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競馬サロン

田原基成

2020/04/04 18:55

【大阪杯】アノ年度代表馬と重なる成長曲線。本命に迷いはない。/阪神10R/中山6R

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【阪神11R 大阪杯】

有馬記念時、私は「体重を増やすこと」について書き連ねた。

アスリートの世界で常識化する体重増=己の限界値を引き上げるパフォーマンスの向上。この方程式は年々信憑性を増しているように思える。

キタサンブラック。
リスグラシュー。
クリソベリル。

競走馬の世界でも実例は多く、上記に挙げた馬はデビュー時との比較で20キロ以上の馬体重増に成功。牝馬のリスグラシューに対して体重増の表現は何らかの「ハラスメント」に当たるかもしれないが、褒め言葉だから私は気にしない。スレンダーな2-3歳時と重厚感漂う4-5歳時。ふたつの時期があるから楽しめる。競馬における変態紳士のたしなみとして、当然持ち合わせている感覚だ。

さて、馬体重を増やすといってもただやみくもに増やせばよいものではない。

「馬体重増の根拠」を深堀りする必要があるのだ。

例えばキタサンブラック。

有馬記念時の繰り返しになるが、重要なことは何度も伝えないと伝わらない。当時の馬体重はデビュー時との比較でプラス30キロ。時計のかかる馬場巧者→スローペース専門と経て、馬場・展開不問のスーパーホースへと進化を遂げた。

クリソベリルのチャンピオンズCの馬体重は、デビューからプラス26キロ。華奢な部分はすっかり解消され、冬のタフな中京ダートを悠々と駆け抜けた。まだまだ成長の余地を残しており、向こう3年はこの馬の天下だろう。

そしてリスグラシュー。

衝撃の5馬身差圧勝で引退の花道を飾った有馬記念。468キロで臨んだ当時の馬体重は現役生活中もっとも重いものだった。全盛期にターフを去る……これほどカッコ良いものはない。この馬に関しては増量したものすべてがパフォーマンス向上のエンジンとして機能した稀有な例だ。今思えば大幅なボリュームアップを成し遂げた府中牝馬Sがターニングポイントだったのかもしれない。

府中牝馬S。
エリザベス女王杯。
香港ヴァーズ。
牡馬混合GII。

求められる適性が異なる4戦すべてで馬券圏内を確保した4歳秋-5歳春……ヒントどころか解答を導く材料が過去レースに転がっていた。それを見逃さず、素直になれるかどうか。ポイントはそこにある。

それを踏まえ、ここはラッキーライラックに本命の印を託す。

秋競馬は府中牝馬Sから始動、叩き2戦目のエリザベス女王杯を勝利。返す刀で香港ヴァーズを好走し、遠征後の国内初戦で2着……見れば見るほどリスグラシューとラッキーライラックは似ている。ヴィクトリアマイルに目もくれず、牡馬混合GIに挑むのは陣営が昨年得た手応えに起因するものか。

4歳春までのラッキーライラックなら、スローの上がり勝負濃厚と思われる今回は最悪の条件。上がり3F33秒台のレースで切れ負けを続けた昨年春。切れ味に勝るディープインパクト産駒に一蹴されていたことだろう。

しかし、今は違う。

年齢とキャリアを重ねるたびに新しい自分へとアップデート。前走馬体重は2歳夏の新潟時との比較でプラス38キロ……それでいてエリザベス女王杯が示すように上がり3F33秒台どころか32秒台の決着にも何なく対応してみせたのだ。

中山記念ではダノンキングリーに後塵を拝したものの、当時は「1週前に軽い外傷があり、しっかりした追い切りを控えた」と陣営が認める手ぬるい仕上げ。勝負どころでの反応の鈍さは調整不足が影響したものと捉えられる。1週前、そして今週と十分な負荷をかけられている時点で大丈夫。私のなかで不安は消え去った。

M.デムーロについても触れておきたい。

いま、世界を苦境に陥れている新型コロナウイルス。なかでも壊滅的な被害を受けるイタリアは彼の母国だ。スケールは違えど、似たような状況にあった日本に感動と勇気を与えたヴィクトワールピサでのドバイワールドカップ。「日本のために勝ちたい、日本のために勝ちたい」毎日そのように祈っていたという。もちろん競馬はそう上手くいかないものだと理解している。それでも競馬ストーリーテラーとして見たいのは笑顔満開、ハッピーオーラに包まれたデムーロの表情だ。

迷いはない。

ラッキーライラックが私の本命だ。

相手本線に抜擢するのはジナンボー。

先行馬総崩れの展開で4角先頭の前走小倉大賞典。早仕掛けは明らかだった。それでもレース時の馬体重はデビュー時との比較でなんと44キロ増。ボリュームアップに成功した点は好材料と受け止めたい。ディープインパクト×キングカメハメハの配合馬は阪神芝2000mで【4-1-2-5】複勝率58.3%。この距離の持ち時計1分57秒5は出走馬中TOP3にランクされるものであり、侮れない。

ダノンキングリーはこの位置。

新馬戦を含め、中10週以上の休み明けでは【4-0-0-0】と負け知らず。好走ローテを味方につけた前走は見事なレースだった。皐月賞のパフォーマンスを見るより急坂内回りの芝2000mは問題ないと思われるが、休み明け勝利→間隔を詰めて関西圏に臨むローテは2走前5着時と同じ……少なくともプラス材料ではない。萩原厩舎は関西圏のGIで【0-0-0-9】。高速馬場適性はメンバー中随一も、不安要素は少なからず存在する。

昨年の3着馬ワグネリアンは4番手評価。

休み明けで大阪杯参戦の臨戦過程は昨年とまったく同じ。ローテーションに不安はないだろう。ここでの懸念は距離。昨年はこのレースを含め芝2000mを3戦したが3.4.5着と勝ち切れず。枠の利を得られることで評価を上げた形だ。

クロノジェネシスはバッサリ切る。

昨春以降挙げた2勝はいずれも稍重-重。新馬戦を含め、渋った馬場では3戦3勝と際立った成績を誇る。翻って、良馬場で施行された2週間前の阪神芝2000m若葉Sは1分58秒6……いまの阪神芝は高速馬場だ。切れ味勝負に屈した2走前の内容から、今回想定される条件では死角ありだ。

【阪神11R 大阪杯予想の印】
◎5 ラッキーライラック
〇10 ジナンボー
▲8 ダノンキングリー
☆4 ワグネリアン
△9 マカヒキ
△3 ブラストワンピース
△1 ロードマイウェイ

【単勝】5(1点)
【馬連】5-10,8,4(3点)
【3連複/フォーメ】5-10,8,4-10,8,4,9,3,1(12点)
【3連単/フォーメ】5-10,8,4-10,8,4,9,3,1(15点)


次に、自信の一鞍。

【自信の一鞍 阪神10R 難波S】

ゴータイミングが馬券圏外に敗れた4戦は左回りと直線平坦コースに限定。今回の舞台となる阪神外回りコースでは【3-0-1-0】と大崩れがなく、適性の所在地は明らかだ。条件好転のここはスムーズなら突き抜ける。

【阪神10R 難波S】
◎3 ゴータイミング
〇14 ルナステラ
▲2 エングレーバー
☆5 シフルマン
△13 シャンティローザ
△12 セラピア
△16 ボッケリーニ
△7 ハナズレジェンド
△6 サトノケンシロウ
△8 スリーマキシマム

【馬連】3-14,2,5(3点)
【3連複/フォーメ】3-14,2,5-14,2,5,13,12,16,7,6,8(21点)
【3連単/フォーメ】3-14,2,5-14,2,5,13,12,16,7,6,8(24点)


最後に太鼓判レース。

【太鼓判 中山6R 4歳上1勝クラス】

地方で研鑽を積んだダンシングプリンス。相手関係を考慮したとしても3勝すべて2着馬に1秒以上の差をつけたパフォーマンスは尋常ではない。中間の坂路では4F50秒1と超抜の追い切り……先物買いのタイミングはここしかないだろう。

【中山6R 4歳上1勝クラス】
◎7 ダンシングプリンス
〇9 コウユークロガヨカ
▲16 オルダージュ
☆10 ケイアイマリブ
△12 フジノタカネ
△3 ヒロミ
△1 ヒロノトウリョウ

【単勝】7(1点)
【馬連】7-9,16,10(3点)
【3連複/フォーメ】7-9,16,10-9,16,10,12,3,1(12点)
【3連単/フォーメ】7-9,16,10-9,16,10,12,3,1(15点)


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アカウント⇒田原基成@競馬ストーリーテラー

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