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競馬サロン

調教ライター 西村武輝

2024/05/25 18:00

日本ダービー2024 最終結論【調教】陣営の強い意志が伝わる攻め!雑音振り払い戴冠目指すあの馬で勝負【重賞深掘りPROJECT】

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2024年4月「競馬をより深く楽しんでいただく」ための新たなPROJECTがスタート!
その名も「重賞深掘りPROJECT」。重賞のことなら「ここを見れば完璧!」と言っていただける『重賞コーナー』に育てていくことを目指します!

=新PROJECT発足のご挨拶=
当PROJECTプロモーター「ブッシー」からのご挨拶です。
【重賞深掘りプロジェクト】始動のご挨拶
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/17517/0/109

「日本ダービー」全頭追い切り診断動画はこちら!

【日本ダービー 2024|調教診断】ここは譲れない!王道パターンのあの馬に注目!そしてあの人気馬に異変が…?

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いよいよ明日、東京11Rとして“競馬の祭典”「日本ダービー」が開催となりますね。

様々な切り口で報じられている一戦ですから、ここで前置きとして多くを語る必要はないでしょう。

さっそく調整傾向を見ていきます。

過去5年の馬券対象馬15頭のうち14頭がコース&坂路の併用調教。坂路オンリーだったのは2019年1着ロジャーバローズだけです。京都新聞杯(2着)で実戦感覚やスタミナは鍛えられており、そこから中2週での関東遠征ならば坂路オンリーで問題なしだった、ということでしょう。

最終追いでの調教強度は14頭が「馬なり」、1頭が「強め」。2019年3着ヴェロックスの最終追いがCW単走で「強め」でした。皐月賞(2着)が比較的緩めで臨んでおり、ダービーに向けて強めるのはあらかじめ織り込み済みだったのか。あとは想定以上に太めが残り、最終追いまで負荷を掛けざるを得なかったのかもしれません。実際の日本ダービーはプラス10キロでの出走でした。

以上を踏まえ、まずは「日本ダービー」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。

■コスモキュランダ 【7】
小林勝騎手騎乗 美浦ウッド併せ馬 1週前に速い時計を出したのが実質の最終追い。今週は息を整える程度の内容に留まっている。3歳未勝利を目標に緩いペースでも力まず、スムーズに追走。直線半ばでスッと前に出て、そのまま半馬身のリードを維持して先着とした。時計に派手さはないが、終始落ち着き払っており精神面でいい状態にありそう。好気配。

■ゴンバデカーブース 【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 外先導で内後方の2頭を迎え撃つ3頭併せ。ピタッと折り合って、巧みなコーナーワークで直線に入ると軽快に加速。“おいでおいで”の手応えで目黒記念に出走するシュトルーヴェと併入、もう1頭には先着とした。ウッドでしっかり速い時計を出す最終調整ができていること自体好感で、いかにも急仕上げだったNHKマイルCを使われての上積みは相当ありそう。

■シックスペンス 【7】
川田騎手騎乗 美浦坂路併せ馬 1週前のウッド併せ馬で自己ベストを更新しており、今週は新コンビを組む川田騎手が感触を確かめることに専念したような内容。未勝利馬2頭を追走し、ピタッと折り合った状態で坂に入ると軽く手綱を緩めただけでスッと切れ、それぞれに先着を果たしている。鞍上との意思疎通ぶりは申し分ないし、ほぼ万全の状態。

■ジャスティンミラノ 【8】
助手騎乗 栗東坂路単走 1週前のCW併せ馬で強い負荷を掛けており、心肺機能の鍛錬はほぼ完了済み。今週は輸送を考慮し、微調整程度の内容消化となった。緩いペースでもまったく力まず、ブレの少ないシャープなフォームで登坂。最後の最後に促されると、スルッとギアを上げ駆け抜けた。踏み込みも力強く、いかにも心身充実。文句なしの好仕上がりだ。

■シンエンペラー 【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 1週前にCWで猛時計を出しており、今週は調整程度で大丈夫。馬場が荒れた時間帯だったが、それをものともせずパワフルな踏み込みから豪快に伸びた。最後まで集中できていたのは好感。皐月賞時以上の状態にある。

■ダノンエアズロック 【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 2頭の間に割って入る形の3頭併せ。道中若干だけ力みがあったようだが、直線での加速はスムーズ。いい手応えを保ったまま1頭に先着、1頭と併入とした。体を柔軟に使えていたし、前走の反動は感じられず高いレベルで安定。

■レガレイラ 【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 先週、C.ルメール騎手が騎乗しある程度速い時計を出している。ゆえに今週はゆったり入り、微調整に徹した内容。“木村厩舎流”の3頭併せで、序盤から柔軟かつ力強いフットワークで進むと、満を持して促されたラストでスッと加速し、測ったように左右2頭と併入とした。気持ちの乗り、走りのバランスともに申し分なし。皐月賞敗戦の影響は感じられず、さらに上昇か。

▼「日本ダービー」全頭追い切り評価はコチラ
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/18025/0/112

まず今回、残念ながらメイショウタバルがザ石のため取り消し。

調教では力みが目立った分、採点は【6】としたんですが、1週前に自己ベストのCW5F63秒6(一杯)をマーク。毎日杯から中2週の皐月賞時も1週前に63秒台を叩き出しており、レースではハイテンションで先頭を進みレコード決着を演出して、自身は大敗。それを踏まえてさすがにこの中間はソロッとした調整で臨むと思いきや……自己ベストを更新してきた。

そもそも1月20日の若駒S以降ここまで「中3週」「中3週」「中4週」「中2週」「中5週」。これだけ見てもこの中間は14-14ぐらいで済ませて不思議ではないところが、あの猛時計ですからね。

強靭過ぎる。

解説動画内でもお話しましたが“体力お化け”な馬なんだと思います。折り合いや切れが求められる局面では分が悪そうですが、いわゆるバテ比べになればドンと来いという馬でしょう。

イメージとしては極悪馬場のなか2着に1秒8差と、平地芝のオープン競走ではまずありえない大圧勝を収めたマイネルウィルトスの2021年福島民報杯(開催は新潟)が思い浮かぶところ。

今後メイショウタバルがそういうシチュエーションのレースに臨むようなら、厚く張るべきでしょう。

さて、出走しない馬の話が長くなりました。

出走馬中、動きがいちばんよく見えたのは皐月賞馬ジャスティンミラノ

1週前追いでわずかに遅れましたが、追走差は大きく、相手が自己ベストCW5F564秒1を誇る同期の快速馬ロードフォアエース(葵Sに登録→抽選除外)なら問題なし。

ジャスティンミラノ自身の伸びは申し分なく、この時点で負荷をしっかり掛けるんだ!という陣営の意志がヒシヒシと感じられる攻め内容でした。

最終追いで見せたブレのなさ、落ち着き、反応は絶品。1週前CW→最終坂路はマカヒキやワグネリアンと共通の友道厩舎“王道パターン”です。

エンジン性能、競馬センスともに世代内で突出。この枠も、過去3走が外めの枠から揉まれず3連勝したものと考えればむしろ好都合か。

第91代日本ダービー馬の座にもっとも近いのはこの馬でしょう。本命とします。

オーナーサイドと生産者サイドがうんぬん……という雑音を振り払い、戸崎騎手が悲願のダービー制覇!というシーンに期待したいですね。

逆転の可能性があるとすれば、シンエンペラー

素材は一級品ながらどうしてもフワフワする面があり、それが実戦での詰めの甘さに繋がっていたようです。それがこの中間は調教でチークを装着した効果で一気にピリッとしてきた。最終追いではラストまで集中して、躍動感あふれた走り。こうなれば高いポテンシャルを余すところなく発揮してくれそう。

東京新馬戦で圧勝経験があるのは魅力、対抗とします。

前走皐月賞で◎を打ったレガレイラも、ルメール騎手に手戻りなら逆転していい。

攻め時計自体は皐月賞時より若干見劣るも、3カ月半ぶりと中5週とでは必要とされる調教強度が違うと解釈すれば問題なし。ホープフルSは大外を豪華に伸びたもので、中山適性というより能力と完成度の違いで勝ったようなもの。東京のほうがよりパフォーマンスは向上しそう。枠が窮屈かな……という思いもありつつ3番手▲に置きます。

そのレガレイラと同血のいとこで、皐月賞では4着に食い込んだアーバンシックは皐月賞時以上の攻め気配。操縦性を鍛え上げるため、陣営が外マクりの調整にこだわっているのが好感が持てます。ただしスタートに難を抱えているのがどうしてもネック、4番手☆までですね。

コスモキュランダは父アルアイン、モレイラ騎手からの乗り替わりとここへは逆風吹きますが弥生賞勝ち、皐月賞2着の底力。攻め順調なら印は回しておきたい。

今年は皐月賞組優位の見立ても、別路線組ゴンバデカーブース、ダノンエアズロックの堀厩舎勢2騎は不気味。いずれの動きも良く見えましたが、個人的には“モレイラが選ばなかったほう”ゴンバデカーブースの上積みのほうが魅力に感じます。

穴で採点【6】からサンライズジパング。ややバランスの悪さがありながらも、一頓挫明けだった皐月賞時と比較するとだいぶ素軽くなっていましたし、気持ちの強さも感じられた攻め内容でした。

前走は明らかに急仕上げでの出走、最内枠から荒れた内側をずっと通らされたのもキツかったか。9着と芝レースで初めて崩れましたが、苦しいなかレコード決着に0秒9差ならむしろ上出来。

今回は諸々の条件好転。不利がありながら3着に食い込んだホープフルSの走りは見直されていいでしょう。

採点【7】のうちシックスペンスはまとまった走りで鞍上との意思疎通も上々。好勝負必至だった皐月賞をパスしてまでの意欲は買いたいところです。しかし1週前の速い時計の反動があったのか、前走時には行っていた日曜追いをパスしているのが気になるところ。戦歴的には左回り経験がなく、前走は異例のスローに恵まれての強さだった感も否めません。

青葉賞馬シュガークンは血統、鞍上的な魅力たっぷり。しかし土曜追いをパスしており、疲れが気になる状況なのかも。センス抜群も、まだ全体的に未完成でこれからの馬でしょう。

この2頭は無印としました。


以下、最終結論です。どうぞご参考に!

<調教ライター・西村武輝「日本ダービー」最終結論>

◎15 ジャスティンミラノ
○13 シンエンペラー
▲2 レガレイラ
☆8 アーバンシック
△14 ゴンバデカーブース
△6 コスモキュランダ
△9 ダノンエアズロック
△10 サンライズジパング

【単勝】15(1点)
【複勝】15(1点)
【馬単マルチ】15⇔13,2(4点)
【馬連】15=8,14,6,9,10(5点)
【3連複/フォーメ】15,13,2=15,13,2=15,13,2,8,14,6,9,10(16点)
【3連単/フォーメ】15,13,2→15,13,2,8→15,13,2,8,14,6,9,10(54点)


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<【重賞深掘りプロジェクト】 調教ライター 西村武輝>
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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=重賞深掘りPROJECT関連動画=

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