競馬サロン

田原基成
10
2018/03/15 18:10
不思議なオッズはこうして作られる(後編)

フィリーズRは◎△▲で3連複的中。
土曜中山の中山牝馬S、日曜中京の金鯱賞がタテ目決着だっただけにホッと胸をなでおろした。3連複フォーメーションの手法を採る以上、常にタテ目のリスクは付きまとう。大切なことは、リスクを承知のうえでブレずにやり続けることだ。
少しだけフィリーズRを振り返ると、ポイントとなったのは本命に抜擢した8番人気馬リバティハイツ。毎週私の予想見解をご覧いただいている読者ならお分かりかと思うが、私の本命馬は1-3番人気内馬から打たれることがほとんど。そのセオリーを崩すだけの価値がこの条件にはあったというわけだ。
3歳牝馬限定戦。
フルゲート。
人気馬に生じる死角。
戦前から浮かび上がったこれだけの波乱要素……セオリーを崩すには十分すぎるほどだ。
原点に立ち返るための“命綱”が自らに括り付けられているからこそ、今回のようなセオリー度外視の本命を打つことができる。こだわりを持つあまり、自分で決めたルールに縛られしまっては本末転倒。“保守と破壊のバランス”は競馬予想の明暗を分ける重要なファクターと言えるだろう。
さて、今回のテーマは“不思議なオッズはこうして作られる”。
実は昨年一度扱ったテーマだが、今回はその後編という形で書かせていただきたい。
前提として、オッズはファン心理が数字となって表れるものだと私は捉えている。1強ムードであれば単勝1倍台のオッズが作られるし、混戦ムードであれば単勝ひと桁台の馬が多数出現する。先週のレースでいえば金鯱賞が前者、中山牝馬Sが後者だ。
それを踏まえ、ご覧いただきたいのが人気とオッズの関係だ。
ひと口に10番人気以下といっても、オッズ次第で好走の確率は大きく変動する。実例として、先週行われた土曜中山11R中山牝馬Sと土曜中京11RトリトンSを挙げてみたい。
【中山牝馬S】
・10番人気馬→単勝23.6倍
・11番人気馬→単勝41.4倍
・12番人気馬→単勝56.7倍
・13番人気馬→単勝77.8倍
・14番人気馬→単102.0倍
【トリトンS】
・10番人気馬→単勝25.6倍
・11番人気馬→単勝25.6倍
・12番人気馬→単勝36.3倍
・13番人気馬→単勝46.7倍
・14番人気馬→単勝259.3倍
・15番人気馬→単勝281.8倍
・16番人気馬→単勝413.5倍
・17番人気馬→単勝463.2倍
2017年の中央競馬において、単勝10番人気馬は複勝率7.9%。11番人気馬は複勝率6.0%、12番人気馬は複勝率5.0%、13番人気馬は複勝率3.9%と人気の低下にしたがって差は広がっていく。
単勝オッズではどうか。
こちらも同様の手法で調べたところ、単勝30-40倍台の馬は複勝率10.2%。50-99倍台の馬は6.0%、100倍台超えの馬は1.8%と、その差は歴然だ。2レースの単勝13番人気馬2頭を比較すると、トリトンSが単勝46.7倍で中山牝馬Sが77.8倍……とてもじゃないが、一緒くたにすることはできない。
次に注目していただきたいのは“オッズの境目”。
トリトンSは10番人気・11番人気馬がまったく同じオッズだった。また、13番人気馬と14番人気馬との間には大きな開きがあり、前述の単勝オッズ別複勝率で区切れば14番人気以下の馬はノーチャンスに近い。
一方、中山牝馬Sは単勝ひと桁台が6頭を数える大混戦。
「どの馬にも勝つチャンスがある」というファン心理は、4-20倍台など一定のゾーンに単勝オッズを集中させる。その心理が働くにもかかわらず、10番人気馬と11番人気馬の間には約18倍ものオッズ差が発生……ここに勝ち負けの基準となる明確な線引きが存在している点は見逃せない。
オッズはファン心理を読み解くうえでの大きな手がかりとなる。囚われすぎるのも良くないが、予想の判断基準のひとつとして参考にしてみてはいかがだろうか。
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土曜中山の中山牝馬S、日曜中京の金鯱賞がタテ目決着だっただけにホッと胸をなでおろした。3連複フォーメーションの手法を採る以上、常にタテ目のリスクは付きまとう。大切なことは、リスクを承知のうえでブレずにやり続けることだ。
少しだけフィリーズRを振り返ると、ポイントとなったのは本命に抜擢した8番人気馬リバティハイツ。毎週私の予想見解をご覧いただいている読者ならお分かりかと思うが、私の本命馬は1-3番人気内馬から打たれることがほとんど。そのセオリーを崩すだけの価値がこの条件にはあったというわけだ。
3歳牝馬限定戦。
フルゲート。
人気馬に生じる死角。
戦前から浮かび上がったこれだけの波乱要素……セオリーを崩すには十分すぎるほどだ。
原点に立ち返るための“命綱”が自らに括り付けられているからこそ、今回のようなセオリー度外視の本命を打つことができる。こだわりを持つあまり、自分で決めたルールに縛られしまっては本末転倒。“保守と破壊のバランス”は競馬予想の明暗を分ける重要なファクターと言えるだろう。
さて、今回のテーマは“不思議なオッズはこうして作られる”。
実は昨年一度扱ったテーマだが、今回はその後編という形で書かせていただきたい。
前提として、オッズはファン心理が数字となって表れるものだと私は捉えている。1強ムードであれば単勝1倍台のオッズが作られるし、混戦ムードであれば単勝ひと桁台の馬が多数出現する。先週のレースでいえば金鯱賞が前者、中山牝馬Sが後者だ。
それを踏まえ、ご覧いただきたいのが人気とオッズの関係だ。
ひと口に10番人気以下といっても、オッズ次第で好走の確率は大きく変動する。実例として、先週行われた土曜中山11R中山牝馬Sと土曜中京11RトリトンSを挙げてみたい。
【中山牝馬S】
・10番人気馬→単勝23.6倍
・11番人気馬→単勝41.4倍
・12番人気馬→単勝56.7倍
・13番人気馬→単勝77.8倍
・14番人気馬→単102.0倍
【トリトンS】
・10番人気馬→単勝25.6倍
・11番人気馬→単勝25.6倍
・12番人気馬→単勝36.3倍
・13番人気馬→単勝46.7倍
・14番人気馬→単勝259.3倍
・15番人気馬→単勝281.8倍
・16番人気馬→単勝413.5倍
・17番人気馬→単勝463.2倍
2017年の中央競馬において、単勝10番人気馬は複勝率7.9%。11番人気馬は複勝率6.0%、12番人気馬は複勝率5.0%、13番人気馬は複勝率3.9%と人気の低下にしたがって差は広がっていく。
単勝オッズではどうか。
こちらも同様の手法で調べたところ、単勝30-40倍台の馬は複勝率10.2%。50-99倍台の馬は6.0%、100倍台超えの馬は1.8%と、その差は歴然だ。2レースの単勝13番人気馬2頭を比較すると、トリトンSが単勝46.7倍で中山牝馬Sが77.8倍……とてもじゃないが、一緒くたにすることはできない。
次に注目していただきたいのは“オッズの境目”。
トリトンSは10番人気・11番人気馬がまったく同じオッズだった。また、13番人気馬と14番人気馬との間には大きな開きがあり、前述の単勝オッズ別複勝率で区切れば14番人気以下の馬はノーチャンスに近い。
一方、中山牝馬Sは単勝ひと桁台が6頭を数える大混戦。
「どの馬にも勝つチャンスがある」というファン心理は、4-20倍台など一定のゾーンに単勝オッズを集中させる。その心理が働くにもかかわらず、10番人気馬と11番人気馬の間には約18倍ものオッズ差が発生……ここに勝ち負けの基準となる明確な線引きが存在している点は見逃せない。
オッズはファン心理を読み解くうえでの大きな手がかりとなる。囚われすぎるのも良くないが、予想の判断基準のひとつとして参考にしてみてはいかがだろうか。
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