競馬サロン

2022/04/16 19:30
【皐月賞】 順調に休み明けで本番を迎えられそうなGI馬に、大きな期待を寄せて・・・

ところで、先週の桜花賞を勝ったスターズオンアースの父はドゥラメンテ。いうまでもなく2015年の皐月賞馬ですが、このレースで彼が見せたパフォーマンスは、日本競馬史に残る衝撃だったといっても過言ではありません。
このとき、1番人気に推されていたのがサトノクラウン。新馬戦と東スポ杯2歳Sを連勝し、休み明けの弥生賞も勝利。3戦全勝でここに臨んでいました。
2番人気は、父ディープインパクト×母の父ストームキャットという、活躍馬が続出する黄金配合のリアルスティール。さらに、3代母にはGI・10勝を挙げた名牝中の名牝ミエスク(キングカメハメハの父キングマンボの母)がいるという、極めつけの良血馬です。
そして、ドゥラメンテは3番人気。こちらも、3代母ダイナカールと2代母エアグルーヴがオークス馬で、母のアドマイヤグルーヴもGI馬という、極めつけの超良血馬。前走の共同通信杯でリアルスティールの2着に敗れ、賞金面で出走が危ぶまれましたが、この年の皐月賞は久々にフルゲート割れ。無事、出走へとこぎ着けました。
以下、後に競馬界のスーパースターとなるキタサンブラックや、前年の朝日杯フューチュリティSを制したダノンプラチナなど。出走15頭ながら、素晴らしいメンバーが集結しました。
レースは、クラリティスカイが1000m通過59秒2の平均ペースで逃げ、キタサンブラックとリアルスティールの関西馬2頭は先団に位置。一方、堀厩舎の2頭、サトノクラウンとドゥラメンテは、後ろから3、4頭目でレースを進めます。
その後、勝負所の直線入口でアクシデントが発生。内目で構えていたドゥラメンテが外へ出る際、勢い余って後続3頭の進路をカットしてしまったのです。ドゥラメンテにとっては、これが初の右回り。コーナーを回り切る前に手前を替えたことでバランスが崩れ、コーナーを真っ直ぐ走ってしまったのが原因と、後に騎乗したM・デムーロ騎手は振り返っています。
それでも、窮屈なインから馬場の外目へと出ることに成功したドゥラメンテ。だた、この時点で先頭からは7馬身。坂下でも、完璧な形で抜け出したリアルスティールとは、まだ5馬身ほどの差がありました。
ところが、ここからドゥラメンテは、かつて中山競馬場で走ったどんな名馬たちも繰り出したことがないような瞬発力を発揮。騎乗するデムーロ騎手自身が、この末脚に最も驚いたのでしょう。「信じられない!」といった感じで、この衝撃的な末脚を噛みしめるように首を振りながら相棒を追うと、リアルスティールを捕える前に、勝利を確信。スタンドに向け4本の指を立て、自身4度目の皐月賞制覇を表し、最後は1馬身半突き放してゴール板を駆け抜けました。
直線入口の斜行は、決して褒められたものではありませんが、そこからフィニッシュまでの一連の流れは、馬名のとおり「荒々しさ」そのもの。恐怖すら覚えるような戦慄の末脚で一冠目を制し、ダイナカールから続く、母仔4代でのGI制覇を達成したのです。
その後、次走のダービーを完勝し二冠馬となったドゥラメンテですが、6月に両前脚の骨折が判明して年内は休養。復帰戦となった翌年の中山記念を勝利したものの、ドバイシーマクラシックは落鉄の影響もあり2着。そして、帰国後の宝塚記念も2着に惜敗し、ゴール後に負ったケガが原因で競走能力を喪失してしまいます。
キャリアわずか9戦という、あまりにも短い競走馬生活。さらなる活躍が期待されていただけに、非常に惜しまれる幕引きでしたが、無事に種牡馬入りし、翌年から種付けを開始。2020年にデビューした初年度産駒の中では、タイトルホルダーが弥生賞を制して重賞勝ち一番乗りを果たし、種牡馬生活は順調な滑り出しになったと思われたのですが??。
最後まで、神様は味方してくれませんでした。昨年8月末。急性大腸炎を発症したドゥラメンテは、わずか5世代のみを遺し、9歳という若さでこの世を去ってしまったのです。
ただ、産駒はその後、大舞台で活躍。タイトルホルダーが菊花賞を制して産駒初のGI馬になると、先週の桜花賞もスターズオンアースが勝利。活躍すればするほど、その早すぎる死が惜しまれますが、2世代で2頭のクラシック勝ち馬を送り出すことは、並の種牡馬にできる芸当ではありません。父のような、戦慄の末脚を武器に活躍する産駒が出てくることに期待し、一頭でも多くのGI馬、後継種牡馬が誕生することを願ってやみません。
今週も、前置きが長くなってしまいました・・・。
ここからは、本題である皐月賞の予想に入ります。このレースもまた、近年はトライアルを使わなかった馬が強く、現在3連覇中。今年、上位人気が予想される馬も、ドウデュース以外はこのローテーションで臨んできます。
そんな皐月賞の過去5年を深掘り調査。重視できそうな指標を探り出し、それを元に予想を組み立てます。
(1)前走クラスと前走着順
(2)前走上がり
(3)前走4コーナーでの位置取り
(4)生産牧場
重視できそうな指標は、上記の4項目。まずは(1)、前走クラスと前走着順です。
GIらしく、前走重賞に出走していた馬が[5-4-5-48/62]と、3着内馬の大半を占める皐月賞。複勝率は22.6%と低いですが、複勝回収率はこれだけでも99%あります。
中でも強いのは、やはり前走重賞を勝った馬で[4-3-3-17/27]。勝率14.8%、複勝率37.0%。単勝回収率112%、複勝回収率127%でした。
これを東西別に見ると、まず関東馬は、過去5年で6頭が3着内に好走しており、これらすべてが前走重賞1着馬。その成績は[1-2-3-8/14]で、複勝率42.9%、複勝回収率157%。
一方の関西馬は、牡馬で前走重賞に出走し、5番人気以内かつ5着以内だったことが好走条件。その成績は[4-2-2-16/24]で、勝率16.7%、複勝率33.3%。単勝回収率172%、複勝回収率164%でした。
(2)は、前走の上がり。
小回りコースらしく、前走速い上がりを使った馬よりも、まずまずの上がりを使った馬に妙味がある皐月賞。
具体的には、前走上がり4、5位の馬が[2-3-2-11/18]。勝率11.1%、複勝率38.9%。単勝回収率205%、複勝回収率224%。今年の該当馬は、ジャスティンパレスのみです。
一方、前走上がり3位以内だった馬は[3-2-2-50/57]。複勝率12.3%、単勝回収率14%、複勝回収率31%と、好走率、回収率ともあまりに低く、これだけでは買える要素になりません。
この中で買えるのは、前走460kg以上で重賞に出走し、上がり2位以内で1着。なおかつ、2着に0秒1以上の差をつけた馬という、大変複雑な条件。
その成績は[3-1-1-8/13]。勝率23.1%、複勝率38.5%。単勝回収率62%、複勝回収率110%と、複勝回収率は低いものの、まずまずといったところです。
(2)に繋がるのが、(3)の前走4コーナーでの位置取り別成績。
小回りで行なわれる皐月賞では、先行力が重要。皐月賞で好走した馬の大半は、前走4コーナーで5番手以内に位置していた馬たちです。その中でも、前走4コーナーで2番手から5番手に位置し、1着だった馬は[4-2-3-17/26]。勝率15.4%、複勝率34.6%。単勝回収率117%、複勝回収率108%と、まずまずの成績。
(1)でも出しましたが、特に関東馬は、前走4コーナーで5番手以内に位置し(この場合は、前走4角1番手も含む)、前走重賞を勝った馬に限定すると[1-2-3-4/10]で、複勝率60.0%、複勝回収率221%と、素晴らしい成績です。
(4)は、生産牧場について。
皐月賞にも、多くの好走馬を送り出している「絶対王者」ノーザンファーム。過去5年、同場生産馬の成績は[3-2-2-27/34]で、3着内に好走した馬の半数近くを占めています。
中でも、前走重賞かオープンで4番人気以内1着。かつ2着に0秒1以上の差をつけた馬は[3-2-0-7/12]。勝率25.0%、複勝率41.7%。単勝回収率231%、複勝回収率108%。
今回は、これら4つの項目を重視し、印と買い目を下記のとおりとしました。
◎4 キラーアビリティ
○1 ダノンベルーガ
▲18 イクイノックス
☆2 アスクビクターモア
△11 オニャンコポン
△13 ビーアストニッシド
△10 ジャスティンパレス
△6 ジャスティンロック
△12 ドウデュース
△16 デシエルト
△8 ダンテスヴュー
△14 ジオグリフ
【買い目】
・馬単マルチ 4=1、18、2、11、13、10、6、12、16、8、14 計22点
・ワイド 4→1、18、2、11、13、10、6、12、16、8、14 計11点
本命候補は、4項目すべてに該当したダノンベルーガ。なのですが・・・、右回りのレースに出走することに関して、最後まで陣営も慎重だった様子。育成段階で負った右トモのケガが原因とのことで、直前まで出否が決まらなかった点は、どうも気になります。
ドゥラメンテのことを散々書いたんだから、同じ堀厩舎のこの馬を信じろよ!という声は、ごもっともですが(苦笑)、それとこれとは別の話。で、次の3項目に該当したのがイクイノックスとキラーアビリティの2頭。その中から、先行力のあるキラーアビリティを本命にしました。
アーモンドアイやグランアレグリア、クロノジェネシスなど。近年のノーザンファーム生産馬でGIを複数勝つような馬は、前哨戦を使わずGIからGIに出走。それでしっかりと結果を残しているので、休み明けは気になりません。
とはいえ、ダノンベルーガの評価も落とすことは出来ず、こちらを対抗に。ドゥラメンテをはじめ、2016年までは絶好調だった共同通信杯組。以後はやや低迷していましたが、昨年、久々にエフフォーリアが勝利しました。不安なく右回りをこなせば、ドゥラメンテばりの衝撃的な末脚を繰り出して勝利、なんて結果になってもなんら驚きません。
以下、単穴がイクイノックスで、前走重賞1着のアスクビクターモア、オニャンコポンと続くのですが、そう簡単に上位人気で決まると思えないのが、今年の皐月賞。関西馬のジャスティン2騎や、ビーアストニッシド、ダンデスヴューの激走に期待します。
馬券は、いつも以上に相手を手広く、馬単マルチとワイドを購入。GI馬でも1番人気にはならなさそうで、出来るだけ穴馬を連れてきてくれることを願っています。
今週が終わると、GIは一旦お休み。それでも来週は、土日で計3つの重賞が行なわれます。その後はゴールデンウィークに突入し、天皇賞・春、NHKマイルカップが行なわれるなど、春競馬を最も感じられる時期になりますね。
激戦と好勝負。そして、私としてはこれまでの流れ通り、高配当の決着を待ち望んでいます(的中できなければ、意味がありませんが・・・)。
それでは、日曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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