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競馬サロン

調教ライター 西村武輝

2024/05/24 18:00

葵ステークス2024 最終結論【調教】“仕上げ名人”がギアを引き出す調整!意外な穴馬から勝負【重賞深掘りPROJECT】

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2024年4月「競馬をより深く楽しんでいただく」ための新たなPROJECTがスタート!
その名も「重賞深掘りPROJECT」。重賞のことなら「ここを見れば完璧!」と言っていただける『重賞コーナー』に育てていくことを目指します!

=新PROJECT発足のご挨拶=
当PROJECTプロモーター「ブッシー」からのご挨拶です。
【重賞深掘りプロジェクト】始動のご挨拶
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/17517/0/109

「日本ダービー」全頭追い切り診断動画はこちら!

【日本ダービー 2024|調教診断】ここは譲れない!王道パターンのあの馬に注目!そしてあの人気馬に異変が…?

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さあいよいよダービーウイーク本番ですね!

「日本ダービー」が待ち構える日曜競馬に向けて、まずは土曜にいい結果を残しておきたいところ。

その土曜に行われるのが3歳の芝1200m重賞「葵S」

長年オープン競走として行われていたのが、2018年から重賞(当初はグレードなし)として格上げ。2022年からGIIIの格付けを得て、GIIIとしては今年で2回目となる一戦です。

2021年、2022年は京都競馬場が改修のため中京で開催。ですから京都で開催されたのが過去4回だけで、「GIII格付けで京都」で行われた葵Sは去年の1回のみ。

しかもややこしいのが負担重量が昨年までの別定から、今年から馬齢に変更なっているんですよね。

昨年までは収得賞金1800万円以上で1キロ増だったので、昨年で言えばオープン&リステッドで3勝していたビッグシーザーが57キロ、リステッド1勝のルガルが56キロで出走。2着ルガルと3着ビッグシーザーはクビ差でしたから、仮に今年のルール(馬齢=同斤量)ならば順番が入れ替わっていた可能性はきわめて高い。

要は過去の傾向がちょっとアテになりづらいのかな……という点は頭に入れておきたいところ。

求められる特性が異なるであろう2021-2022年の中京開催2回をオミットし、京都開催だった2019、2020、2023年の3回から調教傾向を見ることにしますが、改修前に行われた2回の馬券対象馬6頭のうち、最終追いの時計(全馬坂路でした)で一番速かったのが2020年勝ち馬ビアンフェの4F51秒1。ほかは2019年勝ち馬ディアンドルの56秒3や、2020年2着レジェーロの55秒0など、スプリント重賞の追い切りと考えるとかなり遅め。

要は、折り合わせて終いにしっかり負荷を掛けて伸ばすメリハリを意識されていた馬が上位に食い込んでいたということ。

それが改修後最初の葵Sとなった昨年2023年の上位3頭の最終追い(全馬坂路)の時計見ると1着モズメイメイ「50秒3」、2着ルガル「51秒5」、3着ビッグシーザー「50秒9」とわかりやすく変化。序盤から余念なくスピードに乗せていく稽古をこなした組が上位を占める結果に。

今年に関しても、基本はスピードとその維持に磨きを掛けた馬を重視でいいのではないでしょうか。

以上を踏まえ、まずは「葵S」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。

■アウェイキング 【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 中2週を考慮し、終い重点の内容。手前を替えた際に若干バランスを崩したが、軽微なもので加速そのものは滑らかだった。折り合いは上々。休みなく使われているが引き続き好調維持。

■アスクワンタイム 【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 前走に続き中2週となるので序盤は無理をさせず、終いだけを伸ばす内容となった。緩いペースのなかやや掛かり気味ではあったが、許容範囲。仕掛けられると一気にギアを上げ、鋭く切れた。休み明けを2回使われ、いかにも本調子といった雰囲気にある。

■エトヴプレ 【7】
藤岡佑騎手騎乗 栗東CW併せ馬 鳳雛Sに出走予定の同期モズミギカタアガリを追走し、直線入口でキャッチアップ。手応え優勢のまま自然と切れ味の違いで抜け出し、半馬身の先着とした。1週前の坂路併せ馬でもいい切れを披露していたし、GIを走ったダメージはまったく感じさせない。依然好調。

■エリカカリーナ 【7】
助手騎乗 美浦ウッド単走 輸送を控えてはいるが序盤からある程度速いラップを刻む意欲的な内容。ラストも失速することなく、単走とは思えない気合い乗りから軽快に伸びた。中8週を感じさせない好気配。

■ガロンヌ 【7】
上村師騎乗 栗東坂路併せ馬 同じレースにエントリーしているモンシュマンと最終スパーリング。先行から迎え入れたこともあるが、終始勢いではこちらが優勢。最後は相手を待つ余裕を見せ、併入とした。集中力抜群で、ギアチェンジはスムーズそのもの。一連の好調をキープ。

■ナナオ 【7】
助手騎乗 栗東坂路併せ馬 3歳未勝利と併走し、懸命に追われる相手をいなすように楽な手応えを保ってそのまま併入とした。華奢さを感じさせないバランスのいい走りにも好感が持てる。好仕上がり。

■ナムラアトム 【8】
長谷川師騎乗 栗東坂路単走 粗削りながら抜群の推進力を感じさせ、速いラップを刻んでいく。ラストは指揮官の仕掛けに応え、一気にギアを上げて駆け抜けた。中9週とひと息入れたことで、体質がグンと強化された感がある。絶好の攻め気配。

■モズトキキ 【7】亀田騎手騎乗 栗東坂路併せ馬 古馬オープンに食らいつき、手応えこそ見劣ったが気迫負けせず最後は1馬身抜け出しての先着を果たした。連勝の勢いをしっかりキープできている。

■モンシュマン 【7】
助手騎乗 栗東坂路併せ馬 同じレースに出走するガロンヌに取り付いて併走。勢いではやや見劣ったものの、馬なりを保って併入とした。1週前CW追いでの動きは上々で、いい状態で臨めそう。

▼「葵S」全頭追い切り評価はコチラ
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/18027/0/112

出走枠18に対し登録は23頭。

5頭が抽選除外となったんですが、そのなかにロードフォアエース、ジャスパーノワールの2頭が。前者は今週の坂路全体時計こそ平凡もラスト1Fは11秒台、1週前にジャスティンミラノに抜かせない粘りを見せており、芝でも十分にやれそう。仮に出てくれば必ず印を回していたと思います。。後者は1週前に48秒台、今週も4F50秒9-1F11秒8。序盤から飛ばす森厩舎の調教……ということを考慮したとしても、出てくれば本命級の評価としたはずです。

この2頭の名前は覚えておいて欲しいですね。

さて、実際に出るメンバー内でフィリーズR勝ち、桜花賞5着と実績最上位なのはエトヴプレ

最終追いはでは手応え優勢のまま先着しており調教採点【7】としました。しかし追われたのがCW。

京都開催の過去3回。前段で触れたように時計の出し方に差はあれど、馬券対象となった全9頭が最終追いを坂路で行っていました。

この馬自身はデビューして一貫しCW最終追いで走ってきただけに、それをしっかり踏襲できていること自体は好感を持てますが、やはり全幅の信頼まではどうか。

クラシックレースでの5着に敬意を表しつつ、3番手▲評価までとします。福島で勝利実績こそありますが、本来はパワーが要求される阪神、中京でこそのタイプか。京都では最後に切れ負けしそうな感じも。

調教採点で最高評価【8】としたのはナムラアトム

やや粗削りながら豪快な行きっぷりで進んでいき、最後は“仕上げ名人”長谷川調教師が仕掛け、隠し持っていたギアを出させたかのように1F11秒7(一杯)と圧巻の切れを示しました。前走はファルコンSで4着とオープンでのメドを立てましたが、ラストにあとひと切れを欠いたあたり坂の影響はあったのかも。

最後に鋭い脚を使って伸びて快勝した2走前と同じ京都に戻るのなら、勝ち負けになっていい。本命に据えます。

対抗は前走の京都戦・橘Sが強かったガロンヌ

最終追いは全体時計こそ遅かったんですが、僚馬を迎え入れ抜群の折り合いからしっかり我慢するという攻め。

上村調教師がしっかり競馬を教え込むよう内容で、ラストのギアチェンジはスムーズそのものでした。

前走、快勝ながら坂の下りでハミをガツンと噛んでしまったとのことで、そのあたりの修正を意識したあたりに好感が持てますし、近2走1400mに縮めて良さが出てきただけに今回初の1200mはいいほうに出そう。対抗評価とします。

モズトキキは手応えこそ劣勢も、相手がオープン入りしても崩れていないコパノパサディナなら問題なし。気持ちの強さが垣間見えた攻め内容で、大型馬が使われるごとにグングン気配を上げてきている感がありますね。

穴でジョーローリット。頭が高い走りで調教採点は【6】とはしましたが、やはり全体時計4F51秒8(一杯)なら切り捨てられませんし、馬場が荒れた時間帯に追うことでお馴染みの中竹厩舎の馬ですから、なおのこと評価すべき。前走の橘Sは初芝だったことを考えれば、0秒7差5着なら上々。2回目の芝戦となる今回はさらに粘れるでしょうし、距離短縮は好材料。

採点【7】のうちエリカカリーナは最終追いがウッドという点と、華奢な馬が初の関西遠征でどうか。印を回せませんでした。

実績で目立つオーキッドロマンスは最終追いで僚馬スピリットガイド(同じ葵Sに登録→抽選除外)に若干見劣っており、まだ良化途上の感(採点は【6】)。坂路最終追いは葵Sの好走パターンではあるものの、オーキッドロマンス自身は近2走ウッド最終追いで好成績を残しており、これがどう出るか。

坂路最終追いでも京王杯2歳Sで好走はしていますが、この時は古馬オープン・レッドゲイルをアオッて併入という調整内容でした。主戦のウチパクさんが引き続き京都遠征して騎乗する意欲は魅力も、思い切って無印とします。

以下、最終結論です。どうぞご参考に!

<調教ライター・西村武輝「葵S」最終結論>

◎1 ナムラアトム
○3 ガロンヌ
▲10 エトヴプレ
☆8 モズトキキ
△5 アスクワンタイム
△14 ナナオ
△9 アウェイキング
△7 ジョーローリット

【単勝】1(1点)
【複勝】1(1点)
【馬連】1=3,10,8,5,14,9,7(7点)
【3連複/フォーメ】1=3,10,8=3,10,8,5,14,9,7(15点)
【3連単/フォーメ】1,3→1,3,10,8→1,3,10,8,5,14,9,7(36点)


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<【重賞深掘りプロジェクト】 調教ライター 西村武輝>
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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=重賞深掘りPROJECT関連動画=

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