【今週の注目重賞】
■札幌記念
8月18日（日）、札幌競馬場で第60回・札幌記念（3歳上、GII、別定、芝2000m）が行なわれる。

プログノーシス（牡6、栗東・中内田）は連覇を狙う。国内では昨年の札幌記念と金鯱賞を連覇。海外では香港・クイーンエリザベス2世Cを2年連続で2着に好走。さらに日本レコードが飛び出した昨年の天皇賞・秋でも3着と、まだGI勝ちこそないものの、今年のメンバーでは能力最上位といっていい。武器は強烈な末脚で、国内のレースではすべて上がり2位以内を記録。稍重発表以上に馬場が悪かった昨年の札幌記念は4馬身差の圧勝で道悪も得意。死角はほとんど見当たらず、体調に問題がなければ連覇は堅そう。

シャフリヤール（牡6、栗東・藤原）は3年前のダービー馬。ただしその後は海外GI・ドバイシーマクラシックこそ優勝したものの、国内では勝ち星から遠ざかっている。昨年の札幌記念は不得手な道悪に泣いて11着に大敗。有馬記念も展開が向きながら5着。前走・ドバイシーマクラシックは2着に入線するも、勝ち馬からは2馬身離された。今回初コンビを組む武豊騎手の手腕に期待か。

ノースブリッジ（牡6、美浦・奥村武）は面白そうな存在。4歳時にエプソムC勝利、5歳時にAJCC優勝と少しずつ力をつけつつも、GIではなかなか通用せず。だが海外遠征2戦目の前走・クイーンエリザベス2世Cでは3着に粘り込み、大舞台で初めて結果を残した。香港・シャティン競馬場と札幌競馬場はコース形態が似ていると言われ、持ち前の先行スタイルがハマれば連続好走の可能性も。

ドゥラエレーデ（牡4、栗東・池添）は異色のローテで臨む。2歳時にホープフルSを制してGIウイナーに。しかしその後は芝で結果が出ず、初勝利時に圧勝したダートに路線変更。するとチャンピオンズCと東京大賞典でいきなり連続3着に好走し、前走・エルムSでも2着に入線した。今回は約1年ぶりの芝レースとなるが、3歳以降は芝で結果を残しておらず、現在の芝適性は未知数。ダートを使って中1週の臨戦過程も過去に例がなく判断は難しいものの、ポテンシャルが高い馬であることは間違いないので、すべてがかみ合えば大駆けもあるかもしれない。

ボッケリーニ（牡8、栗東・池江）は8歳でも衰えの色なし。GIでの好走歴はないものの、GII・GIIIでは16戦3勝2着8回3着1回。掲示板を外したのは5歳時の中京記念だけで、それでも0秒4差の6着に走っていた。つねに自分の力は出し切る馬で、前走・鳴尾記念もタイム差なしの2着に好走している。その後、GIの宝塚記念ではなくこちらに出走するのは、名より実を取りにきたからにほかならない。北海道は初参戦ながら、GIIではつねに警戒が必要だ。

そのほかには、大阪杯5着、安田記念6着と近走GIで善戦が続く皐月賞馬・ジオグリフ（牡5、美浦・木村）、屈腱炎による長期休養明けから徐々に本来の力を取り戻しつつある21年ダービー3着馬・ステラヴェローチェ（牡6、栗東・須貝）、昨年9番人気ながら2着に激走したトップナイフ（牡4、栗東・昆）、今年のAJCCを制したチャックネイト（セ6、美浦・堀）なども出走を予定している。

【そのほかの重賞】
■CBC賞
8月18日（日）、中京競馬場では第60回・CBC賞（3歳上、GIII、ハンデ、芝1200m）が行なわれる。今年は阪神競馬場改修工事の影響で開催日程が大幅に変更されており、例年6月開催のCBC賞は8月開催の北九州記念と時期を入れ替えて行なわれる。主な出走予定馬は、葵Sと北九州記念を連勝中のピューロマジック（牝3、栗東・安田）、昨年の阪急杯を制したアグリ（牡5、栗東・杉山晴）、鞍馬SなどOP特別2勝のジャスティンスカイ（牡5、栗東・友道）、重賞初挑戦の京王杯SCで3着好走のスズハローム（牡4、栗東・牧田）、2勝クラスと3勝クラスを連勝しOP入りを果たしたレッドヒルシューズ（牝4、栗東・武英）など。

（Text:Hattori）