおかつ直線が短いコースでおこなわれるセントライト記念は、主要な大レースとは異なる条件。一見すると「絶対王者」ノーザンファーム生産馬が苦戦を強いられそうな舞台ですが、過去5年の3着内馬15頭中7頭は同場生産馬でした。その中でも、前走G?に出走した馬は[1-2-2-5/10]。勝率10.0%、複勝率50.0%。単勝回収率53%、複勝回収率152%。こちらもまた、該当馬の半数が好走していました。
これら7つの項目を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。
◎6 シャザーン
○5 ドゥラエレーデ
▲1 キングズレイン
☆14 ソールオリエンス
△2 セブンマジシャン
△15 グリューネグリーン
△7 シルトホルン
△9 アームブランシュ
【買い目】
・単勝 6
・馬単マルチ 6=1、2、5、7、9、14、15 計14点
・ワイド 6→1、2、5、7、9、14、15 計7点
・3連複フォーメーション 1、5、6→1、5、6→2、7、9、14、15 計15点
・3連単ボックス 1、5、6 計6点
本命は、3項目に該当したシャザーン。以下、2項目該当のドゥラエレーデとキングズレインを対抗、単穴としました。
3走前に、今回と同じ芝2200mのすみれSを快勝したシャザーン。続く皐月賞が6着、ダービーは9着と連敗を喫したものの、後者に関しては、勝ったタスティエーラから0秒4差。大きくは負けていません。
母クイーンズリングは、2016年のエリザベス女王杯など重賞4勝。そのエリザベス女王杯も、言わずもがな今回と同じ芝2200mで、それ以外に制した3つの重賞も、4で割れない非根幹距離のレース。さらに、引退レースとなった有馬記念でも、強豪牡馬を抑えキタサンブラックの2着に好走しました。
確かに、ソールオリエンスとドゥラエレーデのGI馬2頭はこれ以上ない強敵ですが、2200mなら好勝負は可能。また、今回この予想どおり好走するようであれば、有馬記念や宝塚記念など、この先おこなわれる非根幹距離のGIでも注目していきたいと思います。
馬券は、シャザーンの単勝と、同馬からの馬単マルチ、ワイド。さらに、印上位3頭を1、2列目に、それ以外の5頭を3列目に塗った3連複フォーメーションと、印上位3頭の3連単ボックスを購入。ソールオリエンスが3着を外すことは考えにくいですが、もしそうなれば、3連複でも配当はそこそこ跳ねるのではないでしょうか。
それでは、月曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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